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伝説の狩人  作者: 炭酸ガエル
亜人と幻想郷
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大森林での再会

 ハルは二人のペースに合わせるために少しスピードを落として大森林を進んでいた。二人が目指していたのは正規の大森林の入り口だがハルは別の入り口を使用する。入口ともいえないような道だがハルは迷いなく進んでいき、アリアとミゲルはそれに続く。


「こんなところから入れるのねぇ」


「意外と入るところがあるんだな」


 アリアとミゲルはそれぞれそのような感想を口々に言っていた。


「そりゃでかいだけでただの森だからな。狩りに来るということは依頼書があるってことでそれを確認する場所を設けるとハンターかどうか見分けるのが楽なんだと。それにリルの領域だからアランも放置はできないって言ってたよ」


 ダリノクスに隣接していて、人の国の基準ではダリノクスの所有する自然公園ということになっている。アランがリルとダリノクスの王族との間に入り協議して決めたらしい。それが数代前の王様であったのだが今でもその取り決めは守られている。その時の王はリルに直接会う機会があった。その時に逆らってはいけない存在だと力を見て思い、それを代々伝えているのだ。


「今のリルでは考えられないけどな。今じゃ森の中で魔法と刀の研鑽を積んでるし」


「話を聞いた感じ、今の方が珍しいんじゃないのかしら」


 アリアは自分の息子であるハルの楽観視を見て少し呆れていた。それはミゲルも同じなのだが二人は理解している。楽観視してても問題ない実力を持っているということを。

 しばらく進んだところで日も暮れかけていて元々暗い森であるということも考慮して野営することにした。ハルはマジックリュックから食料を出し、簡単な調理をして二人に差し出す。二人はおいしそうに食べているがアリアが何か言いたげである。ハルは何かしたかとアリアに聞いた。


「母さん、どうしたの?」


「なんでもないのよ。今の手際を見て本当に一人でしてきたんだなと思って」


 アリアは息子が何でもできるのはうれしいのだが親である自分たちが何もしてやれなかったという気持ちももちろんあるのだ。


「気にしないでいいよ。俺は今までいろいろなことをしてきたしこれからもしていくんだ。だからそれを見守っていてくれたらそれでうれしいよ」


 その言葉にアリアはミゲルの方を見る。気が付けばアリアの目からは涙が流れている。ミゲルはそれを見て優しく頬んで頷いた。


「……食事が終わったら話せていないことをもっと聞かせてくれよ。火山地帯に行くまでの二人や、その後のことも」


「ああ」

「そうね。話すわ」


 そして食事をしながら、そして終わった後も三人はそれぞれどういうふうに生きてきたかを夜が更けるまで話していた。


 次の日、三人はハルの家がある大森林の奥地に向けて出発した。しばらく進むと大獣種が多く出てくるエリアに入った。ハルは二人にどれだけ戦闘できるかを尋ねた。二人は大獣種程度なら問題ないと戦闘を引き受けた。その言葉に偽りはなく短い時間でしっかり処理していった。ハルは戦闘を終えた二人に、特に父親であるミゲルに腕の調子を聞いた。


「父さん、腕の調子はどう?幻想郷にいたときよりも魔力は安定してるように感じるけど本人の体感はどんなもんなの?」


「やっぱりバレてたか。ハルの感じてる通りだよ。魔力は安定してる。あの時の乱れは義手のこともあるがそれよりもリルさんの魔法の行使の時に出た魔力に驚いてしまった。昔なら平気だったんだがしばらく戦闘をしていなかったから大きな魔力を見ることがなくてな。そのせいで少し乱してしまったんだ」


 ミゲルは未熟だといいながらハルにそう説明した。確かにハルが魔力感知を強く作用させていなかったのに感じたということはそれだけの何かがその時にあったということだ。それがリルの魔法行使であったということなのだろう。


「まあ普通に戦闘しててもリルレベルの魔力を感じることはないもんな」


「そうよ。気にしちゃだめよ」


「ははっ、そうだな」


 魔力核の回収は忘れることなくして奥に進んでいく。もう周りには普通のサイズの木々は無くなっていて大森林特有の巨大な樹木が生い茂っていた。目的の場所までもう少しだと二人に説明しながら進んでいく。そして見えてくる。巨大な木の幹に扉や窓が付いているエリアが見えてきた。そしてその木の前にはリルを始めとしたここに住んでいる人たちが並んでいて、二人を歓迎していた。


「ようこそ。大森林の唯一の居住地である私の領域へ。二人はハルの親御さんなので大歓迎です」


「あ、ありがとうね。これからよろしくね」

「よろしくお願いします」


 二人はリルの歓迎に驚きながらも感謝とこれから世話になるのであいさつした。リルの後ろには二人にとってはかなり懐かしい顔がいた。


「久しいな、ミゲル、アリア。生きていると聞いたときは驚いたぞ。でも、よく生きてた」

「おかえりなさい、二人とも」


「久しぶり。帰るのが遅くなった、すまない。そしてハルをここまで育ててくれてありがとう」

「ありがとう」


 ドーボンとエミーが二人に声をかけた。二人は返事をしながらもこれまでのことを謝罪し、感謝を述べる。


「ハルは勝手に育ったぞ。俺たちは何にもしてねぇよ。それよりも聞きたいことがあるから俺ん家に来い!リル様、少し借りますね」


「はい、募る話もあるでしょう。また私から用があったら伺いますよ」


 そしてドーボンは二人を引っ張りながらドーボンの家に連れて行った。ハルはそれをリルと見送る。


「ハルはいいんですか?」


「ああ。募る話もあるだろうしな。俺は呼ばれたら行くことにするよ」


 そうですかとリルはいいながらハルの手を引き、二人の家に向かった。

読んでくださりありがとうございます!

評価やブックマーク、感想もお待ちしております。

そして誤字脱字の報告もありましたらお願いします!


今後も『伝説の狩人』をよろしくお願いします。

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