第6話 戦闘 2
覚悟を決め、俺は天龍を抜いた。
化物は一歩引き、こちらを威嚇しながら、様子を見ている。
「ナミングボルト!」
マリーンが再び麻痺で動きを止めた。
「八雲!動きを止めたから首を落として!」
俺は刀を構え虎の首を落とそうと、刀を振り下ろした。
「硬っ…!」
首は硬く刃が全く通らなかった。
瞬間、痺れながらも化物が俺に攻撃してきた。
受け止めたものの力が強く、俺はふっとばされてしまった。
「八雲…!」
痛ってぇ…軽症だが体が動かない。
くそ…こうしている間にも化物はマリーンに向っている。
どうすればあの硬い首を切れる?
――考えろ、考えろ!考えろ!!
「何をやっとるか馬鹿者!」
なんだ?
何処からかじいちゃんの声がしたような気がした。
「刀の使い方がなっとらん!」
刀の使い方――そういや昔じいちゃんに習ったっけ。
―――――――――
いつの事か忘れたけど、昔じいちゃんに刀で最高の切れ味を出すための極意を教えてもらった。
「いいか、八雲。刀はただ振るだけじゃいい切れ味は出せん。大切なのは刀と一心になり、中心で構え、素早く振り下ろすことが大切なんじゃ。見ておれ」
そう言うと、じいちゃんは刀を構えた。
すると、とんでもない気迫が伝わってきた。
思わず目を逸らしたくなる――そんな感じ。
そして、とんでもなく速いスピードで刀を振り下ろすと丸太を一刀両断に切ってしまった。
「とまぁ、こんな感じじゃ。わかったかの?」
「うん!やっぱじいちゃんはスゲェや」
心のそこから純粋に凄いと思った。いとも簡単に丸太を一刀両断に切ってしまったのだから。
「そしてもう一つ特別にうちの家に代々伝わる奥義をおしえてやる」
「"燕返し"という技じゃ」
「燕返しって佐々木小次郎の技じゃん」
「そうじゃ。儂らの先祖は"剣豪"佐々木小次郎なんじゃ」
「燕返しってどんな技なの?」
「それはな――」
―――――――――
(この技なら……"奥義"なら――殺れる)
と俺はふと思った。
俺は立ち上がる。立ち上がった瞬間、マリーンを襲おうとしていた化物がこっちを向いた。
俺はじいちゃんの教え通り刀を構える。
刀と一心になり中心で構える。
俺の気迫を受け取ったのか化物が威嚇を強める。
両者一歩も譲らないまま睨み合っていたが、化物が一気に仕留めようと飛びかかってきた。
まだ振らない。ギリギリまで引き付ける。
「八雲危ない!」
ここだ!
俺は化物の攻撃を避けながら、袈裟で虎の首を落とし、すぐに逆袈裟で蛇の首を落とした。
「奥義燕返し」
ありがとう、じいちゃん。
じいちゃんに教えてもらった技で人を守れたよ。




