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神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
始まりの章
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第4話  発見

 街を離れ、もと来た道を辿るように歩き始めた。

 そうして、歩いていると俺と穂波が初めて出会った所まで来た。


 「私が知ってるのはここまでね。後は八雲が私を案内しないと」


 そうだ、ここからは俺の記憶が頼りになる。


 そうして、俺が先頭で歩き始める。たしかこの道をこう行って。この道を曲がって。

 ここを右…いや左か。

 そうして歩いていると、目的の場所に無事つくことが出来た。


 「ここ?八雲が現れた場所って」


 「うん、ここで間違いない」


 「じゃあ、探そうか」


 そうして、捜索を始める。たしか、黒色の鞘に収まっていたはず。

 そして、刀に"天龍"と彫っていた。そういや、昔じいちゃんが言っていたな。


 これはまだ俺が小学生だった頃だ。当時、俺はよくじいちゃんの道場に通っていた。

 そしてある日、道場に飾ってあった。件の刀について聞いてみたんだ。


 「この刀か。この刀はな、儂らの遠い先祖の侍が、ある日し修行をしていたら突然、空の天気が悪くなり、どうしたものかと思っていると、急に空に龍が現れ、雷鳴が轟いてこの刀が侍の近くに落ちてきたそうなんじゃ」


 「侍はその刀を手に取り、鞘がなかったので鞘を自作し、自分の家に飾ったそうじゃ。以来この家の家宝として受け継がれてきたのじゃ。」


 そこで、刀の名前が気になったので、聞いたんだ。


 「この刀の名は"天龍"という。天の龍から落ちてきたからこの名前が付いたのかもしれんし、刀に"天龍"と彫ってあるんじゃ。ほら…ここに」


 確かにじいちゃんの言う通り刀に"天龍"と彫ってあった。俺はこの話を全然信じていなかった。

 龍が現れたというところから嘘くさいから。

 だが、子供目線でもあの刀がとんでもない名刀というのはなんとなくわかった。


 そんな大事なものなんだ。絶対に見つけなくては。そう思うと同時に一つの疑問も思いついた。

 このとき確かにじいちゃんは家宝を"一つ"といっていた。

 だが、死ぬ前に託した家宝は"2つ"天龍ともう一つは俺のふところにある短刀。この短刀はどこから来た?  いつ家宝になったんだ?この短刀持つと分かるが凄い力を感じる。不思議な刀だ。


 「八雲ー!!ちょっと来てー!」


 穂波に呼ばれ急いで駆け寄ると、黒い鞘に収まっている刀があった。

 鞘から抜いてみると"天龍"と確かに彫ってあった。


 「これだ。この刀だ。穂波ありがとう。」


 「どういたしまして。お目当てのものも見つかったし、そろそろ行きましょう。」


 そうして、歩き始めようとすると「おーい!!そこの二人危ないぞ!早く逃げろ!!」と叫ぶ声が聞こえた。


 何事かと振り返ると、虎の姿をしていて尻尾が蛇の化物を必死に追いかける魔法使いのような人がこちらに近づいてきていた。


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