第3話 会議
俺はこの世界に来た日のことを思い出した。そして、自分の名前も。
「"神代八雲"か…とりあえず風呂にいかないと」
そうだ。俺は昨日風呂に入っていない。しかも、寝覚めがすこぶる悪く汗を大量にかいている。
時計を見て時間を確認する。7時を指していた。
よし、風呂は空いているな。着替えを持って風呂に向かいますか。
風呂に向かう途中で俺はこれからどうするかを考える。
とりあえず、穂波と話をしなければならない。穂波の部屋は分かるから、後で訪ねよう。
問題は俺がこの世界に来たときに持っていたであろう刀2本だ。
1本はおそらく……あった。ふところを探ると、1本の短刀が出てきた。
2本の内1本は見つかったが、もう1本は検討もつかない。
「おっ、奇遇だね君と会うのは。」
そう言われ顔を上げると、そこには穂波がいた。多分、朝風呂の帰りだろう。
「どうしたの。何か考え事?」
「ちょっとね…それよりも1時間後に食堂に来てほしい。話したいことがある。」
「わかった。じゃあまた後で。」
そう言い彼女は去っていった。もうすぐ風呂だ。取り敢えず楽しもう。
ふぅ~ここの風呂は最高だった。とても癒やされ疲れが吹き飛んだ。
ここのとこ驚きの連続で疲れが溜まっていたから、とても気持ちよかった。取り敢えず時間を確認する。
約束の時間まで、15分か、食堂も近いし、先に行っておくか。
食堂の中に入ると、カウンター席や、個室の座敷もあるような所だった。
「おっ、こっちこっち」
と穂波が手を振ってくる。彼女のほうが、俺より先についていたのか。俺は穂波の隣に付いた。
「ごめん待たせた?」
「ううん、私もさっき来たところ。それで話って?」
そう言われ、俺は忘れていた記憶のこと。俺の名前についてなどを話した。
「そっか、思い出せたのね。じゃあ君のことは八雲って呼ぶね。」
「うん、良いよ。」
「話したいことはそれだけかな?終わったなら部屋に戻るけど…」
「まだある、少し待ってほしい」
「もう一つの刀剣探しを手伝ってほしいいんだ」
「全然いいけど…この世界の全部を探してたら、大変だよ?」
「いや、ある程度当たりはついている。俺が初めてこの世界に現れたところにあるんじゃないかと思っている」
「じゃあ、準備したらそこに行こう。私、旅館の外で待っているね」
とはいったものの、外に出るときどうしようか。
制服は洗濯したいし、いま着ている浴衣で外に出ていいのか。まぁ旅館の人にき許可とりゃいいか。
「来たね。浴衣で外に出て大丈夫なの?」
「うん、旅館の人に許可は取ったから」
旅館の人は浴衣で外に出ることをあっさり許可してくれた。
「じゃあ、行こうか。」
そうして歩みだした。