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神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
第一章 桃源郷編
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第26話 目覚め

 王を決める戦いが突如決まったからといって、俺の生活が変わることはない。

 いつもどおり学校に行って、神社に帰ってゆったり過ごしたりする。

 ただ、短剣と向き合う時間が増えた。

 それとこの短剣にも名前がついた。"四神の宝剣(ししんのほうけん)"という名を九郎さんにつけてもらった。

 

 日常が一日一日と過ぎ去ってゆく。気づけば武闘会まで3日となっていた。

 俺の通っている学校から出る予定なのは、俺とレイチェルだけである。

 俺は模擬戦をしたりとか、特訓をしたりしているわけではない。

 しかし、レイチェルは結構な数の模擬戦をこなしているらしい。というか、俺に負けてからずっと学校から帰ってもずっと特訓ばかりをしているらしい。

 彼女の熱量は相当なものである。


 放課後、帰ろうとしている時にレイチェルに声をかけられた

 

 「放課後暇かしら?」


 「うん、何もないよ」


 「そう。なら私と手合せしてちょうだい」


 「いいけど、刀とか置いてきたからとってきていい?」


 「いいわよ。学校裏の森で待ってるから」


 言い終わると彼女は颯爽と去って行った。

 急いで取りに行こう。



 刀をとって、学校裏の森に来ると、レイチェルだけでなく、レイナも待っていた。


 「来たわね、じゃあ早速始めましょ」


 「その前になんでレイナも居るんだ?」


 「レイナは審判役として呼んだの」


 「それなら問題ない」


 「では、二人とも用意してください」


 審判役のレイナが声を掛ける。

 天龍を抜いて構える。

 神の力はギリギリまで使わない。出来れば使わずに勝ちたい。


 「うっ………!!!」


 構えるを取った所で頭に強烈な痛みが走った。

 二人がすぐに駆け寄ってくる。

 二人が俺に呼びかけている。何とか応えたいが……

 ああ、だめだ。意識がもう……




 目を開き、手を動かしてみる。自由に動く。そして、俺は今自分の足で立っている。

 感覚に問題なし。ああ、なんて素晴らしい。肉体に感動することになるとは思わなかった。

 だが、意識は取れても肉体は変わらないというのは気に食わん。

 さてと、感動を噛み締めた所でそこの二人を殺してしまおう。


 レイチェルとかいう奴の頭を掴んで木に向って叩きつける。


 「ぐっ……急にな、なんな……の」


 首をキリキリと絞め上げていく。


 「こ……の……!」


 苦しいながらも氷の弾をとばして攻撃してきた。

 だが、そんなもの当たるわけない。俺は左手でそれを吸い込んで消した。


 「何……それ………あんた、隠していたの……?」


 「いや、これは俺にしか使えない。奴には使えない特別なものなんでね」


 その時、頭に何かがぶつかった。どうやら小石のようだ。

 で、俺にぶつけたのはもう一人のレイナの方か。

 俺は首を絞めていた手を離し、奴の方に向かっていく。


 「やっと離しましたね。殺すなら、私の方から殺しなさい!」


 とか言いながら震えてんじゃねぇか。

 だからといって、手を緩めるほど俺は聖人じゃねぇんだよ。

 怒りの表情を浮かべ、手を伸ばす。


 「やめ……ろ!!」


 地面に倒れた、レイチェルが氷の弾を飛ばしてくる。

 俺はさっき吸い込んだ弾を再び出して、ぶつける事によって、難なく対処する。

 その隙をついて、レイナが逃げようとしている。

 

 今の光景を見て、悟ったのだ。『私達には絶対勝てない。本気で殺される』と。

 さっきまでの勇気なんてない。完全に恐怖に支配された目をしている。


 ドサッ、ドサッと一歩づつ近づいていく。

 

 「や……めろ……!」


 後ろから声がする。

 奴は必死に声を絞り出している。俺は止まらない。


 「やめろおおおおお!!!!!」


 頭をつかんだ所で少しの違和感を覚えた。

 チッ、今ではここまでしか出ていられないか。

 悔しいなぁ……せっかく楽しくなるとこだったのに。


 「今回は逃してやるよ。次はない、神代八雲の不幸のためにも」


 「それと、俺の名は紫苑(しおん)だ。覚えておけ」







 「ん……あ………あれ、俺いつの間に気を失ってたんだ?」


 あたりはもう暗くなってきている。

 二人もいつの間にかいなくなっている。


 「うーん、何とも不思議なこともあるもんだ」


 モヤモヤした気持ちを抱え、帰路についた。

 

 

 


 


 


 




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