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神の愛した桃源郷  作者: 魚精神
第一章 桃源郷編
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第25話 勝利の余韻

 「…………………おき………て…………」


 「……………おきて…………」


 「………起きて……!」


 「起きて!」


 アリエルの声で目を覚ます。

 どれくらい寝てたんだ、俺?


 「やっと起きましたね」


 「俺、どれぐらい寝てた?」


 「15分ぐらいです」


 「あ、そんなにはたってないんだ……」


 「それと、ベルゼブブはどうなった?」


 「直ぐそこに………あれ?」


 彼女の指の指す方に目をやるが、誰もいない。

 ただ血痕が残っているだけである。


 「さっきまでそこにいたのですが………目を離した隙にいなくなったようです………」


 「奴も相当消耗していたから、当分何もできないはずだし、またやってきても俺が倒すから大丈夫……ん?屋敷から誰か出てくるぞ」


 よく目を凝らしてみると、ダリアとメリアだ。それと2人に肩を支えられているのは……もしかしてハルナードか!?

 3人は徐々に俺達の方に近付いてくる。

 最初に反応したのはアリエルだった。


 「?! ハルナード兄様……!」

 

 「アリエル!しばらく見ないうちに成長したな!それと……迷惑を掛けてすまなかった……」


 「いえ……こうして無事に戻って来てくれたのですから」


 アリエルは安心した顔をしながらも、少し涙を浮かべている。

 

 「そして、君達が妹に協力してくれた、八雲とラーニャだね?」


 「はい」


 「ありがとう。妹に協力してくれて、そして不甲斐ない王を助けてくれて」


 「いえ、無事に助かって良かったです」


 「それと今後についてだが、少し考える時間が欲しい。数日後に桃の街でこの世界の人全員を揃えて話そうと思う」


 「だから、今日のところは解散としよう。俺も久しぶりに自分の体を動かしたから立っているのがやっとなんだ」


 そう言うと、ハルナード達は屋敷の方へと姿を消して行った。

 俺もアリエルとラーニャに別れを告げ、帰路についた。

 立て続けに事が起きたから、どっと疲れた。帰ってゆっくり休もう。





 早いもので戦いから3日が経った。そして今日ハルナード達から桃の街への招集を受けた。

 街へ向かうと人がいっぱいいる。本当に桃源郷の至る所から集まっているというのがよくわかった。

 しばらく待っていると、ハルナードが皆の前に姿を現した。

 正装に身を包んだ彼は威厳がある。


 

 「桃源郷国王ハルナード·バートリーである。今日は皆に話があり集まってもらった」


 「まずは100年も職務を放棄し、混乱を招いた事を深く謝罪する」


 深々と頭を下げる。周りがざわつき始めた。

 そんな中でも話を続ける。


 「その責任を取り、俺は今日を持ち王をやめる!」


 「そしてこれより1週間後に新たな王を決める」


 「あ、あの、新しい王を決めるってどうするんです…?」


 一人の老人が尋ねる。


 「決め方は、武闘大会による勝者が王となる」


 「ぶ、武闘大会……なぜそれで決めようと?」

 

 「初代桃源郷の王が武闘大会の勝者だったそうだ。以降は世襲となっていたが、今回は原点に戻る!」


 「参加条件はなし、腕に自信のあるもの、王を志す者の参加を待っている。以上、解散!!」


 それを言い終わるとハルナード達はさっさと帰っていってしまった。

 さて、俺も帰るか。


 帰ろうかと歩みだした時、黒いローブに身を包み、フードを深くかぶっている人物とすれ違った。

 その一瞬顔が見えた時俺は驚いた。

 なぜなら、その人物はベルゼブブだったからだ。

 急いで追いかけ、声を掛ける。


 「おい、お前こんなところで何してるんだ?」


 「ああ、誰かと思えば貴方でしたか。何をしてると言われても、集会に来ただけですよ」


 「お前、何か企んでるな?」


 「あんだけこっぴどくやられたのに、何かしようなんて思いませんよ。私はここで平穏に暮らそうと思っているだけです」


 「どうだか……」


 「信用しなくてもいいですよ。ただ……今日の集会で少し心持ちが変わりましてね」


 「……! やっぱり何か企んで……」


 「ただ、貴方やあの元王の吸血鬼の様に骨のある人が王になったら仕えるのも悪くはない…………そう考えただけです」


 ベルゼブブは踵を返し、去って行った。

 悪魔の言う事を何処まで信用していいのやら………


 神社に着くとさっさと風呂に入り、布団に潜った。

 布団の中で俺は実感していた。

 次の波乱が近づいてきていることを。






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