第18話 救出作戦
「兄を助けて欲しい…?」
「ええ、貴方なかなか強くて頼りになると聞いたので」
「はぁ……」
「あ、名前を言っておりませんでしたね」
「私、アリエル·バートリーと申します」
「それでは今日はもう遅いのでこの辺で」
「詳しい事はまた明日にでも」
「あ、ちょちょっとま……」
一瞬にして消えてしまった。
明日会うと言われても名前以外わかんないしなぁ……
ん?なんだコレ。
彼女が消えた足下に紙が落ちていた。
これは……地図か。
しかも桃の街のだな。
丁寧にバツ印がつけてある。ここに来いってか。
学校終わりに行くか。
学校が終わり、指定の場所に向かってみた。余り人目につきづらいとこだな…
「来ましたね」
アリエルはちゃんといた。それに後ろに誰かいる。
「こ、こんにちは……」
アリエルの後ろにいる少女は自信なく挨拶をする。
服装的に聖職関連の仕事をしているのだろうか。
「わ、私ラーニャといいます……エクソシストです…」
「俺、神代八雲。よろしく」
「アリエルちゃんから聞いています……とてもお強いと…」
「場所を変えて話しましょう」
アリエルに促され、俺達は喫茶店に入った。
「さて、何から話しましょうか」
「まず、私達バートリー家のことから話しましょう」
「私達バートリー家は代々この桃源郷の"王"を務めてきた王家です」
俺はとても驚いた。
この桃源郷に王がいたなんて話を一度も聞いたことがなかったからだ。
「今ではこの世界に王がいた事を知るのは一部の人だけになりました」
「なぜ、そうなったかそれは………」
「それは………?」
「私の兄である現王のハルナード·バートリーが職務を放棄したからです」
「職務放棄って、一体なぜ?」
「100年前突然兄は職務を放棄しました。そして、今に至るまで玉座に座って怠惰になっただけで何もしていません」
「今までもどうにかしようとしてきましたが、どうにもなりませんでした。兄が強いため今までやってきた腕っぷしの武人など全員が返り討ちに遭いました」
「その中にはラーニャの師匠もいました。彼が言うには兄の中に"魔王"が居ると。そして、彼も敵わず………亡くなりました」
「ですが、亡くなる前私にこう言いました『私の弟子にラーニャという才能の原石がいる。今はまだ石だが成長し、開花すれば私を遥かに超える。彼女が15になるまで待ってください。私の見立てでは15の歳に開花します』と」
「そしてそれが今年です」
「さらに運の良いことに八雲くん、貴方も居ます。今年を逃せばもう救う事は出来ないでしょう」
「今一度問います、八雲くん。救出に協力してくれますか?」
「うん。喜んで協力するよ」
ここまで来て引き下がるものか。
絶対にお兄さんを救い出す。
ふと、ラーニャの方へ目をやると彼女は俯いて少し震えている。
どうしたのだろうか?
「あ、あのう………」
俺が声をかける前に彼女の方から口を開く。
「わ、私初級の技しか使えません…………」




