第17話 占い
「ふむ。そこの童、貴様何者じゃ?」
「地球から来ました。神代八雲といいます」
「ただの人間がなぜそこまでの神力を持っておる?」
「この刀のものかと…」
彼の前にそっと刀を差し出す。
一通り見たあと刀を返してもらった。
「………これをどこで?」
「爺ちゃんから貰い受けたものです」
「ふむ。して、ここには何用で参った?」
俺はこれまでの経緯を説明する。
「我が弟子が世話になったな。礼を言おう」
深々と頭を下げられる。
「はっきり言うが、儂はお前のことが嫌いじゃ」
「…………………え?」
「だが、占いはしてやる」
目を閉じ、意識を集中させているようだ。
……あってすぐに嫌いとか言われると思ってなかった……
「出た」
「結果は……?」
「得るもの4つ、失うもの数多。といったところか」
「え、それだけですか?」
「それだけじゃが?」
「金運はどうとか、健康はどうとか、そういうものなんじゃ………」
「そんなものはない。第一、嫌いな者に対してここまでやっとるのに他に文句があるというのか?」
「いえ…………」
「わかったら、とっとと去れ」
「失礼しました………」
少しなんとも言えぬモヤモヤを抱え、社を出た。
得るもの4つに失うもの数多ねぇ……なんのことだろうか?
今考えても仕方ないな。
おいおいわかるだろう。
「八雲殿、今日は本当にありがとうございました。師匠様の件はまぁ……あれでしたが…それでは気をつけてお帰りください。八咫、しっかり送り届けるんじゃぞ」
「はい。では八雲様、背中に乗ってしっかりつかまっててください」
色々あったが無事に天狗様を救うという当初の目的をしっかり果たせた。
とっても気分がいいや。
神社に来る困りごとを解決することで少しは恩返しができたかな。
「鞍馬よ、主にも少しは見えただろう?奴の"未来"が」
「はい、ほんとに少しですが」
「主は儂の見とるものをずっと占いなどと言っていたが、本当はその者の未来を見ておった。それが今回で主にもわかったじゃろう?奴の未来が少し見えたということは」
「はい」
「修行の成果が出ているな。主も神に近づいているということじゃ。して、主にはどれが見えた?」
「おそらく、師匠様に見えた一番大きな事だと……」
「………ああ、やはり"それ"が見えたか……」
「このまま行くと奴は"死ぬ"」
「…………本当にそのとうりになるのでしょうか……」
「わからぬ。未来というのはちょっとした拍子で大きく変わる。だから、未来は無数にある。儂らが見たのはその内の一つに過ぎん」
「そして、この世界には奴の未来を大きく変えうる"不確定要素たる人物"が居る」
「少なくともそれは私や師匠様ではありませんね」
「そうじゃな。奴がどんな道を辿るか興味深いわい」
十数分の飛行を終え地上に無事降りることができた。
「それではお気をつけて」
「うん!八咫君も元気で!」
別れを告げ、空を見上げると日が沈んできている。
森を抜けないといけないから少し急ごう。
「少しよろしいですか?」
歩き出そうとした時に後ろから声をかけられた。
声色から俺より少し幼い少女だろう。
「なんですか?」
「あなた神代八雲さんですか?」
「そうですが…」
「貴方に協力していただきたいことがあります」
「私の兄を救い出してほしいのです」




