第14話 春夏秋冬
あの一件から俺は学校中の有名人になった。色々な人と話したりするようになったし、友達も増えた。けど、一番仲良くしているのは春彦だった。春彦といるときが一番楽しい。
「なぁ、八雲。今日街で遊ぼうぜ」
「ああ、いいよ」
「よっしゃ、じゃあ荷物置いたら学校の前に来てくれ」
「了解」
あっという間に放課後になった。急いで神社に帰り、速攻準備して学校前に向かう。俺が着いたときには春彦はもういた。それに春彦の他に3人いた。
「ごめん、遅れた」
「そんな待ってねぇから、気にすんな」
「そこの3人は誰?」
「ああ、紹介してなかったな。ちょうどいいし、みんなで自己紹介するか」
「最初は俺から行かせてもらうぜ」
と春彦は言う。最初は春彦からか。
「俺は春彦。元気が取り柄で、歳は17だ。改めてよろしく!」
パチパチと拍手が起きる。
「次はあたしだね」
といい、春彦に負けず元気そうな女の子が始める。
「あたし、夏目。春彦とは幼馴染で、負けず劣らず元気が取り柄。歳は16。みんな、改めてよろしくね!」
パチパチと拍手が起きる。
「順番的に次は僕かな」
二人とは対照的な男の子が始める。
「僕は秋吉。本が好きです。歳は17です。改めてよろしくお願いします」
パチパチと拍手が起きる。
「次は私かな」
おしとやかな女の子が始める。
「私、冬瀬といいます。手芸が得意です。歳は17です。改めてよろしくお願いします」
パチパチと拍手が起きる。
最後は俺の番だ。
「俺は神代八雲って言います。地球の日本から来ました。歳は17です。これからよろしくお願いします」
パチパチと拍手が起きる。
みんなと握手を交わし、自己紹介はいい形で終えられた。
「よっしゃ、じゃあゲーセン行くか!」
春彦がみんなに声を掛ける。
「あたしらの遊ぶ場所の定番はあそこだしね」
「僕も賛成」
「私も賛成」
とみんな賛成のようだ。
「八雲はどうだ?」
「俺も賛成。久しぶりに行くし楽しみ」
「よし、早速行くぞ〜!」
歩き始めてから数分で目的の場所に着いた。店自体はさほど大きくない。なぜなら個人経営だからだ。
ただ、マシーンの数はそれなりにある。
「よお!春彦。お前ら4人が揃ってくるのも久しぶりだなぁ」
「そうなんだよ~やっと予定があってさ」
春彦とは店主のおっちゃんが楽しそうに会話をしている。
「そういや、そこの坊主誰だ?見ない顔だが…」
「ああ、こいつは八雲。最近こっちにやってきたんだ」
「そうか、よろしくなぁ八雲」
「こちらこそよろしくお願いします」
「てこたぁ、久しぶりに揃ったのかい?”5人”が」
「そうなんっす、久しぶりに」
何やらよくわからない会話を2人はしている。
「ちょっと、早く遊ぼうよ~」
待ちくたびれたのか、夏目が春彦に声を掛ける。
「引き止めて悪かったな、春彦。存分に遊んでいってくれ」
「はい!存分に遊んで帰ります」
「春彦ちょっと良いか?」
おっちゃんと話し終えた春彦に声を掛ける。
「ん?どうした?」
「さっき、5人がどうとかって言ってたけど、何の話だ?」
「ああ、悪い。説明してなかったな、俺達の”軍団”のこと」
「”軍団”?」
「俺達、”春夏秋冬クインテット”っていう軍団で街の中では通ってるんだ」
「俺が入るまで、4人だったのに”クインテット”?」
「そう」
「へ?どうゆうこと?」
頭の中が疑問でいっぱいだ。