第13話 決着後
「5分経って起き上がることがなかったので、勝者 神代八雲!」
大きな歓声が湧き上がる。とても気分がいい。この感覚は勝者にだけ感じられるものだ。
さて、俺が体を使えるのもここまでのようだ。
「んあ………どこだここ?」
確か…短剣を取って、短剣抜いて……う~ん、そっからの記憶がない。俺、一体その間何してたんだ?
「目が覚めたかい?」
この人は保健室の恵先生だ。保健室に運ばれて、治療を受けたらしい。
「はい、おかげさまで」
「なら良かった。隣のレイチェルはまだ起きてないようだけど」
どうやら俺の隣のベッドではレイチェルが寝ているらしい。
「それと一つ聞きたいことがあるんだけどいいかい?」
「なんですか?」
「あんた、何者だい?」
「え?」
「私も見てたんだけどね、氷から出てきた時のあんたは人じゃなかった。人を超越した存在……神のオー
ラを感じた」
「神の力をなんで一個人が使えるんだい?」
「俺もわかりません。ただ、ぼーっとする意識の中で火之迦具土が『短剣を抜け』と言ってきて、抜いたとこから意識がなくて気づいたらここにいて…」
「そうかい。………その短剣、私もはっきりとはわからないんだけど、火之迦具土以外に3つの力を感じる」
「そうなんですか?」
「詳しいことはあんたんとこの神主にでも聞けばわかると思うよ」
「そうですか、ありがとうございます」
動けるようになったので、下校する。はぁ……今日は疲れたな、帰って寝よう。と、いきたいとこだけど九郎さんに短剣の事を聞かないと。
「斎藤さん、ただいま」
「おかえり、八雲」
「斎藤さん、九郎さんどこにいますか?」
「多分、家にいると思うよ」
「そうですか、ありがとうございます」
家に行き、扉を引く。
「ただいま。九郎さんどこですか?」
「八雲、こっちです」
奥の方から呼ぶ声が聞こえる。
「おかえりなさい、八雲」
「私に何か用ですか?」
「あっ、実は……」
俺は今日あったことを説明した。
「いつか話そうと思っていましたが、恵先生の言うように、その短剣がただならぬ物で、力を持っているというのは八雲に会ったときからわかっていました」
「そうなんですか」
「火の力以外に3つ力がありますね。それぞれ、水、雷とこれは……単純に力?武の力といったところでしょうか」
「そこまで見えているんですか。すごいですね」
「神主ですから。それと感謝の気持ちを伝える儀式をしましょうか」
「儀式ですか?」
「ええ、少し待っていてください」
少し待つと、九郎さんが御神酒と刀を置く台座を持ってきた。
「刀を台座に置いて、御神酒を注ぎ、手を合わせ感謝を祈る。内容はこれだけです。やってみてください」
言われたとおりにやってみる。まず刀を置いて、御神酒を注ぎ、台座の前に置く。そして俺は手を合わせる。
最初戸惑ったが、貴方のおかげで勝つ事が出来ました。ありだとうございます。と、心の中で言った。
「さ、今日はもう遅いので八雲はご飯を食べて、お風呂に入って、寝てください」
「あ、短剣は一晩このままにしておいてください」
「わかりました」
俺と九郎さんは部屋を後にする。
「酒もいつぶりだろうか………………懐かしいな、お前から酒を貰うのも」
「………?気のせいか」
「どうかしましたか?」
「いえ、何でも」
次の日、酒は綺麗になくなっていた。




