第11話 いざ、決闘!
とんでもない事になった。俺がレイチェルに決闘を申し込まれた。このことは既に学校中の噂になったていた。引くに引けなくなってしまった。
午後の授業は何にも頭に入ってこなかった。下手を打ったら病院送り。このことだけが頭を回っていた。
この学校は色々とすごい。まず、武器が持ち込める。もちろんむやみに使ったら駄目だが、持ち込みや、緊急時に使う分には問題ない。
それと、決闘も合法である。それ故俺は自分の刀を持ってきていた。
しかも、刀に詳しいやつが俺の刀をかなり良い物と見抜いており。そこから、俺はかなり強いのではと、噂になったていた。
絶対に引けなくなってしまった。ここで引いたら、雑魚のレッテルを貼られる。
俺だって強いことを証明して、見栄を張りたい。
人間と戦った事はなくても、人間より強い化物と戦って勝ったんだ。
今更、人間に負けないという。空虚な自信で自分を鼓舞した。
放課後、俺はグラウンドに行った。するとたくさんの人がいて、レイチェルとレイナもいた。
レイナは驚いた顔をしていたが、特に何も言って来なかった。俺の覚悟が伝わったのだろう。
「来たわね、レイナから私の事は聞いたでしょうに逃げなかった事は評価するわ。けど、後悔することになるわよ」
「俺だって、並みの覚悟で来てるわけじゃない。勝つビジョンがあるから来たんだ。絶対負けねぇ」
審判役として、上石先生がいた。先生から勝ち負けの条件を説明される。
気絶して5分目覚めなかったら負け、これ以上やったら死んでしまうと審判が判断したら引き分けで終了、どちらかが降参したら降参した方の負けというシンプルな条件だった。
「両者用意!」
先生の一声で俺とレイチェルは戦闘態勢に入る。
「始め!」
この一言と同時にレイチェルが魔法で作り出した氷柱を飛ばしてきた。
回避に成功し、俺は間合いを詰め、一太刀振るうが避けられた。氷の魔法を使うことは聞いていたが、素の身体の力も高い。
「びっくりしたかしら。私はね、魔法だけに頼らず、体術の訓練も欠かさなかったのよ!」
レイチェルが今度は一気に間合いを詰めてきた。氷で固くした拳を振るう。なんとかガードしたが、鍛えてるだけあって、結構重い。
「アイスフィールド」
レイチェルが唱えると、地面が凍った。反撃に転じようとしたが、滑って上手く動けない。
「あんなこと言った割には弱いわね。もう終わりにするとしましょう」
「雪風·神吹雪」
そう唱えると猛吹雪が吹き始め、前が全く見えなくなり、飛ばされないよう踏ん張るのがやっとになった。
くそっ、俺の攻撃が届かないどころかさっきからずっと押されてばっかだ。発破切ったからには勝たなきゃならない。
一歩踏み出す。
見栄だって張りたい。
また一歩進む。
けど、一番は俺に期待してくれてるクラスメイトの期待を裏切りたくない!
さらに一歩を踏み出したところで、レイチェルの姿を捉える。彼女も俺に近づいて来ている。今なら俺の一太刀も届く。
そう思い、振るおうとしたが…
その時にはもうレイチェルは俺の肩に手を置いていた。
「アイスボックス」
俺は凍ってしまった。指一本も動かない。俺は完全に負けたんだ。
「まだ、負けちゃいねぇよ」
誰かが言う。