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パスティーシュ  作者: ふりまじん
新生活

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19/21

白鳥の騎士2


気がついたら、私は、食堂車でお茶を前に座っていました。

通路側には、揺れる列車をものともせず、豊かな金髪の麗しき大男が姿勢良く私を見つめていました。


ミセス・ハドソン…女王陛下は、いつも、このような複雑な気持ちと闘いながら食事をしていらっしゃるのでしょうか…


もう、フォンの…白鳥の騎士のせいで、私は、食堂の注目の的になってしまいました。

まあ、しかたありませんわ。確かに、悔しいですけれど、美しいのですもの。

ああ、美しい男性…女学生時代、友達と様々な本を胸に話し合いましたわ。

生徒会長のレディ・サファイア(もちろん、仮の名前ですわ)のクリスマス会の手伝いに伺って、やんごとなき、紳士…と、いう方々を遠くから見た事もありましたけれど…

ああいった、精神的ににじみ出てくるような美しさとは違う、華々しい麗しさに、心が揺れる…

フォン・ヘルダーさんは。


「お座りになってください。」

私、言いましたわ。

こう、様々な方に見つめられて恥ずかしくてたまらないのですもの。

でも、フォンは、気にも止めずに平気で立ち尽くすのですわ。

凄く、美しい立ち姿で。 バッキンガム宮殿の近衛兵(このえへい)に混ざっても、きっと違和感がないのでは無いかって程ですわ。

「そうはゆきません。私は、貴女のスチュワートですから。」

フォンは、確かに、そういいましたの、私、思わず確認しましたわ。

家老(スチュワート)ですって?」

すると、フォンは、何を驚くんだと、言わんばかりにきっぱりと辺りに聞こえる声で言いましたのよ、

「はい、私は、貴女のスチュワート。フォン・ヘルダーです。」


ああ、その笑顔の美しいこと…

まるで、おとぎ話の宮殿で、妖精の吟遊詩人の恋物語を聞くお姫様にでもなったような気持ちになりましたわ。


ええ、不謹慎だとお思いでしょう。

でも、ミセス・ハドソンは、ご存じないから、私を攻めることが出来るのですわ。

きっと、ミスター・モリアーティは、魔法使いなのです。

本当に、彼が言った通り、乙女小説(レディースマガジン)から抜け出てきたようなのですもの。


でも、私も、もう、ミセス。短いとはいえ、ジョンと共にホームズ先生の冒険を影から支えていたのですもの。

乙女心の同様なんかにいつまでも戸惑ったりしませんわ。


お腹のところに力を入れて、私、フォンを睨んで言いました。


「お座りなさい!あなたが、(まこと)、私の従者(スチュワート)と申すなら。」


ちょっと、2年生の劇の事を思い出しました。

私、妖精の女王の代役候補でしたの。

出番はありませんでしたけど、こんなところであの経験が役に立つなんて、本当に、人生とは不思議なものですわ。


フォンは、私の気迫に素直に従いました。

少し、居心地悪そうに向かい側に座ったのに、背筋を伸ばす頃には、幾何の先生のように厳粛な顔に戻っていましたわ。


でも、負けるわけには行きません。

フォンは、ドイツの人のようでしたが、間違いは正さなくてはいけないと思いました。


「フォン・ヘルダーさん。大英帝国の言葉は慣れないかも知れませんが、簡単に家老(スチュワート)などと口にしては行けません。

恥をかきますよ。」


言ってやりました。


フォンは、驚いた顔で私を見て、次の瞬間、耐えられないと言わんばかりにクスクス笑いだしたのですわ。

メアリーの通っていた女学校ですが、細かいとこが分かってません。

義務教育は10歳くらいまでだった様で、赤毛のアンの様に高等学校は別れている、もしくは他の地方からやってくる人もいて、学年のカウントがそこからになる様な設定にしました。

 基本、18歳まで同じ学校に通うのが正しい様です。が、分かりずらいし、メアリーはインド出身の様なので、日本の高校と同じ学年カウントで書いてゆきます。


 真実が知れたい人はネットや学校の先生に聞い見てね。

 ついでに、私も、どこかで変更するかもしれません。

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