瞬殺ざまあ・剣聖の家系追放編 〜実家の公爵家を追い出されてトボトボ歩いていたら山賊に出くわしました。父と兄は巡回警備のサボりがバレてクビです〜
※作中人物は自覚してませんが、ゲーム風の世界が舞台です。なのでゲーム特有の演出がありますのでご了承下さい。
「セブン!いつまでぼんやりしとんじゃ!」
ヒューン ボコ
「イテッ」
親父が投げたオレンジを受け、俺はようやく正気に戻った。
「全く、ちゃんとワシの話聞いていたん?」
「あ、はい。ハズレスキルだから追放すね」
俺の名はセブン。代々剣聖スキルを授かり国防に貢献してきた公爵家の次男だ。親父がオレンジの剣聖、兄貴がメロンの剣聖のスキルを神から授かり、俺も何がの剣聖になるかなと思ってたら、まさかのハズレの剣聖というな〜んの効果もないスキルを授かってショックで気絶。そのまま親父に運ばれて帰宅。んで、家は兄貴が継ぐし俺は追放って事に。ま、しゃあない。
「じゃ、行ってきまーす。今までありあとあしたー」
荷物を纏め、公爵家を出発する。
「ハァ~、これからどしよ」
自宅を出て三分で空元気は消滅した。たった一日で将来と家族を失ったら、テケトーな性格の俺でも凹む。
そんな感じでトボトボ歩いてると…
「ほげー!」
+1
聞き覚えのある女の悲鳴。急ぎ足で声の方に向かうと、王家の馬車が山賊に襲われていた。
「は?」
反射的に後ろを振り返る。そこには公爵家がまだ見えていた。
「は?」
目の前を再確認する。うん、俺の婚約者であるヒスイ王女が山賊に襲われてる。
「ほげー!ほげー!」
+1
+1
四つん這いになったヒスイは山賊に尻をビンタされて悲鳴を上げている。これはほっといても大丈夫そうだな。ヒスイが山賊相手にマゾ性癖を解放するぐらいの余裕がある事を確認すると、俺は即座にUターンする。
「あ…、セブン君いかないでほげげー!」
+10
涙目で訴えてくるヒスイだが、こいつが本気で尻を振るったら山賊なんて瞬殺だ。俺はヒスイを無視して自宅にゴーゴ〜。
「糞親父!なんか自宅から徒歩五分で山賊出たんすけど?」
「バレてしまっては仕方無い!そう、最近警備サボってた!」
不正を暴かれた親父は、三人に分裂してオレンジを構え時間差で突撃してくる。だが、サボってた親父の動きは遅い。
「右!左!中!GETだぁ!」
俺は冷静に親父を順番に殴り倒し、背後から迫る兄貴も殴る。
「兄貴、あんたが襲ってくるのも読んでいたぜ!」
「何、激熱だと!?」
メロンとチェリーを同時に構え、顔面をガードする兄貴。チャンス!俺はがら空きの腹に、服の上のボタンを狙いパンチを突き刺す。
「ボタンを押すんだ!」
PUSH!
「見事だ…」
兄貴は顔をキリン柄に変え、虹色のゲロを吐いて倒れた。
EPISODE BONUS
その後、武の名門のくせに自宅すぐ傍に山賊が湧いた公爵家は責任を追求され、責任者の親父とその補佐の兄貴はゴールデンボンバーの刑となった。
また、街道で通りすがりの山賊と尻ビンタプレイをしていたヒスイは王家追放となった。
当然俺も罰を受けると思っていたのだが、まだ若く現場仕事に関係していなかった俺はお咎めなし、それどころか新たな公爵に任命された。まあ実際の所さん、王国としては剣聖の血筋を残したいからこうなったのだろう。
「今日は向こうの山まで探索だ。山賊を根絶やしにすんぞ」
「「「はーい」」」
現在俺は、メイド姿の罪人三人を引き連れ領地周辺を探索している。親父と兄貴のせいで公爵家は完全に山賊に舐められている。年内にこれを改善しないと、俺もメイドになってしまうかもしれない。
「やれやれ、剣聖公爵というのも大変だな」
「だろ?じゃから、ワシは予算だけ貰ってサボっとつたんよ」
「うるせえ!」
この後、俺のハズレ剣聖が覚醒して純ハズレ剣聖となりとてつもない上乗せが起こるのだが、それはまた別の話。
現実でもこんなふうに勝ちたい。クリスマスイベント−44k。