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軍務省にて

2000年1月8日


正月も明け、大日本帝國も通常の生活に戻っていた。






帝都東京市ヶ谷軍務省


世界最強の大日本帝國全軍を統括するのが、軍務省である。



1946年に空軍が正式に発足されてから、3軍を統括する省として軍務省が設置された。


軍務省はTTZSも傘下にし、世界最大の規模を誇る。




大臣執務室


「「失礼します。」」



大臣室に海軍軍令部総長の依田香織大将と海軍軍令部第1部部長北村萌香少将が入ってきた。


「いらっしゃい。」


杉原真奈美軍務大臣は、2人にソファーに座るように目で合図する。


杉原軍務大臣は、秘書官にコーヒーを持ってくるように頼んだ。



「大臣、富嶽が量産再開されるのは本当ですか?」


依田軍令部総長が質問した。


「本当よ。ステルス爆撃機と対地攻撃機が量産が再開されるわ。」


「輸送機はどうなんですか?」


北村第1部部長が聞いた。


「輸送機は聞いてないわ。500機からは増やす予定が無いみたい。」


「まあ輸送機は何であれ、今は攻撃力の増強が行われるんですから。これは良い出来事です。」


「まあね。輸送機は別に緊急展開軍用と言って良いからね。香織ちゃんの言うように、攻撃力の増強が大事なの。」


杉原軍務大臣が言った時、秘書官がコーヒーを3つ持ってきた。


3人は暫し、コーヒーに舌鼓を打つ。




口火を切ったのは、北村第1部部長であった。



「杉原軍務大臣、西側陣営ですが今後はどう動くんでしょうか?」


「そうね。あれから5日経ったけど未だに、集結を続けてるだけだわ。貴女達の所の考えは分からないけど、私達軍務省は演習へ向けての集結と断定したわ。」


杉原軍務大臣が断言した。



「軍令部もそのような結論を下しました。」


「はい。陸軍参謀本部と空軍統合本部はどうなんですか?」


北村第1部部長が聞いた。


「さっき報告に来たわ。演習しか無いってね。けど、同じ省の中にあるんだから直接聞けば良いんじゃない?」


2人は顔を見合わせて笑った。


「確かにそうですね。すいませんでした。」


「香織大将は確か、紀香大将と綾子大将とは友達でしたね。」


「そうよ。昔は飲みに行ってたんだけどね。今じゃ私達は事実上3軍の頭だからね。」


北村第1部部長の質問に、依田軍令部総長が溜め息を吐きながら答えた。



ここで説明すると、軍務省は海軍軍令部及び陸軍参謀本部・空軍統合本部を内部に設置している。


なお、海軍省・陸軍省は各博物館となっている。


名称も海軍博物館・陸軍博物館となった。


空軍も博物館を新規に建設した。




「まあ、時間があれば飲みに行くと良いわ。私が認めるわ。どうせ、演習なんだから軍務大臣がいれば大丈夫。」


杉原軍務大臣が笑いながら言った。



「ありがとうございます。また時間を見付けて、行きたいと思います。」


依田軍令部総長は頭を下げた。



「フフフ、遠慮しないで良いのよ。」


杉原軍務大臣はそう言うと、コーヒーを飲んだ。


2人もコーヒーを飲む。


「ところで、もしもよ。もしも西側陣営との冷戦が熱戦になったら大丈夫?」


杉原軍務大臣が2人に質問する。


「大丈夫です。布陣は完璧です。詳しくは萌香ちゃん、説明して。」


「分かりました。それでは、これをご覧下さい。」


北村第1部部長は鞄から書類を取り出して、杉原軍務大臣と依田軍令部総長に手渡した。


「現在大日本帝國海軍連合艦隊は、1個の戦艦艦隊・11個の空母打撃群を保有し、20隻の原子力潜水艦を世界各地に配備しています。戦争が何処かで勃発すれば、近くの原子力潜水艦が巡航ミサイル攻撃を行い、その内に近くの空母打撃群が急行します。その後5日以内に半数の空母打撃群を急行させ、戦艦艦隊も急行させます。これが海軍の基本戦略です。」


北村第1部部長の話しを聞きながら、2人は書類を読む。


北村第1部部長の説明に付け加えると。


大日本帝國海軍連合艦隊は基本的に、8隻の原子力潜水艦以外は本土周辺に配備してある。


空母打撃群は1個ごとに、東と西に地球を1周する事になっている。

第7艦隊は日本海のみを担当海域としている。


緊急時に戦場へ急行する。


なお最低2個空母打撃群は、本土及び大東亜共栄圏各国防衛のため残される。


世界各地に配備されている原子力潜水艦は当然の事だが、艦船には核兵器が搭載されているのは周知の事実である。


これにより、大日本帝國海軍連合艦隊は存在そのものが抑止力となっている。





北村第1部部長は更に話しを続ける。


「もし仮に西側陣営と開戦すれば、当面の敵はアメリカ連邦海軍です。ソ連極東艦隊はそう強くはないでしょう。キーロフ級4番艦ユーリアンドロポフを旗艦とした小規模艦隊です。主力のアドミラルクズネツォフやソヴィエツキーソユーズ・スターリングラードはバルチック艦隊に配備されています。仮にそれらが歯向かってきたとしても、私達の敵ではないでしょう。規模と兵力が違います。」


北村第1部部長が断言した。



「そうね。大日本帝國の基本戦略としては1614年から海軍優先増強を行って、陸軍の増強は最低限しか行われなかったからね。第二次世界大戦後に空軍が設立されてから、余計に陸軍の優先順位は下がったわ。攻めてくる敵には空軍が先制攻撃を加えて、海軍が壊滅させる。陸軍は常に戦略には組み込まれて無かった。海軍と空軍が全滅させれば、陸軍は必要無い。中曽根軍拡の時は確か、陸軍解体論も出たわね?」


杉原軍務大臣の言葉に、依田軍令部総長が頷いた。



「もし湾岸戦争が勃発しなければ、陸軍は解体されていたかも知れません。いくら陸軍の重要度が低いと言っても、解体してはいけません。中曽根総理はその点で陸軍と言うものを分かっていなかったみたいです。その湾岸戦争でようやく、陸軍も増強されてきましたがそれでも実力は西側陣営に劣ります。中華・満州ラインがあっても西側陣営が核を使わないとは断言出来ません。」


依田軍令部総長の言葉に、杉原軍務大臣の顔が強ばった。


「核を使う!?核戦争になるわよ!!」


「大丈夫です。いざとなれば、九尾狐に破壊工作を命じます。」


北村第1部部長が胸を張って言った。


「まあ貧乳で無理しないの。」


杉原軍務大臣が笑いながら言った。


「………」


北村第1部部長は杉原軍務大臣と胸を見比べる。


「萌香ちゃん、私の胸触ってみる?」


依田軍令部総長が言った。


「ムムム、私頑張って大きくします!!」


「「頑張って〜」」


北村第1部部長の言葉に、2人は笑いながら答えた。


「頑張ります!!………話しを戻しますよ?」


この言葉に2人から笑顔が消えた。



「九尾狐に破壊工作を命じる事です。これは我が国に限った事ではありません。西側陣営は、マジノラインにも核を使うかも知れません。そうなれば九尾狐のみならず、TTZSと共同で破壊工作を実行します。麻理亜女帝陛下と綾崎総理はもし核を使われたら必ず、反撃の核攻撃を行うはずです。そうなれば世界は終わりです。日ソだけでなく、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・中華帝國・琉球王国・インドもが、核を撃ち合うでしょう。地球は壊滅します。」


北村第1部部長の言葉に、2人は想像した。

核攻撃を受け、消滅する中華・満州ラインとマジノライン。


数万人の兵士が戦死し、その空白地帯を侵攻してくる西側機甲師団。


報復を宣言する麻理亜女帝陛下と綾崎総理。


帝國本土から核ミサイルが発射され、海軍も核攻撃を始める。


それに続いて、西側・東側の核保有国も核攻撃を開始する。


死の灰が世界を包み、人類は死滅する。


悪夢である。



2人は身震いした。


「悪夢ね。」


杉原軍務大臣が口を開いた。


「悪夢です。大日本帝國が崩壊するなど許されません。」


依田軍令部総長も口を開いた。



「こんな事になってはいけません。世界が女性支配となっているのに、来世がそうなるとは限りません。もしかしたら男が台頭しているかも知れません。そうなれば来世の女性達がかわいそうです。来世の女性達のみならず、私達もそうですが男には決して自由を与えてはいけません。これは世界が滅びる以前の問題です。」


「そうね。」


杉原軍務大臣は頷きながら答えた。



「まあ、来世の事は分からないけど核戦争は防がないとね。」


「そのためにも、明日香長官に言っておいて下さい。」


2人は杉原軍務大臣に頭を下げた。


「分かったわ。任しといて。」


「「ありがとうございます。」」


「貴女達も頼むわよ。連合艦隊を万全の態勢にしておいてね。」


「「了解いたしました。」」


2人は敬礼をした。


杉原軍務大臣も答礼する。


「失礼します。」


依田軍令部総長の言葉に、2人は大臣執務室を出ていった。



本編で語られた『スターリングラード』は、ソ連の大型巡洋艦です。     1951年に1番艦スターリングラードは起工され、翌1952年に進水しました。          しかし翌年にスターリンが死去して、フルシチョフが書記長となり政策が変化。1952年に起工した2番艦モスクワと共に、建造中止となりました。    本編では、80年代の中曽根軍拡の時に大日本帝國にソ連が対抗するために建造が再開された、と言う設定です。                     九尾狐は次回あたりに登場するので、その時に説明します。

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