西側陣営動く
2000年1月3日午前10時
首相官邸閣議室では、帝國安全保障会議が開かれた。
開かれた理由は、中華・満州ラインとマジノラインにおける、西側陣営陸軍機甲師団集結である。
先の大戦から55年。
ついに西側陣営が、動き始めた。
首相官邸閣議室
帝國安全保障会議のメンバーは、内閣総理大臣綾崎若菜・軍務大臣杉原真奈美・内務大臣森井夏穂・外務大臣松浦千恵美・大蔵大臣保坂美優・通商産業大臣七瀬優・TTZS長官星野明日香・大東亜大臣岸優衣。
そして、海軍軍令部総長依田香織大将・陸軍参謀総長的山紀香大将・空軍統合総長永倉綾子大将が3軍代表として参加した。
「真奈美ちゃん、説明して。」
綾崎総理の言葉に、杉原軍務大臣は立ち上がった。
「それでは説明します。まずは資料をご覧ください。」
杉原軍務大臣の命令で、大臣秘書官が資料を配る。
「昨日午後8時から、西側陣営が動き始めました。中華・満州ラインとマジノラインにです。これをご覧ください。」
そこで大型液晶モニターに、映像が映し出された。
「本日午前0時の状況です。偵察衛星飛翔が捉えました」
杉原軍務大臣の言葉に、映像が拡大される。
中華・満州ラインのソビエト連邦国境付近が映し出された。
「ご覧ください。ソビエト連邦の誇る陸軍機甲師団が集結しています。非武装地帯を挟んで待機してますが、何が目的か分かりません。」
映像は更に拡大されていく。
戦車の種類まで分かるほどだ。
「詳しい説明は、陸軍参謀総長の的山紀香大将に。」
杉原軍務大臣は、席に着いた。
代わって、陸軍参謀総長的山紀香大将が説明を始めた。
「説明しますと、これがT−90Uでこちらが、チョールヌイオリョールです。この中華・満州ラインの非武装地帯集結しているのは、現在100万です。」
「100万!?」
森井内務大臣が叫ぶ。
「歩兵だけでの100万です。他に先程のT−90Uやチョールヌイオリョールを含む、戦闘車両は1万輌以上あります。」
「満州国と中華帝國にはどれくらい駐留してるの?」
松浦外務大臣が質問する。
「満州国に、陸軍は1個師団2万人、戦車も100輌・戦闘車両250輌・ヘリコプター200機が駐留しています。中華帝國にも、戦車以外は同じ数が駐留しています。」
「戦車以外?」
岸大東亜大臣が質問した。
「はい、戦車は中華帝國には50輌しか駐留していません。中華帝國は、戦車を我が国より保有しています。まあ、性能は高くないですが。」
「空軍はどうなの?」
綾崎総理の言葉に、空軍統合総長永倉綾子大将が説明を始めた。
「空軍は、満州国には戦闘機60機・攻撃機40機が駐留しています。中華帝國には戦闘機50機・攻撃機60機が駐留しています。」
永倉大将は、席に着いた。
「海軍はどう?」
綾崎総理の言葉に、海軍軍令部総長依田香織大将が説明を始めた。
「海軍は富嶽ステルス爆撃機と富嶽対地攻撃機を保有しています。何かあればすぐに、飛ばせます。それに空母戦闘群も派遣出来ます。大日本帝國海軍は世界最強です。」
依田大将はそう言うと、席に着いた。
「明日香ちゃん、西側陣営が軍事行動に移る可能性は?」
綾崎総理の言葉に、TTZS長官星野明日香が立ち上がった。
なお、TTZSとは『帝國対外情報捜査局』の事である。
ローマ字表記で、略したものである。
「現在、五分五分と言った状況ですかね。今回の集結も軍事行動かどうかは分かりませんからね。軍事演習だと良いのですが。」
「確かに軍事演習と言う可能性も捨てきれ無いわね。」
綾崎総理は自分の巨乳を抑えつけるように、腕を組む。
「総理、こちらをご覧ください。」
的山大将がリモコンのボタンを切り替えた。
すると、マジノライン周辺が映し出された。
そして更に拡大され、陸軍機甲師団が集結しているのが良く見えた。
「ご覧のように、ドイツ第三帝國とイタリアも陸軍機甲師団を集結させています。兵力は両軍合わせて歩兵120万。戦車もレオパルト2とC−1アリエテと言う新型です。戦闘車両も両軍合わせると1万7千は集結しています。」
「やっぱり軍事行動に出るんじゃないですか?」
七瀬通商産業大臣が質問した。
「分かりません。軍事行動に出られれば、どうなるか分かりません。」
「紀香ちゃん、軍事行動に出られた時は大丈夫?」
綾崎総理が的山大将に質問した。
「…………」
的山大将は即答を避けた。
暫らくしてから、的山大将は重い口を開いた。
「はっきり言って、陸軍が西側陣営に勝てる確率は低いです。大日本帝國海軍は世界最強ですし、大日本帝國空軍も世界に冠たるものです。しかし大日本帝國陸軍は、ソ連・ドイツ・イタリアに負けています。90式戦車もソビエト連邦とドイツ第三帝國・イタリアの戦車に、勝てるか分かりません。海軍・空軍の支援が無ければ、陸軍は半分の実力しか出せません。海軍・空軍の支援があるからこそ、実力を最大まで引き出せるのです。」
「そんな事ないでしょ。世界に冠たる帝軍が。」
的山大将の弱気な発言に、保坂大蔵大臣が声を荒げる。
「いいえ本当です。帝軍でも、陸軍は貧弱です。」
的山大将は俯きながら答えた。
なお帝軍とは、女帝陛下の軍隊と言う事である。
「分かったわ。戦時には3軍共同で頑張ってね。」
綾崎総理が3軍の長に言った。
「勿論です。大日本帝國海軍は世界の海を支配し、大日本帝國空軍は世界の空を支配しました。最後は大日本帝國陸軍です。西側陣営を叩き、世界の陸を大日本帝國陸軍が支配するのです。」
「軍令部総長の意見に賛成です。陸軍を世界一に押し上げるのであれば、空軍も海軍と共同で陸軍を支援します。」
依田大将と永倉大将ははっきりと言った。
「香織大将、綾子大将。ありがとうございます。」
的山大将は、泣きながら2人に頭を下げた。
「仲が良いわね。」
綾崎総理はそう言うと、笑った。
他の大臣達も、笑っている。
「真奈美ちゃん、戦争になった時の対処は?」
綾崎総理の言葉に、杉原軍務大臣が立ち上がった。
再び大型液晶モニターの前に立ち、説明を始めた。
「大日本帝國帝軍の総力をあげて、迎え撃つまでです。敵は第二次世界大戦の時と同じく、中華・満州ラインとマジノラインで立ち往生するでしょう。我が帝軍は、そのうちに行動を起こします。中華・満州ラインへの支援は、朝鮮の第8方面軍を投入。空軍・海軍の富嶽航空隊で支援します。海軍連合艦隊は、アメリカ連邦との決戦です。日本海においてアメリカ連邦海軍を壊滅させ、ハワイを占領。西海岸への空襲を慣行します。」
大型液晶モニターは、杉原軍務大臣の話しに合わせ、映像が次々と切り替わる。
「日本海地区における戦争が終結すれば、次は陸戦です。陸戦では………」
「もう良いわ。」
綾崎総理は、杉原軍務大臣の話しを止めた。
「対処方法は、完璧ね。」
「勿論です、若菜総理。帝軍は無敵です。」
杉原軍務大臣は即答した。
「良いわ。これなら戦争になっても万全ね。」
綾崎総理は、安堵の溜め息を吐いた。
「それじゃ、帝國安全保障会議は終わりよ。」
綾崎総理の言葉で、帝國安全保障会議は終わった。
と、そこへ。
「若菜総理、大変です!!」
秘書官が血相を変えて、閣議室へ入ってきた。
「どうしたの?」
「男のデモです。」
「デモ?」
「はい。」
「場所は?」
杉原軍務大臣が聞いた。
「帝居です。」
「お姉様の!?」
「麻理亜女帝陛下の!?」
秘書官の言葉に、閣僚達は声を合わせて叫んだ。
帝居
秘書官の言った通り、男のデモが始まっていた。
「女男平等にしろ!!」
「女帝制反対!!」
「男性に自由を!!」
「麻理亜女帝は悪魔だ!!」
帝居女帝室
「陛下、外は大変な事になってます。」
上山女中長が言った。
「そうみたいね。」
「如何しますか?」
「紗季ちゃんの意見は?」
「男などクズです。デモを起こした奴等は死刑にするべきです。男なんて、私達女に服従してれば良いんです。」
「フフフ、妾も同じ意見よ。男は死刑にしましょ。」
デモを起こした男の命運は、これで尽きた。
帝居
「女帝出てこい!!」
「女帝制反対!!」
未だに叫んでいた。
そこへ。
「おい、女帝が出てきたぞ。」
1人の男が叫んだ。
麻理亜女帝は、上山女中長を連れて外へ出てきた。
麻理亜女帝は、デモ隊の前で立ち止まった。
「妾に何か用かな?」
麻理亜女帝は笑みを浮かべながら、男達に問い掛けた。
「このメス豚の女帝め!!」
「お前なんか、死ね!!」
「女独裁政治を止めろ!!」
「男に自由を!!」
「男を解放しろ!!」
男達は口々に叫ぶ。
「煩いわね。」
パンッ!!
ドサッ!!
1番前にいた男が、倒れた。
頭を打ち抜かれていた。
「おいっ!!何するんだ!!」
「人殺し!!」
「犯罪者!!」
男達はまた、口々に叫ぶ。
「人殺し?紗季ちゃん、妾はさっき何を殺した?」
麻理亜女帝は、上山女中長に問い掛けた。
「陛下は何も殺していません。空気を撃たれました。」
上山女中長は即答した。
「何を言ってる!!このメス豚の女帝は人を殺したぞ!!」
1人の男が反論する。
「妾が人を殺した?皆の衆、妾が悪いのか?」
麻理亜女帝は、周囲に集まっていた女性達に問い掛けた。
「陛下は悪くありません。」
「陛下は空気を撃たれました。」
「陛下は何も殺していません。」
女性達は、口々に叫ぶ。
「何故だ!!何故なんだ!!」
男が膝をついた。
「それはだな。」
麻理亜女帝は、周りを見渡す。
「妾が美しいからだ。」
麻理亜女帝は、女性達に投げキッスをしながら答えた。
「麻理亜女帝陛下〜、愛してます!!」
「麻理亜女帝陛下万歳!!」
「麻理亜女帝陛下〜、お美しいです!!」
女性達は、麻理亜女帝に愛を伝えている。
「もうだめだ。」
男達は諦めて、座り込んだ。
そこへ、陸軍が到着した。
「陛下!!お怪我はありませんか?」
指揮官が駆け付けた。
「大丈夫よ。」
麻理亜女帝は、指揮官の耳を舐めた。
「へ、陛下………」
「フフフ、可愛いわね。」
麻理亜女帝は笑った。
「陛下、このクズはどうしますか?」
上山女中長が、聞いてきた。
男達は全員立たされ、後ろ手に拘束されていた。
「そこに1列で並ばせて。」
麻理亜女帝はそう命じた。
男達は、1列に並ばされた。
「自動小銃を貸して。」
麻理亜女帝が、指揮官に言った。
「了解いたしました、陛下。」
指揮官は自動小銃を、麻理亜女帝に手渡す。
「クズ共、妾が直々に殺してやる。有り難く思え。」
ドガガガガガガガガッ!!
「グハッ!!」
「グヘッ!!」
「グフッ!!」
男達は全員、射殺された。
「皆の衆、妾を許してくれるか?」
「勿論です陛下!!」
「陛下は何をやっても良いです!!」
「私を陛下の犬にしてください!!」
「陛下は絶世の美女です!!」
「フフフ、紗季ちゃん。貴女も許してくれる?」
麻理亜女帝は、上山女中長に問い掛けた。
「勿論です陛下。」
「ありがとう。妾は何をやっても自由よ。何故なら、妾が美しいからだ。」
麻理亜女帝は、声高々に宣言した。
「はい。陛下は絶世の美女です。そんな陛下に使えさせてもらい、私は幸せです。」
上山女中長は、笑みを浮かべながら答えた。
「フフフ、そうだろ。紗季ちゃん、今夜は激しくやるわよ。」
「そ、それだけは。」
「ダ・メ。妾のテクニックで、紗季ちゃんを私の虜にするまでやるわよ。」
「……了解いたしました。」
麻理亜女帝は、陸軍に死体の片付けを任せると帝居に戻っていった。
任された彼女達は、陛下直々の命令に喜びながら片付けを始めた。
大日本帝國女帝の、権利の大きさが良く分かった。
次回予告 未定。 何がどうなるか、お楽しみに