救出作戦
少し短いですが。
午前1時15分
アレクサンドリア国際空港周辺飛燕墜落現場
中少尉率いる分隊は、墜落現場に辿り着いた。
「小隊長!!こっちです!!」
「今行くわ!!」
中江少尉は部下に呼ばれ、走り出した。
近付くとそこには、落下傘をしたままの操縦士が倒れていた。
「大丈夫?」
「大丈夫です。足を骨折したかもしれません。」
操縦士の言葉に中江少尉は足を見た。確かに赤く腫れており、折れている可能性があった。
「大丈夫。手当てをすれば、直ぐに治るから。」
「ありがとうございます。」
操縦士はそう言うと頭を下げた。
「固い固い。いちいち礼なんていらないわよ。そう言えば名前を聞いてなかったわね。私は中江よ。」
「自分は八千草絵里です。階級は少尉です。」
「おなじなのね、よろしく。」
中江少尉と八千草少尉は握手をした。そこへ赤尾上等兵が駆け寄ってきた。
「敵です。小隊規模、もしくはそれ以上かもしれません。」
「了解。少尉、銃の腕前は?」
「中の上ですかね。」
「上等よ。さあ、赤尾上等兵。少尉を抱えて。」
「了解しました。」
赤尾上等兵は八千草少尉を抱え起こした。
「行くわよ。」
中江少尉の言葉に八千草少尉と赤尾上等兵は頷いた。
「射撃開始!!」
中江少尉の命令に、分隊は一斉射撃を開始した。だがこれは数回目の命令である。敵は一向に減る気配は無く、寧ろ増加していた。
「弾がもたないわね。」
「こっちもです。」
中江少尉の言葉に、赤尾上等兵も叫んだ。
「軍曹!!無線機の修理は!?」
中江少尉は無線機を修理中の軍曹に尋ねた。訪ねられた町田軍曹は必死になって無線機を直していた。
「出来る限り急いで!!」
「了解!!」
町田軍曹は手を動かしながら、返事をした。
「少尉、私のせいでこんな事になってしまいました。申し訳ありません。」
八千草少尉はそう言うと、中江少尉に頭を下げた。
「何言ってるの。そんな事は気にしない。機体なら幾らでも量産出来るけど、貴女の代わりはいないのよ。その申し訳なさは飛燕に乗って、敵にぶつけなさい。」
「ありがとうございます。」
八千草少尉の目には、うっすらと涙があった。
「少尉!!敵の装甲車です!!」
赤尾上等兵が叫んだ。
「99式は!?誰か持ってる!?」
「持ってます!!」
中江少尉の言葉に島一等兵が返事をした。その手にはしっかりと99式無反動砲が握られていた。
「88式は?」
「弾切れです。」
「分かったわ。99式を装甲車にご馳走してやりなさい!!」
「了解!!」
島一等兵はそう言うと、99式無反動砲を肩に担いだ。
「エジプトの装甲車は旧式だから99式で十分過ぎるわ。外さないでね。」
「もちろんです。」
中江少尉の言葉に、島一等兵は笑みを浮かべながら答えた。
「発射!!」
島一等兵は99式無反動砲の引き金を引いた。
ドグワァァァン!!
盛大な爆発音と共に、装甲車は爆発した。
「お見事。」
「ありがとうございます。」
中江少尉の言葉に、島一等兵は礼を述べた。
「少尉!!修理完了しました!!」
町田軍曹の叫び声が中江少尉の耳に飛び込んできた。
「ありがとう。直ぐに使える?」
「司令部に繋がってます。」
「了解。」
中江少尉はそう応えると、受話器を取った。
「旭日、こちら朝日2ー2。大隊長、応答願います!!」
『こちら旭日、朝日2-2。何かしら?』
叶大尉の声であった。
「大隊長!!航空支援を要請します!!」
『現状は?落ち着いて報告を。』
「エジプト軍の猛攻です。中隊規模と思われます。弾薬は残り僅かで、数分で私達の武器は石と棒と罵声だけになります。」
『罵声では戦えないわね。』
「早急に航空支援をお願いいたします。」
『分かった。騎鉄隊を派遣するわ。』
「ありがとうございます。」
中江少尉はそう言うと、受話器を置いた。
「みんな、雷光が来るわよ。」
中江少尉の言葉に、歓声が起こった。
敵に攻撃を受けていた中江少尉の部隊を助けたのは、雷光戦闘ヘリコプター部隊であった。通称を騎鉄隊と呼ばれる部隊は、エジプト軍を圧倒した。エジプト軍は騎鉄隊に撃滅され、中江少尉達は無事に生還を果たした。