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始動

お久し振りです。

遅れて申し訳ございません。

2000年2月25日午前8時

満州国ハルビン満州国有鉄道ハルビン駅


1970年10月に実施された日ソ国交正常化を受け、大東亜共栄圏と東側諸国は大日本帝國に追随して国交正常化を成し遂げた。それにより満州国有鉄道はシベリア鉄道との直通路を建設した。これにより大日本帝國国有鉄道朝鮮線を経て満鉄〜シベリア鉄道の直通が実現したのである。


カナとノヴァは朝鮮線に乗りハルビン駅で駅弁を買う為に下車した。



「あった!!これこれ!!」

「これ?」


飛び跳ねながら喜ぶノヴァに、カナは冷静に駅弁を見つめた。


「確かに美味しそうね。」「絶対美味しいよ。」

「えぇ〜っと、満州牛の照り焼きとしょうが焼きをご飯に乗せた特製牛丼弁当、成る程。」

「大日本帝國の三大和牛、神戸牛・松阪牛・近江牛を真似て国策で高級牛の飼育を行ったの。そして生まれたのが満州牛よ。」

「たかが牛肉と侮る事無く、和牛が世界中で高級牛として取引されてるからそこに目を付けたのね。」

「大日本帝國も独走状態だったから競争相手が出てきて逆に喜んだわけ。」


ノヴァはそう言いながら駅弁を2つ手に取った。


「早速食べてみよ。」

「もちろん。」


カナは答えると財布を取り出した。







同時刻

大阪国連本部ビル


3日前から行われている緊急安全保障理事会は、未だに平行線のままである。まあ3日で決着が着けば世界から戦争は駆逐されるであろう。話し合いで解決出来ないから戦争に発展するのである。『戦争の阻止と戦争の準備は同時に出来ない。』の言葉通り世界は戦争準備を行っており、この緊急安保理は茶番劇として終わる可能性が非常に高くなった。



「今回のそもそもの要因を整理します。」


有原国連大使はコップの水を一口飲み、続けた。


「エジプトはイスラエルを占領する事を目標として侵攻しました。これによりエジプトは反撃を行い、局地紛争に発展しました。」

「それは間違いです。我が国の民間人をイスラエルが虐殺した為、我が国は反撃を開始しただけです。」


ユーナ大使は声を張り上げて反論した。


「いい加減な事を仰らないで頂きたい。貴国が陰謀を企まなければ、このような事態にはならなかったのです。」


イスラエル国連大使のヌーンは穏やかに、かつ力強く反論した。これにユーナ大使が反論した為、2人の言い合いとなった。


「……難しい事になった。」


有原大使は頭を抱えた。







午後3時

アメリカ連邦首都ワシントンDC国防総省地下2階国家戦闘作戦指揮センター



アメリカ連邦の戦時に於ける総司令部である。北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)とも連携しており、何があっても連邦軍を指揮する事が可能である。


「説明を。」

「分かりました。」


マリス国防長官はファイルを置きながら説明を求め、情報官はモニターにリモコンを向けた。


「御覧ください、こちらがネヴァダ砂漠で行われた実験の模様です。」


映像はモニターを二分割して、左を地上から右をB−52からそれぞれの映像となっている。そしてB−52が爆弾を投下すると、コンクリートで作られた塹壕に命中。数秒後に内側から大爆発を起こすと、塹壕は跡形もなく吹き飛んでいた。


「御覧のようにバンカーバスターは非常に効果的であります。これさえあれば、2大ラインを消滅させる事が出来ます。」

「素晴らしい。これで大日本帝國は二正面作戦を採るしかなく、欧州でも独ソの機甲師団が猛威を振るう事になる。となれば我が国の勝利は断固たるものとなるわ。」


マリス国防長官は笑みを浮かべながら言った。


先の大戦に於ける敗戦理由をアメリカ連邦は細かく研究し、『防衛塹壕突破戦術の確立』と言う大きな結論を出した。独ソ連合機甲師団はマジノラインにその快進撃を強制的に止められた。枢軸国側の戦略は独ソ連合機甲師団の欧州侵攻、そしてソ連機甲師団の満州侵攻。ソ連の侵攻に大日本帝國は満州を支援する為に戦力を裂かれ、そこへアメリカ連邦が太平洋から殴り掛かる。そのような戦略であった。大日本帝國と言う怪物に真正面から戦って勝てる可能性は無いと判断し、二正面作戦を強いさせる事で短期決戦で決着を着ける事にした。しかし独ソ連合機甲師団はマジノラインに止められ、ソ連はその突破の為に兵力を西方重視にした。その為大日本帝國はアメリカ連邦に集中して戦う事が出来たのである。アメリカ連邦も当初は空母機動部隊の活躍により優位に立ったが、マリアナ沖海戦の致命的な敗北により大日本帝國に振り子は大きく振れた。それにより第二次世界大戦は連合国側有利となり連合国側勝利で幕を下ろした。



「時は来たわ。」


マリス国防長官の言葉に全員が頷いた。




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