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3軍の長会議

午後3時


帝都東京城南島


大日本帝國の帝都東京城南島には、国営の収容所がある。



ここの収容所には、帝都東京に住んでいた男を収容している。



この収容所は、51都道府県全てに建設されている。






収容所第2735室


1人の男が、2・5メートル4方の部屋に寝ていた。


次に部屋を出れるのは、6時の夕食の時である。



「……もう俺は死にたい。」


男は嘆いた。


すると、廊下から足音が聞こえた。


「国営収容所。俺は生まれたのも収容所、死ぬのも収容所。男は一生収容所からは出られない。」


そんな中で、足音は近付いてくる。


「デモをするって言って脱走した奴等、死んだだろうな。女帝陛下に逆らうと死ぬ。これが大日本帝國の現実だ。……いや、世界の現実だな。」


そこまで言った時、部屋の前に女性が立っていた。


「いま、死にたいと言ったな?」


「はい。」


男が答えると、女性は拳銃を構えた。


「なら、殺してやる。」


パーン




男の意識は、永遠の闇に飲み込まれた。


「人工精子が生産されてるから、男はいらないのよね。人工精子で人工受精しても、女の子しか生まれないからね。男はいらないの。」


女性は笑いながらその場を去った。









午後3時30分


軍務省会議室


ここに、帝軍の長3人が集まった。



午前中に行われた、依田香織軍令部総長と杉原真奈美軍務大臣による話し合いの流れで、3人の会議が開かれた。




「それじゃ、最悪の場合を想定しなければならないわね。」


永倉綾子統合総長が書類を、机の上に置きながら言った。


「そうよ綾子ちゃん。今後の情勢が重要になるわ。」


「もう、2人とも堅苦しいわね。要は、核を使わせなければ良いのよね。」


依田軍令部総長の言葉に、的山参謀総長が答える。


「そんな簡単な事じゃないのよ。良い、紀香ちゃん。」


永倉統合総長が的山参謀総長に諭すように、話し始めた。


「私達帝軍は、大日本帝國の平和を維持するのが役目よね。その為に世界最強の軍事力を保有してるのよ。そこに、西側陣営が戦争を仕掛けるのよ。圧倒的に通常兵力に劣る西側陣営には、核兵器を使うしかないのよ。そうなりゃ、世界は終わりよ。麻理亜女帝陛下と綾崎総理は、報復攻撃として核兵器を使うわ。ね、簡単な事じゃないでしょ?」


永倉統合総長の言葉に、的山参謀総長は頷いた。



「確かに、そうなれば大変ですね。そこで萌香ちゃんは、九尾狐を投入して核兵器の破壊工作を行おうと言ったのね。」


「そう言う事。」


永倉統合総長は頷いた。


「海軍特殊奇襲部隊群、通称九尾狐だけど。これをもしもの場合は、派遣しなければいけないわ。」


依田軍令部総長が言った。



さて、九尾狐について説明する。


九尾狐…正式名称・海軍特殊奇襲部隊群…は、第二次世界大戦中に、山本今日子連合艦隊司令長官の発案によって設立された。


九尾狐は海軍大佐を総長とし、その下に9つの部隊を置く。


部隊が1つ1つ総長から個別に、命令を受けて作戦任務に就く。


九尾狐は世界最強の特殊部隊とも言われている。


それに隊員達は強固な肉体と精神力、高度な特殊作戦遂行能力を有している。


九尾狐は高度な戦闘能力に加えて、諜報能力も併せ持った部隊なのである。




「派遣するってどうやるの?」


「TTZSの諜報員は大使館職員の名目で、派遣してますよね?」


2人は依田軍令部総長に質問する。


「TTZSは派遣してるから良いけど、九尾狐はね……」


依田軍令部総長は腕を組んだ。


「大使館職員の交代で送れば良いんじゃない?」


「いま交代させたら、確実に向こうに諜報員を送ったよって言う事になるじゃない。」


「じゃあ、ステルス機で空挺降下したら良いんじゃない?」


永倉統合総長の言葉に、2人は笑みを浮かべる。


「流石は綾子ちゃん。」


「空軍大将なだけあるわ。」


「フフフ、ありがとう。」


永倉統合総長も笑みを浮かべる。


「ステルス機で空挺降下ね。けど、4機種でどれを使う?」

依田軍令部総長が聞いた。


なお大日本帝國軍は、海軍の富嶽ステルス爆撃機・空軍の呑龍無尾翼全翼ステルス爆撃機・深山可変後退翼ステルス爆撃機・夜龍ステルス攻撃機をステルス機として運用している。




「まあ良いわ。こうなりゃ、考えましょう。」


依田軍令部総長の言葉に、3人は考え込む。


「それなら、富嶽ステルス爆撃機で良いんじゃない?」


依田軍令部総長が言った。


「どうするの?」

「爆弾を下ろして、そこに乗せれば良いのよ。それだけよ。」


的山参謀総長の質問に、依田軍令部総長は簡単に言った。



「確かにそれは、良い考えですね。富嶽以外は無理ですからね。」


永倉統合総長は頷いた。


「でしょ?呑龍と深山は無理よ。」


「それじゃ、輸送手段は決りました。空挺降下地点はどうするの?」


的山参謀総長が聞いた。


「空挺降下地点ね。」


「広いから降下地点候補はたくさんありますけどね。」


3人は再び、考え始めた。



「……けど、何でこんな事を真剣に考えるの?」


依田軍令部総長がポツリと言った。


「………」


「?」


2人は首を傾げた。


「別に西側陣営は、演習をするために集結してるんだから。問題にする事じゃないわね。」


「確かに。」


「香織ちゃんの言う通り。」


2人は大きく頷いた。


「と言う事で、話しは終わり。3人で飲みにいきましょう!!」


「えっ!?」


「飲みにいくの?」


「そうよ。杉原軍務大臣が飲みにいっても良いって。だから行くわよ。」


依田軍令部総長は立ち上がり、2人の腕を組む。


「さあ、久し振りに行くわよ。飲んで飲んで、最後はホテルで楽しむわよ。」


「本当?」


「本当に?」


「もちろんよ。」


依田軍令部総長は、2人にそれぞれキスをした。


「さあ、行くわよ。」


「「しゅっぱ〜つ!!」」




3人は会議室を出ていった。





何話に開戦となるか?              考えもんです。

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