ミロスラフ王国領地地図
頂いた感想で、「位置関係がよくわからなくなってきたので簡単な周辺地図が欲しい」というご要望があったので、ミロスラフ王国の領地の地図を作ってみました。
大雑把なものなので、かえって分かり辛いかもしれません。
ここからは、補足の説明を入れさせて貰いたいと思います。
あくまでも説明であって、本編の進行には何も関係はありません。
興味の無い方は飛ばして頂ければと思います。
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先ずはミロスラフ王家が所有する土地ですが、地図上では意外と小さくなっています。
これはミロスラフの中心が、農耕に適した、いわば”一番旨味のある土地”という事なので、決して王家の力が弱いという訳ではありません。
この国の穀倉地帯となるヴラーベル領(ティトゥの実家のマチェイがある領地)が、王家の領地のすぐ南にあるのがその証拠となります。
西のネライ領はなかなかの広さとなっていますが、実際には荒れた土地も多く、作付面積の割合は王家の所有する領地と比較すると大きく劣ります。
とはいえ、ネライ家は代々、優秀な官僚を数多く輩出する土地柄なので、順当に農業技術が発展して土地の開発さえ進めば、いずれは王家を遥かに上回る経済力を手にする事になるでしょう。
河口にはそれなりの規模の港町も存在しています。
昨年の春、ハヤテが小ゾルタの軍を撃破したのは、この港町の少し北の場所になります。
東のメルトルナ領は、面積こそは最大を誇るものの、領地の半分近くが山という土地です。
そのため、作物の生産量は王家の領地にもネライ領にも劣ります。
山を越えた東は長年放置状態でロクに統治していません。今では南の都市国家から流れ着いた棄民達が小さな集落を作って暮らしているようです。
隣国ゾルタとの国境に面しているため、この国の貴族家にしては珍しく、武断派の領主となります。
ティトゥの実家のマチェイがあるヴラーベル領は、王家の領地のすぐ南にある事からも分かるように、農業に適した肥沃な土地となります。
ここは領地のほぼ全てが農地という、この国を支える穀倉地帯になっています。
オルドラーチェク領は小さな領地ですが、この国最大の港町、ボハーチェクがあるために、非常に裕福な領地です。
ハヤテはネライ領を飛び越えて、時々買い付けにお邪魔しているようです。
モノグル領とマコフスキー領とヨナターン領は、この国の最も南に位置する領地となります。
地図上ではそこそこの大きさのようにも見えますが、実際は険しい山ばかりで、人が住める土地はそんなに多くはありません。
モノグル領は鉱山が、ヨナターン領は酪農が、マコフスキー家はプライドの高さが、それぞれの特徴となります。
他の領地と比べてパッとしない貧乏な土地、と考えて貰っても大きな問題は無いでしょう。
ティトゥが領主を務めるナカジマ領は、見ての通り、かなりの広さを誇ります。
――が、ご存じの通り、その大半は湿地帯で、それ以外の土地もぺんぺん草しか生えない痩せた土地でしかありません。
順調に開発が進めば、やがてこの国最大の穀倉地帯になる――と、ティトゥは『ナカジマ領誕生50周年の記録』に記しているようです。