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200回記念読み切り◇ドラゴンは姫を乗せ王国の空を飛ぶ◇

とうとう200話の大台を迎える事になりました。

まさかこの作品がここまで続くとは思ってもいませんでした。いつも読んで頂き、ありがとうございます。

 その中年夫婦がコノ村にやって来たのは、秋も深まった冬の入り口の頃だった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


『劇団の代表の方ですか』

『ハイ。この度聖国からここミロスラフ王国へと活動の場を移す事になりまして』


 僕のテントの中、代官のオットーは夫婦を紹介して来たお爺さん商人に不思議そうな目を向けた。

 この人の良さそうなお爺さん商人は、土木学者のベンジャミンを僕達に紹介して来たあのお爺さんだ。

 ちなみにティトゥ達は用事で席を外していてこの場にはいなかった。


『シェダシェスタ一座ですか。残念ながら私は聖王都の劇団には詳しくありませんで』


 申し訳なさそうに告げるオットーの言葉に、奥さんの方が慌てて口を挟んだ。


『いえいえ、かまいませんのよ! それに私達の一座は港町を中心に興行を行っていましたの!』

『ええ、ええ、妻の言う通りです! アラーニャの人達には長年ウチの一座を盛り上げて頂き、大変お世話になりました!』


 アラーニャって名前はどこかで聞き覚えがあるような・・・ 話の流れからすると聖国の結構有名な港町なんだろうね。

 そういや聖国のレブロンの港町の人達は元気にやってるのかな。

 みんな気のいい人達だったなあ。久しぶりに顔を見せに行くのもいいかもね。


『それで、そんなあなた達が何故このナカジマ領に?』


 確かに。

 ナカジマ領もいずれ港町として発展させる予定とはいえ、今は港どころか漁村しかない。

 現在のナカジマ領は荒れた土地と湿地帯しかない草ぼうぼうのド辺境だ。

 君らが興行を打ちに来たにしても気が早すぎやしないかい?


『実はご当主様とドラゴンのハヤテ様に、私共の芝居のモデルになって頂きたく参上致しました』




『それは素晴らしいですわ!』


 テントに戻って来たティトゥは、オットーからシェダシェスタ一座の話を聞いて大喜びした。


『とはいえどれほど信用できるかは――』

『詳しい話を聞いて来ました』


 オットーの言葉を遮る形で、メイドのモニカさんがテントの中に入って来た。

 例のお爺さん商人はこの国におけるランピーニ聖国の窓口商人みたいな立場で、聖国の王城とつながりの深いモニカさんは彼に顔が利くんだそうだ。


『少なくともみなさんが心配するような人達ではありませんね』


 なんだろうね。モニカさんのこのつまらなさそうな表情は。

 言外に「所詮彼らは小者ですから」とでも言いたげな感じだ。


『所詮彼らは小者ですから』


 あ、口に出して言っちゃった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 コノ村に作られた来客用の一室で、シェダシェスタ一座の座長夫婦が当主のティトゥの帰りを待っていた。


「あなた。少しは落ち着いて頂戴」

「そうは言うがな・・・ これは俺達にとって最後のチャンスかもしれないんだぞ」


 先程彼はオットーに『アラーニャの人達には長年ウチの一座を盛り上げて頂いた』などと言っていたが、実の所彼らは、アラーニャの港町で正式に興行を打った事は一度も無かった。

 彼らは港町の周囲の村々を回る、ドサ回りの旅芸人一座のようなものだったのだ。


 ちなみに嘘は言っていない。アラーニャ(地方)の人達には観てもらっていたが、アラーニャの港町で興行を打っていたとは一言も言っていないからだ。

 これでは、モニカに小者扱いされても仕方が無いといえるだろう。


「セイコラ様の伝手でこうしてナカジマ様にお目通りがかなったんだ。何としてもこのチャンスをモノにするんだ」


 セイコラはハヤテの言うお爺さん商人の名前である。


 聖国でやっていけなくなった彼らは、遠縁の伝手で何とかミロスラフ王国のセイコラ商会へと身を寄せたのだ。

 そこで彼らは「ミロスラフ王国では現在姫 竜 騎 士プリンセス・ドラゴンライダーが爆発的な人気がある」事を聞き、何とかしてその人気にあやかれないものかと、藁をもすがる思いでコノ村へと足を運んだのだった。


「・・・昨日も言ったけど、こっちで勝手に演じちゃえばいいんじゃないの?」

「馬鹿! 相手は土地持ちの領主様だぞ! そんな事をして後でバレたらどうする!」

「けど方法はいくらだってあるじゃないの。名前を変えるとか、ドラゴンを別の生き物にしてしまうとか。そんなのみんなやってるわよ」

「それは・・・ いや、ダメだ。俺が作りたい芝居はそんなまがい物じゃないんだ。誤魔化しの無い本物の物語(ストーリー)なんだ。真実の持つ力こそが観客の心を打つと俺は信じている」


 芝居に賭ける情熱を持論を交えて熱く語る夫。

 どうやらこの夫婦、夫の方が劇作家で、妻の方が演出家を担当しているようだ。

 こうなっては聞き分けが無い、と、妻が諦める中、部屋のドアがベンベン! と、頼りない音を立ててノックされた。


「ご当主様がお呼びでございます」

「は・・・はひっ! かしこまりました!」


 焦りのあまり声の裏返る夫に、妻は頼りなさそうな目を向けるのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 ティトゥに呼ばれてさっきの中年夫婦がやって来た。

 あ、ティトゥを見て驚いているみたいだね。

 領主がこんな若い美人とは思わなかったんだろうね。


『私がナカジマ家当主、ティトゥ・ナカジマですわ』

『アメージング!』


 男の方が突然叫び出した。


『緑のドラゴンの背に赤い髪の美貌の少女! なんて絵になるんだ! 正に民衆の想像力を刺激して止まない理由がここにあった!』


 男の突然のハイテンションにポカンとするティトゥ達。

 メイドのモニカさんから冷ややかな視線を向けられて、慌てて旦那さんを止める奥さん。


『も・・・ 申し訳ございませんでした。夫は劇作家ですので、ご当主様とドラゴン様の麗しいお姿に心を奪われてしまったようです』


 ティトゥはともかく僕の姿は麗しいのかな?

 まあ、四式戦闘機はカッコいいとは思うけど。

 それはともかく、奥さんの懸命なフォローで何とかこの場の空気は持ち直したようだ。

 しかし、土木学者のベンジャミンといい、劇作家の旦那さんといい、聖国の人達はティトゥの前でちょっとハジケすぎなんじゃない?




『お話にあったお芝居の件ですが、一体どんな話にするつもりなんですの?』


 ティトゥの言葉に旦那さんの方が答えた。


『この春のゾルタとの戦い。あれをクライマックスに持って来る形で、少女――あ、失礼しました。ご当主様とドラゴン様の出会いと絆の物語を書きたく思っております』


 ふむ。まあ無難っちゃあ無難だね。

 あの戦いに関してはミロスラフ王国の王都でもお芝居にされて、いくつも上演されている人気のテーマなんだそうだ。

 って、実際に王都でその芝居を見て来たチェルヌィフ商人のシーロが言ってた。

 まあ、この世界には著作権や肖像権の概念もないみたいだからね。

 うるさく言っても仕方が無いか。


 ちなみに劇の内容自体は、人伝の人伝で原形を留めないファンタジーなストーリーだったみたいだ。

 シーロの話を聞いて、カーチャは途中で笑いをこらえきれなくなるし、ティトゥは終始不機嫌だしで、あの時は大変だったよ。

 僕はどうかって? う~ん、劇中での僕の扱いは微妙だったからね。

 何というか、ロボットアニメのロボットのような扱い?

 まあ、お芝居だし、あんなもんなんじゃないの?



『それで、どうしてわざわざ私を訪ねて来たんですの?』

『どうして? とは? ご当主様のお芝居を書くためと先程申し上げましたが?』


 ここでオットーが横から口を挟んだ。


『ちょっといいかな。あなたは聖国の方なので知らない様だが、王都では既にいくつもご当主様とハヤテ様を題材にした演目が小屋に立っているんだよ』

『ああ、その事でしたら私も存じ上げております』

『? だったらなぜわざわざ?』


 オットーの頭に「?」マークが浮かんだ。

 そうだね。君らもわざわざこんな所まで言いに来ずに、みんなと一緒で勝手に演じればいいじゃない。


『私の書きたいのは真実の物語! 本物の持つ魅力こそが流行に乗って書かれた薄っぺらな芝居を駆逐して、人々の心に永遠に刻み込まれると信じているからです!』

『つまり、ご当主様から話を聞いて、それを元にして芝居の台本を書きたいと』

『その通り!』

『素晴らしいわ!』


 ティトゥはハッシと膝を打つと立ち上がった。


『私もお芝居のハヤテの扱いの悪さにずっと不満を感じていたのよ! 私も全面協力させてもらいますわ! あなたの手でみんなにハヤテの真実の姿を伝えて頂戴!』


 ティトゥに力強く告げられて、座長夫婦はヘヘーッ、とかしこまった。

 僕の真実の姿ね。何だろう既にイヤな予感しかしないんだけど。

 僕は無駄に張り切るティトゥを見下ろしながら、湧き上がって来る不安を抑えきれずにいた。




『ほほう、私が留守にしている間にそんな事があったんですか』


 メイド少女カーチャの説明を受けて、アダム隊長が自慢の髭をしごいて言った。

 アダム隊長は開拓村を回っていて、しばらくコノ村を離れていたのだ。

 丁度昨日の夜に戻って来た所なんだそうだ。


『今日、通しの最終リハーサルを見せてくれるそうですよ』

『これは良いタイミングで戻って来ましたな』


 アダム隊長は何だか嬉しそうだ。

 ちなみにアダム隊長も一度だけ竜 騎 士(ドラゴンライダー)のお芝居を見に行った事があるらしい。


『出来の方は・・・まあ、私は本物のあなた方を知ってますから』


 苦笑して言葉を濁した事からもお察しの内容だったようだ。


『さあ、お芝居が始まりますわよ!』


 ティトゥが嬉しそうにテントの中の僕達を呼びに来た。

 今日のティトゥはアドバイザーとして演出のチェックに回っている。

 あの日以来、ティトゥは時間があれば座長夫婦の所に顔を出して、台本や演出に口を挟んでいたのだ。


 何とも迷惑な・・・


 と思いきや、夫婦にとってもティトゥの出す様々な提案は殊の外刺激的だったらしく、『迷惑なんてとんでもない』とばかりにティトゥを持ち上げまくりだったようだ。

 おかげで二人にチヤホヤされたティトゥはすっかりお芝居にのめり込んでしまった。

 いつかオットーがキレるんじゃないかと、僕は気が気でなかったよ。


 最終リハーサル、という事は、芝居はほぼ完成したと見て間違いないだろう。

 つまりそんな心配も今日限りという事になる。


 どれ、僕も彼らの力作をゆっくり鑑賞させてもらおうかな。




『ご来場のみなさま! 本日はお集まり頂きありがとうございます! シェダシェスタ一座最新作”ドラゴンは姫を乗せ王国の空を飛ぶ”! ごゆるりとご観覧下さい!』


 コノ村に急遽組まれた舞台の上、ナカジマ家のみんなが見守る中、座長の旦那さんの舞台挨拶からお芝居は始まった。



 ふむ。最初の舞台は森の中のようだね。どうやら懐かしのマチェイ家の裏の森のようだ。

 この世界に来て最初の一月ほどはあそこで寝泊まり(寝ないけど)していたんだよな。

 もうずっと昔の事のような気がするよ。


 そして登場する緑の葉っぱの服を着た一人の美丈夫。はて、あの森にあんな変なヤツいたっけ? この芝居のオリジナルキャラクターかな?


『故郷を離れ、仲間と別れて、ブラリとたどり着いたここは人間の王国。ドラゴンの我にはこの地の穢れがなんと息苦しい事か』


 って、あれ僕かよ!

 いや・・・まあ、仕方が無い・・・のか? この体のサイズだと舞台の上でお芝居も出来ないし。

 カーチャがこっちを振り返って笑いを堪えているのが、すっごく気になるけど。


『しかし我には歌がある。我は歌の好きなドラゴン。歌さえあれば孤独なる異国の空の下、他には何もいらぬ。みな我の歌を傾聴するが良い。月光の~輝き~我は~翼広げ~、満天の星~のぞめば~胸に勇気、見下~ろす大~地・・・』


 こうして森の中で歌いだす僕。いや、マジで何なのコレ。そして無駄にいい声だな僕。

 確かにお芝居ってこうして唐突に歌いだすイメージがあるけど、一応このお芝居ってティトゥの監修のもとに作られたんだよね? 何で僕が歌好きドラゴンキャラになってんの?


 ん? 待てよ? このフレーズ、凄く耳に馴染むぞ。


 てかコレって某国民的超大作RPGのテーマ曲じゃん!

 はっ! まさか!

 いつの間にかメイドのモニカさんが僕の近くに立っていた。


『はい。私が楽曲を提供させて頂きました』


 ブフーーーッ!!


 どうやら僕が夜に退屈しのぎに鼻歌を歌っていた所を、たまたま?通りかかったモニカさんがわざわざ譜面に起こしていた模様。


 何て事をやってくれてんのモニカさん! 鼻歌を譜面に起こされるなんてどんな羞恥プレイだよ!


 僕が無言で羞恥に悶え苦しんでいる間に、舞台の上の僕は何かに気が付いたようだ


『ん? この歌声は・・・ 美しい。我の心を掴んで離さないこの歌声はいずこから』


 大きく舞台を見渡す僕。セットの木が動くと、そこには温泉番組の女性リポーターのようにタオルを体に巻き付けて行水中の、赤毛の女性の姿があった。


『美しい歌声。汝、名を何と申す』

『キャアアア! 誰ですの!』

『ムッ! 下賤な人間には我ら高貴なるドラゴン族の言葉が通じぬのか』


 いや、僕何やってんの。何かそれっぽい事言ってるけど、この状況って完全に不審者じゃん。通報待ったなしじゃん。


『その澄んだお声、高貴なるご尊顔。まさかあなたは噂に聞くドラゴンさん?』

『いかにも。我こそは誇り高きドラゴン族の勇者ハヤテ。数多の戦場を駆け、多くの敵を屠った蒼天の英雄なり。き~ら~めく~我の魅力に~憧れる~乙女群がる~・・・』


 ここでまた歌うのかよ僕! そしてよりにもよってスターなんとかプ〇キュアの変身ソングかよ! また歌詞が下種すぎるわ!

 本当に僕こんな歌口ずさんだ事あったっけ? 全然記憶にないんだけど。

 いや、ちょっと止めてよモニカさん、僕を見上げてニッコリ笑うの。

 僕、絶対に歌ってないからね。これ何かの間違いだから。


 こうして僕の精神がガリガリと削られる中、舞台の上では僕と赤毛の女性――ティトゥの秘密の交流が続いた。


『・・・何だか私の扱いが悪い気がします』


 カーチャがポツンと呟いた。

 あ~、まあね。

 芝居の中のカーチャは、創作物でよくあるコメディーキャラというか、ぶっちゃけ水戸〇門のうっかり八〇衛の立ち位置だからね。

 年頃の女の子が八〇衛なのは相当キツイだろう。


 オットーも苦笑しながらカーチャを見ている。

 オットーのキャラも典型的なガミガミ煩い上司みたいな役どころだからね。

 カーチャの気持ちが分かるんだろう。


 お話の中の時間は進み、いよいよ僕がティトゥを乗せて飛ぶクライマックスへとやって来た。


『さあ、我の背に乗るが良い娘よ! 今ここに我は汝の翼とならん!』

『ドラゴンさん!』


 黒子がササッっと”我”な僕に駆け寄ると、背中から緑色の大きな布を引っ張り出した。

 その布に隠れるようにして首から上だけ外に出す赤毛の女性。

 ああ、なるほど。こうやって僕の姿を表現している訳ね。結構上手い事やるじゃん。


『どけ、人間の兵士共! 貴様らごときドラゴンの敵ではないわ!』

『ドラゴンさん! あそこに敵の船が!』

『ふん! 図体ばかりデカイでくの坊が! ドラゴンの怒りに触れるが良い! 裁きの鉄槌、ドラゴン奥義”双炎龍覇轟黒弾”!!』


 あ~、久しぶりに聞いたわ、その中二マインド溢れる単語。

 ティトゥ命名の250kg爆弾の攻撃を受けてへし折れる敵の船。


 敵兵は戦意を失って降伏。ドラゴンの配下になる事を約束した。

 ・・・ああそうか、この時の捕虜が後にナカジマ領の開拓兵になるからか。だからこういう形を取ったんだな。良く考えてるじゃないか。


 こうして戦場を去る空で、二人は互いの名前を交換してパートナーの契約を結ぶのだった。


『我の名はハヤテ! ドラゴンの英雄、天翔ける歌い手、高潔なる緑の翼ハヤテ!』


 いや、うるさいよ僕。何をここぞとばかりに盛ってんだよ。そこは普通に”ハヤテ”でいいだろう。


『私の名は太陽の姫。姫と呼んでください』

『契約は成された。これより我ら一対の比翼とならん』


 うおおおおおい! ティトゥ何シレッと知らない名前を名乗ってんだよ!

 そしてあっさり騙されてんじゃないよ僕!

 ”姫”とかおかしいと思わないのかよ!

 偽名とか明らかに契約違反だろ、コレ!


『いや、さすがにお芝居に現役の貴族家の領主の名前を使う訳にはいかないでしょう』


 僕の魂の叫びを察したのか、オットーが苦笑しながら説明してくれた。

 あー、まあ、だったら仕方が無い・・・のかな?


 こうしてこの日、王国に姫 竜 騎 士プリンセス・ドラゴンライダーという新たな英雄が誕生したのだった。

 めでたしめでたし。



 ティトゥは満面の笑みを湛えて僕達の所にやって来た。


『いかがだったかしら!』


 うん。凄く疲れたよ。


◇◇◇◇◇◇◇◇


 シェダシェスタ一座の演目”ドラゴンは姫を乗せ王国の空を飛ぶ”は、セイコラ商会のバックアップもあってか、ミロスラフ王国で大ヒットを飛ばしたのだった。

 やがて彼らはこの業績を元にランピーニ聖国に返り咲き、念願のアラーニャの港町での興行を成功させる事になるのだが、それはまた別の話。


 また”ナカジマ家当主全面監修”の謳い文句の効果は凄まじく、多くの者がこの芝居こそ姫 竜 騎 士プリンセス・ドラゴンライダーの真実の姿だと信じ込んでしまった。


 そのため、ドラゴン・ハヤテは”人間の姿にもなる歌うドラゴン”。ティトゥは”太陽の姫”という誤った認識(イメージ)が植えつけられる事になり、後に発見されるティトゥ直筆の”ナカジマ領誕生50周年の記録”と並んで後世の多くの研究者を混乱させる原因になるのだった。

この話で一つの節目である200話を迎えることが出来ました。

100話目の時にも書きましたが、多くの人に支持されてここまで書き続けることが出来た事は非常に幸運だったと思います。

本当にどうもありがとうございます。


これからもこの作品を楽しんで頂ければ幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いやぁ、いい話でしたねぇ……。 [一言] 細かいところはちょくちょく変だったり誇張されてたりしないでもないですけれど、物語の流れやキャラクターの性格などは(ハヤテとティトゥ以外は)現実その…
[一言] ヒャダインのFFメインテーマが脳内再生されたw
[良い点] いよいよ開戦ですねー ORIGINのル〇ム戦役開戦直前に似たワクワク感がありますねー。
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