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SUMMER VACATION 2019 プロローグ

この章は夏休み特別企画としてお送りする番外編です。

本編のストーリーには何の関係も無いイベントのようなものになります。

 その日、僕はティトゥと彼女のメイド少女カーチャを乗せて海の上を飛んでいた。


 かつて日本で引きこもりだった僕は突然の地震から大事なプラモデルを庇って死亡(だと思う、多分)、目覚めた時には庇ったはずのプラモデル・四式戦闘機”疾風”になってこの異世界の空を飛んでいた。

 そんな僕を見つけたのは貴族の美少女ティトゥだった。僕は彼女にドラゴンと勘違いされ、状況に流されるがままに彼女の契約ドラゴンということにされてしまったのだ。

 仕方が無かったんや、言葉が通じんかったんや、かんにんしたってや。

 ・・・いや、僕は別に関西人キャラというわけじゃないけどね。


 そんなこんなで僕達は竜 騎 士(ドラゴンライダー)として、国に攻めてきた他国兵士を追い払うのを協力したり、他国の王女様を助けて飛んだり、海賊退治をしたりしたのである。



 この夏、僕達は以前王都で助けた王女様、マリエッタ王女のお誘いで彼女の国にバカンスに出かけていた。

 ・・・まあバカンスと言いながら、地図を作るために海上を飛び回ったり、王女を攫った海賊達と戦ったりしてたわけなんだが。

 ともかく、そんなひと夏の経験を終え、僕達は現在ティトゥの実家のあるマチェイを目指して飛んでいる所なのである。



『最後に王女殿下達にご挨拶出来なかったのが残念ですわ。』


 ティトゥの言葉にカーチャが頷く。


『私も最後にラミラ王女殿下にご挨拶したかったです。』


 初めて会った時にはパロマ王女とラミラ王女に「何でこんな所に平民が」といじめられたカーチャだが、今ではラミラ王女とはすっかり仲良くなっていた。

 最初の意地悪令嬢のような態度から、ガラッと大人しい地味な印象に代わったラミラ王女は、カーチャと年齢が近いこともあって何かと話が合うことも多かったようだ。

 僕の目にはティトゥに憧れるラミラ王女が一方的にカーチャにティトゥの話をねだっていたようにも見えたけど。


『主を褒められて悪い気のする従者はいません!』


 とはカーチャの言葉である。

 君、今回の旅行中は尽くその主に迷惑かけてたからね。



 空は青く晴天、絶好のフライト日和。

 上空の風は強いものの、東に吹く風はむしろ追い風で、僕は順調に飛んでいたはずであった。

 この時までは。


 あれっ? どうしたんだ?


 不意に僕の体がガクガクと揺れだす。

 何だろう? 機体の異常か?

 焦る僕だが、これは自分の体の異常というより、外から力を加えられている感じである。 

 僕は以前、ティトゥとマリエッタ王女を乗せてクリオーネ島を目指した時に嵐の中を飛んだことがある。

 これはあの時の感覚に近い。


『どうしたんですのハヤテ?』


 ティトゥも僕の異常に気が付いたようだ。

 というか、むしろ今まで気が付かなかったのが不思議だ。

 不思議といえばカーチャだ。

 高所恐怖症の彼女は以前はほんの少し揺れただけでギャンギャン泣き叫んでいたのにこの激しい揺れに何の反応も示さないなんて。

 いや、泣き叫ぶどころか、ぼんやりとしてどこか存在すら希薄になっているような・・・


『ちょっと、カーチャ! 貴方大丈夫ですの?!』


 ティトゥもカーチャの異常に気が付いたのか、膝の上に抱えた少女をゆさぶる。

 しかし、カーチャは魂が抜けたようにぼんやりと座っているだけで何の反応も示さない。

 そんな事をしている間にも僕の体の揺れはどんどん大きくなっていく。

 まだ無事に飛んでいられるのが不思議なほどの大きな揺れだ。



 これはまるで空の上で地震にあっているような・・・・



 僕の脳裏に一瞬、この四式戦の体になった原因と思われる地震の記憶が浮かんだ。


 光


 暗転


 そして・・・


◇◇◇◇◇◇◇◇


 ランピーニ聖国からミロスラフ王国へと向かう海上で、ハヤテとティトゥ、竜 騎 士(ドラゴンライダー)達がこの世界から姿を消した。

 しかし、この事に気付く者はこの世界には誰もいなかった。

この章はプロローグだけで、本編はありません。

いつまでも続きを待っていても更新はされませんのでお間違えの無いようにお願いします。

この後の話はイベント作品『四式戦闘機はスキル・ローグダンジョンRPGで村では小柄で5億7600万年』(https://ncode.syosetu.com/n6700fp/)の中で語られる事になります。

そちらでハヤテ達の活躍をお楽しみ下さい。

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