【はじめに】【作品説明】
【はじめに】
初めまして。作者の元二です。
この第零章では、この作品の説明と第十二章までのあらすじを書いていきたいと思います。
これは読者の方から、『長い作品は、ある程度先の展開を知った上でないと安心して読み始める事が出来ない、という層が一定数存在しているのでは?』とのご意見があったためです。(その方はご自身もそうであるとおっしゃっていました)
また、その方は、『あらすじは既存の読者の振り返りにもなる』ともおっしゃっていたので、「そういうものかも」と思い、採用させて頂く事にしました。
なので、「自分は作品説明やあらすじは不要」ないしは、「自分は何も知らない新鮮な気持ちで小説を楽しみたい」という方にとって、この第零章は完全に蛇足となります。
そういった方は、非常にお手数ですが、本編の開始となる、『第一章 異世界転生編 プロローグ マチェイ家の次女』に進んで頂ければと思います。
【作品説明】
この小説は異世界に転生した主人公が、そこで貴族の少女と出会い、二人で色々な冒険をする物語です。
ただし、主人公は人間ではなく、四式戦闘機という古い戦闘機に転生します。
空を飛ぶ巨大な飛行機の姿を見て、少女は彼を物語の中に登場するドラゴンと勘違いしてしまいます。
更に彼は、何故かこの世界の言葉は理解できるものの、自分では話す事が出来ません。
少女の勘違いを正そうにも、会話が成立しないのです。
こうして勘違いが生じたまま物語が進んでいく事になります。
この小説はいわゆる異世界転生作品ですが、「小説家になろう」作品のテンプレートからはやや外れる作りとなっているようです。
ようです、と言うのは、私が意図してそう書いた訳ではなく、読者の方からそういったご指摘を頂いた事があるためです。
主人公は戦闘機に転生しますが、中身は平和な日本人なので、積極的に戦いに出向く事はありません。
そして作品世界も、ドラゴンやモンスター、魔族や魔法が溢れるファンタジックな世界ではありません。
なので、『主人公の前に強大な敵が次々と現れ、敵を圧倒的に上回る力で片っ端からやっつけてスカッとする』といった形の爽快感を求めている方には、不向きな作品だと思います。
とはいえ、中世風の作品世界では、我々にとっては古い戦闘機でも未来兵器になるため、あちらの世界の人達の目には主人公の力は十分以上にデタラメに映るのですが。
スキルパラメータや経験値、レベルアップも進化要素もありません。
主人公はずっと古い戦闘機のままです。
そういったバトルや能力上げがテーマのお話ではないからです。
例えていうなら、この小説はレースゲームではなくドライブゲームなのかもしれません。
レースゲーム――コースを覚えてタイムアタックをしたり、オンラインで人と順位を競ったり、全ての車をアンロックして車庫にズラリと揃える事に達成感を得るタイプのゲーム――ではなく、あちこちドライブしてロケーションを楽しんだり、たまに仲間内でちょっとした競争をしたりするといったタイプのゲーム・・・って、返って分かり辛い例えだったでしょうか?
主人公が戦闘機だし、言葉が通じないしで、物語の序盤は読んでいてもどかしく感じるかもしれません。
実際にそういった感想を頂いた事もあります。
しかし、この世界での色々な経験を経る事で主人公とヒロインの少女は通じ合っていきます(勘違い含む)ので、彼らの成長を長い目で見守って頂ければと思います。