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プロローグ
「お姉ちゃん…お姉ちゃん…」
1人で過ごすには少し大きい部屋の真ん中で
少女は1人泣き崩れる
戻るはずないお姉ちゃんを思って
少女は1人泣き崩れる
少女の心には何もない
ぽっかり大きな穴が空いて塞がらない
ただ、少女の腹だけは満たされていた
戻るはずないお姉ちゃんで
「パパ…パパ…」
少女はパパに愛されたかった
もっと自分を見て欲しかった
パパの声はもう聞こえない
少女は愛が欲しかっただけだった
「ママ…ママ…」
少女はママが好きだった
自分を褒めてくれるママが好きだった
ママの微笑みはもう見れない
少女は叱って欲しかっただけだった