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天が変して地したら異になった  作者: 冬眠の熊
第1章「特別な眼」
8/10

episode8「学園生活」

おはようございます。篠原 皐月シノハラ・サツキです。

いや〜、さっきの夢なかなかに泣ける展開でしたね。まさかこれから俺の中に秘めたる力が爆裂しそうだったところで引き戻されるとは。


それより、ぶっちゃけどこから夢だったの?って思いますよね。俺も思いましたよ。はい。ぶっちゃけ言うと最初からです。最初から全て夢です。流石に泣きましたよ、大号泣ですよ、朝から妹、父、母から、何泣いてるんだコイツやべえ、みたいな感じで見られ、朝から散々です。


さて、話が変わりますが俺は今遅刻ギリギリで全力ダッシュ中です。今季節は梅雨真っ盛りで今日も例に漏れず超大雨で、全身グッチョリです。くそぅ、夢の中ではチートキャラだったのに…うぅ。


「おーい!皐月ー!はよっす!」


と、そんな事を考えていたら

このイケメンで高身長、いかにもスポーツ万能でモテモテそうなやつは俺の中学からの腐れ縁、龍崎 麗央リュウザキ・レオしかしこいつには弱点がある。とても頭が悪く変態だ。中学の頃から口を開けば残念王子、とまで呼ばれていた奴だ。


「おう麗央、」


キーンコーンカーンコーン。

遠くから鐘の音が聞こえてきた。


「やっべえ!おい麗央急ぐぞ!!」


「なあ、皐月これどう頑張っても遅刻じゃね?」


「バカヤロウ!諦めてんじゃねえ!今月何回めの遅刻だと思ってんだ!今日こそ絵里ちゃんに殺されるぞ!」


絵里ちゃんとは、俺ら一年六組の担任、氷輪 絵里ヒョウリ・エリ美人だが怒らせると手がつけられない。


そうこう言っているうちに、着いた。

私立禄真名高校シリツロクミネコウコウ

俺らが行ってる高校、偏差値は中の中ぐらい。


「いいか、物音を立てるなよ、いかにも元々いましたよ感を出すんだ、じゃあ行くぞ。」


ガラッ


「ヨオ、お前ら今何時だと思ったんだゴラァァア!」


「お、おはようございます。氷輪先生。ニコッ」


バキッバキッ


「ヒッ」


「ウッギャァァァァァァア」



ーーー昼休みーーー


「うう、まだ痛えよ。」


「生きてるだけだまだマシだ。」


「だな。」


「そう言えばさ、今日すげー夢見たんだよ。」


「ん?どんな夢よ?」


「異世界行って、魔法とか使ってる夢」


麗央はこちらに向けてとても可哀想なものを見るまでこちらを見てきた。


「オイ、ヤメロ可哀想なものを見るまでこっち見んな。」


「だって、お前、高校一年生だぞ?なに中二くさい事言ってんだよ。」


と、麗央は笑いながらこちらを見てきた。


「でもさ、一つだけこの世界と同じことがあったんだよ。龍王眼リュウオウガン俺は夢の中で確かに龍王眼を顕現した。」


「は?!おま!龍王眼ってあの龍王眼か?!限られた天才達の目に宿るって言われる、あの龍王眼か?!」


「イェス」


「アホか、確かにこのロクミネはガルフィアを育てるための学校だ。」


「だけど!お前は入学してから能力がまだ出てないじゃないか、天才どころか落ちこぼれもいいところじゃないか。」


「ぐう。」


そう。俺は中学の時このロクミネから、推薦をもらい入学した。だけど、一向に能力が使えない。泣きそうだ。麗央でさえ、能力があると言うのに、うぅ。


キーンコーンカーンコーン


そんな会話をしていたら昼休みが終わった。


「次は実技だったか?総合体育館行こうぜ。」


「ああ、次は実技か、了解便所行ってくるから先行っといてくれ。」


「んー」


ーーー体育館ーーー


「授業始めるぞ、全員いるな?」


この短髪の金髪をオールバックにしてる若い男の先生は俺らの実技の先生、普通の学校で言う体育の先生。名前は 佐々木 謙三ササキ・ケンゾウ通称サッサン。


「今日の授業は自分の能力を再確認する。言わば確認テストだ。じゃあ順番に並べー」


次々と終わっていきいよいよ俺の番だ。


「よし、次は篠原だな。いけそうか?」


「一応頑張ってみるよ」


とは言ったものの俺の能力は何か分からないし、使えたこともない、でも何もしないってわけにもいかないな。よし、とりあえずなんかやってみるか。


「じゃあ、始め」


「ぬ、ぐぬぬぬ、うぐぅ、ぬおぉぉぉぉお!」


「やっぱ無理か、よし篠原、下がっていいぞ」


クソッなんで俺は能力がでないんだよッ能力が覚醒する可能性があるからロクミネに入れたんじゃないのかよ、わからねぇ。


「篠原、篠原、そんな落ち込むなって、まだ入って数ヶ月じゃねーかよ、のんびり行こうぜ?な?」


「咲城か、なんだそりゃ?慰めてくれてんのか?まあ、一応礼を言っとくよ、ありがとな。」


咲城サキシロ レイ俺や麗央とは違い成績は優秀だし、素行もしっかりしてる。髪も染めてないしピアスも開けていない。誰にでも人当たりが良く、優しい性格のため誰からも好かれてる俺らのクラスの委員長だ。


「次、龍崎。」


「うっす」


おっと、次は麗央の番だな、さてさていつもの見せてくれや。


「ハァッ」


ギュイン


「何か剣技をやってみてくれ。」


「うっす。じゃあ行くぜ。」


そう言うと麗央の剣、玉星宝刀ギョクセイホウトウは翡翠色に輝きだした。


「秘技『陽炎』」


そう唱えた瞬間、麗央の剣は体育館を半壊させた。


「さ、流石だな、『剣鬼』の名は伊達じゃないな。だが、やり過ぎなんだよ!」


「す、すまんサッサン、委員長、頼むわ」


「仕方ねーな、ホレ」


委員長の能力、完全治癒。あらゆるものを元に戻せる能力、だが例外はある、死人は治せない。


『剣鬼』というのは麗央の二つ名だ。上位の能力者には二つ名が与えられる。因みに委員長の二つ名は『神の代理人』そして、麗央には二つ名とは別にもう一つの名前を持っている。それが強欲。この世界には列強がある。順番は、憤怒、怠惰、嫉妬、色欲、強欲、そして、暴食と傲慢が不在。これが七列強。まあ、今のままだと五列強だがな。


「ありがとう、咲城、助かるよ。よし、じゃあ今日の授業はここまでだ!解散!」


サッサンの一言で皆んな教室に戻った。俺を除いて。


「なあ、サッサン、俺はなんで能力が覚醒しないんだ?ロクミネに入学したものは能力が覚醒する可能性があるものじゃなかったのか?なのに、俺はいつまでたっても能力が覚醒しない。」


「篠崎。大丈夫だ。俺の能力が覚醒したのは高二の秋だ。能力の覚醒には個人差がある。俺の聞いた話では高三の春にやっと覚醒したやつもいるんだ、お前だけじゃない。自信を持て。」


「ああ、そうだよな、サッサンありがとな。じゃあ俺戻るよ。」


サッサンにそう言い俺は体育館を後にした。


ーーー放課後ーーー


「おお、皐月!虹だぜ!」


学校から帰るときにはすっかり雨は止んでかなりくっきりと虹が見えていた。


「うるせーな、小学生かよ。」


「いーじゃねーか、初心を忘れるべからずって言うだろ?」


「頭悪いくせになんでそう言う事ばっか知ったんだよ」


「お前が強欲『剣鬼』の龍崎麗央か?」


俺達の会話を唐突にその声が消し去った。


「誰だ?場合によっちゃ、分かってるんだろうな?」


「私が誰なのかはどうでも良い事だ。龍崎麗央で合っているようだな、ならば今ここで死ね。」


そう言うと真っ黒のローブを着た、男はこちらに向かってきた。


「下がってろ皐月。ハァッ」


「秘技『陽炎』」


「甘いな。破壊ディストラクション


「なっ!ぐわぁぁぁぁあ!」


あれは!破壊!?まさか!こんな所にあんな危ない技を使う奴がいるのか?!しかし、実際今目の前にいる、まずは麗央を助けなければ、よし。


「麗央!大丈夫か?!」


「皐月!下がってろ!!」


「破壊!!」


「くっ、ハァッ!!」


ゴオオオオン、轟音とともに落雷が落ちた。







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