episode7「目覚めの朝」
「ふふ、どうだ?これが私の終焉の龍の眼だ。」
バルタザールは笑みを浮かべながらそう言った。
これが終焉の龍の眼、クソッ、このままじゃやられる、どうにかしないと、でもどうする?!相手は万全の状態、しかも龍王眼所持者、対してこちらは、魔力はほとんどない。おまけに腕は上がらない、まさに絶体絶命だ。
だが、ここで目を背け死を待つだけだなんて、冗談じゃない。最後の最後まで噛み付いてやる。
なら、まず全魔力を使い腕を治す、そしたら剣だ。一か八か賭けるしかない。
「フゥー、」
「ん?諦めたか?」
「いくぞ!!」
「治癒」
「ウォォォォオ!」
「ふっ、こざかしい」
「グワァァァア」
バルタザールの一振りで俺の体は数十メートル以上吹っ飛んだ。
「ガハッ、グゥ」
「それまでか?どうやら見込み違いだったようだな。死ね。」
嫌だ、まだ、まだ死にたくないッ
ドクンッ
目を開けるとそこにはとてつもなくでかい龍がいた。
「汝、力を欲するか。我は汝の中に潜む力、力が欲しければ我を解放せよ。」
何を言ってる?どうやって解放するんだよ。
「我を解き放たなければ汝は死ぬだろう。」
なっ、俺の心を読んだのか?
ヴァインやバルタザールと同じ能力か?
「バルタザールとは同じ能力だ。同じ龍王眼所持者だからな。しかし、ヴァインは違う。我にもあの者の能力はわからぬ。」
なるほど。ってなんでヴァインとバルザールのこと知ってるんだ?
「我は汝の中に潜む者だと言っただろう。汝が見たものは我にも見えていると思え。」
ああ、なるほど、
ところでお前は誰だ?
「我の名は黄龍」
黄龍か、
「我名を叫べ、今こそ一つになるとき。」
ハッ、意識が戻った。
「死ね。」
「終焉の龍の眼!!!!!」
「なっ」
ドサッ
体には鈍い痛み、聞こえてくる鳥の囀り、部屋に差し込む眩しい日差し、そして、
「皐月ー、いつまで寝てるの?もう朝よ、学校遅れるわよー。」
正、俺の前世の名前。え?てか、今の母さんの声だよな?え?え?俺は今バルザールと戦っていて、
その時、俺は全てを悟った。
「夢かよーー?!?!!?」
まだ終わりません!これから始まります!