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episode5「友達」

俺が転生してから、六年が経った。

さて、早速だが、俺は未だに剣術の修行をしていない。いや、待て待ってくれ。魔術の才能が少しあったから剣術なんていいや、なんてことは一切思ってはいない。いやマジで。

理由を説明すると、すごく簡単だ。ケインが黒竜ブラック・ドラゴンとの戦闘中に仲間の一人を庇い、全治三年の大怪我を負ったからだ。

なぜ、黒竜ブラック・ドラゴンと戦り合うことになったのかは、話が長くなるので割愛させてもらおう。


そんなこんなで、最近になりやっとケインは元の速さまで剣を振れるようになってきた。


「ヴァンーお友達きてるよー」


「はーい。すぐ行くー」


「日の入りまでには帰ってくるんだよ。」


「うん!」


おっと、そう言えば紹介してなかった。一年くらい前から俺には三人の友達ができた。


「うーっす」


この緑色の短髪、金色の眼のだるそうにしている少年が、ジン・リーフン。ジンと呼んでいる。


「おっそいのよ!」


次に、金髪のショートカットに赤色の眼をした、気の強い少女が、ミカエラ・ファラン。ミカと呼んでいる。


「あ、おっはーよーう、お寝坊さん。」


そして最後に、桃色の髪を括っている、茶色の眼の元気な少女サクエリヤ・カーテッド。サクヤと呼んでいる。


そして、俺、ヴァンテッド・ユナイテッド。

親と同様ヴァンと呼ばれている。


いつもこの四人で遊んでいる。なかなかに居心地がいい。


「さあ、今日は何して遊ぶ?!」


「んー、各自自宅で待機?」


「待て待て、せっかく来たんだから、遊ぼうぜ」


「そうだよ!ジンはいっつも緩いな〜」


と、まあ、こんな感じの会話をいつもしている。

ミカが何するかをみんなに持ちかけ、ジンはそれを緩くかわし、俺とサクヤで、突っ込む感じだ。


「あ、ねえ、みんな、私たちって、あと丁度十年で、村を出るじゃない?」


これも最近知ったことなのだが、この世界では十六歳になると、村を出て、冒険をするのが普通らしい。前世で言う所の成人みたいなものだ。


「そうだな。」


「あと十年先のことなんて、どうでもいいけどな」


「もう!ジン!十年なんてあっという間だよ!」


「そこで提案なんだけど、私達一緒に冒険しない?」


「おー、そりゃいいな。」


珍しくジンがしっかり話を聞いている。明日雪でも降んのかな。


「ジンが話をちゃんと聞くなんて珍しいね。」


などと、思っているとサクヤが突っ込みをいれた。


「うるせーよ。ただ、お前らといると楽しそうだと思っただけだよ。」


ツンデレか。


そんな雑談をしながら、その日は家に帰った。

そしてその日の夜。


「よし。ヴァン、明日から剣術の修行始めるか!」


「え?!やった!お願い!」

ついに剣術の修行か!楽しみだ。前世では、俺はどっちかっていうと剣術の方が好きだったんだよな。


「みっちり鍛えてやるから、覚悟しとけよ?」

と、笑いながらケインが脅して来た。


「あっという間に父さん超えちゃうかもね。」

と、笑いながら返した。


「そう簡単には抜かれねぇぞう?」

こんな感じに親子らしい会話をして、その日は眠りについた。


そして、翌日。


「さて、じゃあ今日から、剣術の修行を始める。」


「はい。よろしくお願いします。」

一応、修行で父さんだ、敬語で行こう。


「おいおい、普段通りにしてくれよ、むず痒いだろ」


照れながらケインが言って来たので普段通りにしよう。


「さて、じゃあ、最初は基礎である、攻防剣技流と、流反剣技流を覚えていくぞ。」


「うん!」


「でも、まあ、この二つ自体は簡単だから数週間で覚えられるだろう。」


その言葉通り、わずか二週間ほどで両方習得できた。


「さて、じゃあ、これで俺が教えられることはもうない。あとはお前自身で剣技を編み出せ。」


ん?終わり?


「え?父さんの神風剣技流は教えてくれないの?」


「ああ、俺の神風剣技流をお前に教えて、習得した場合、お前の二つ名も『神速』に、なっちまうからな。自分と同じ二つ名を持ってるやつが二人もいたら嫌だろ?」


ああ、確かに。


「わかった。俺、父さんの神風剣技流に負けない剣技を編み出すよ!」


「おう。楽しみにしてるぞ。」


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