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天が変して地したら異になった  作者: 冬眠の熊
第1章「特別な眼」
10/10

episode10「技」

今日も素晴らしい授業だったな!さあ、帰ろう!


「なに、帰ろうとしてんのよ!」


「あ?なんだよ、美希。俺はもう疲れたから帰る。」


「疲れたから帰る。じゃないわよ!昨日の夜メールで明日からガルフィア祭まで能力を使いこなせるように特訓に付き合ってくれ!って言ってきたのはどこのどいつよ!」


このうるさいのは俺の幼馴染、名前は宍粟美希シソウミキ 能力は全力衝撃フルインパクト その能力はあらゆる物を粉砕し破壊する、そしてその見た目から付けられた二つ名が『破壊姫』(因みに本人はこの二つ名は割と気に入ってる様子。)


クラスは一年一組、成績優秀者のクラスだ。因みに委員長も学力は一組並みらしいが、何故か俺らと同じ普通のクラス。本当に何故だろう。


まあ、そんなことは置いといて、今日からガルフィア祭までの期間に俺の覚醒した天変地異を完全に使いこなす為の訓練を美希と麗央に頼んだんだが、見ての通り美希はちゃんと覚えていてくれたらしいが、麗央がいねえ。


「いやいるわ」


「うおっ!居たのかよ、つか俺のナレーション勝手に読んでんじゃねーよ。」


「ナレーション?いいから早く行こうぜ、どこで練習するかと決めてんのか?」


「サッサンに無理言って体育館を貸してもらうことになってる、早く行こう。」


「おー!さすがサッサン、神先だわ。」


「佐々木先生ね、友達じゃないんだから」


「まあまあ、細かいことは気にすんなよ♪ミッキー」


「その夢の国の鼠みたいなあだ名やめてもらえるかしら?すごく恥ずかしいんだけど!」


「お前ら漫才は他所でやってくれ早く行くぞ。」


ーーー体育館ーーー


「さてと、んじゃまず手合わせするか。どれくらいの戦力になるか見ておきたいしな。」


「ふっ、麗央、俺を見くびってもらっちゃ困るぜ。あんまり舐めてると怪我するぜ?」


「ほおう?」


・・・・・


「そこまで!麗央の勝ち!え、皐月弱すぎない?私にも勝てないんじゃない?」


「ぶっ俺を見くびってもらっちゃ困るぜ、怪我するぜ?ブハッ」


「ちょっと、笑っちゃだめでし、クスッ」


倒れた俺を見ながら二人が爆笑していた。こいつら覚えとけよ。


「それにしてもお前、いくらなんでもそれはないだろもうちょっと本気出せよブハッ」


この野郎ぶっ殺してやろうか。


「まあ、真剣な話、お前の能力天変地異の暴風、ミニ地震、雷、どれもあんま技って感じじゃないな。暴風、ミニ地震に関しては論外、雷も集中すれば避けられないってほどでもない。まあ、もっぺんやるか。」


ぬぐぐ、言われっぱなしっても性に合わない。絶対顔面に一発ぐらいは入れてやる。あ、いいこと考えた。


「じゃあ、はじめ!」


『玉星宝刀』


「はあっ!」


よし、ここだ。暴風で俺のパンチの速度を上げて。


「オラァッ」


「なっ、速ッ」


俺のパンチが麗央の顔面めがけて突っ込んだ。


「いっつ、やりゃできるじゃねえか、皐月。」


「この天才を見くびってもらっちゃ困るぜ。」


「『天災』だろうが、バカ」


「うるせえ!バカにしてんのか!」


「ちょっとちょっと二人とも!試合は?もういいの?」


「あ、忘れてた、おい麗央ーー」


なっ、いない?!


「余裕かましてんじゃねえよ、バーカ」


「ガフッ」


麗央のパンチが炸裂し、俺は倒れた。


「あ、やり過ぎたわ」


「ちょっと、皐月!大丈夫?!」


「これが大丈夫に見えるのか、お前は」


「ふう、今日はそろそろ帰るか。」


「そうだな。」


ーーー帰り道ーーー


「それじゃあ俺こっちだから。」


「おう!じゃーな皐月!」


「また明日ね。」


「おう。」


さてと、とりあえず今日の出来事をまとめてみよう、まず最初に暴風でパンチや蹴りの威力、速度が上がるということだ、これは攻撃手段としても申し分ないだろう、ん?もしかして暴風をちゃんと操れたら空を飛べたり、移動速度を速くしたり出来るんじゃないか?


「夢が広がるなぁ。ん?あれは確か、」


今日のことを振り返っていると七列強『暴食』白鉄小雪がいた。


「うっ、お、重い…」


すげえ重そうだな…どうする?手伝うか?いやでも、えっ誰?みたいな感じになったら死ぬ、いやいや、ここでほっとくのは男じゃねえだろ。


「あの、白鉄さん?持とうか?」


「貴方は確か、篠原くん…?」


「あ、覚えててくれたんだ、帰り道で君を見かけて荷物が重そうだから半分持とうかなって」


「お、重そうにしてましたか…?」


彼女は頰を真っ赤に染めた。


や、やべえかわいい。


「じ、じゃあ、よろしくお願いします。」


「おうっ。」


「重くないですか?」


「ん?いや、そんな重くないよ」

(やべえ、クソ重い、なんでこの人こんな重いの二つも持てるんだよ)


「それにしてもこんなにいっぱい食べ物どしたの?おつかい?」


「いえ、私一人暮らしなんです、それでついつい買い物が面倒になって、なので一回一回の買い物の量を増やしているんです」


「あー、なるほど、それわかる。てか、同い年なんだし敬語じゃなくてもいいぞ?俺もタメ語だし。」


「癖なんです、迷惑というならやめますが…」


「あ、そうなんだ、いやいや、迷惑なんかじゃないよ、大丈夫大丈夫。」


「そうですか?あ、ここのマンションです。」


「あー、ここが、って、ん!?」


オイオイオイオイ俺ん家から三○秒もかからねえぞここ。


「どうかしましたか?」


「いや、何でもない、」


「?そうですか、あの、篠原くん、」


「ん?どした?」


「お礼と言っては何ですが、晩御飯食べていき」

「イキマス。」


これが罠でも俺は行くぜ、女の子の家で晩御飯とか言うイベント、この俺が逃すわけがない。


「わ、わかりました。」


「おっじゃましまーす!」


おお、女の子の部屋!いい匂い!!グッドスメル!

おっと、これじゃ変態みたいではないか、落ち着け俺、平常心だ


「はい、出来ました。」


「おっほぉ、うんまそー!いったっきまーす!」


ーーー食後ーーー


「ふう、食った食った。」


「お口に合いましたか?」


「おう!超うまかった!」


「ところで、今日はなんの帰りだったんですか?学校の帰りにしては遅いですよね?」


「ああ、能力の修行だよ、俺能力が覚醒してからまだ日が浅いから能力を使いこなせないんだ。」


「そうなんですね、あの、良ければ私も手伝いましょうか?」


「え、いいの?そりゃ同じ七列強が二人もいれば大分心強いけど、」


「二人?」


「ああ、龍崎 麗央だよ。学校が同じなんだ。」


「そういえば、自己紹介の時でもそんなことを言っていましたね、仲がいいんですね。」


「腐れ縁なだけだって」


「でも羨ましいです、私には友達がいないので、」


「え、俺らもう友達だろ?」


「え、友達なのですか?」


「違うの?!」


「いえ、驚いてしまって、で、ではよろしくお願いします?」


彼女は頰を赤らめてそう言ってきた。

可愛すぎかバカヤロウ


「おう!」


ーーー次の日の放課後ーーー


「と言うわけで!なんと七列強の白銀さんが、修行に付き合ってくれることになりました!よっ!」


「白銀小雪です。よろしくお願いします。」


「宍粟美希です、よろしくね、小雪ちゃん。」


「いきなり名前呼びかよ、すげえな、龍崎麗央です、前に一度あってるよな?よろしく白銀」


「は、はい!よろしくお願いします。」


「そういえば、白銀他校なのに学校ウチにいれちゃってよかったのか?バレたら怒られんじゃねーの?」


「その辺は大丈夫だ、サッサンから許可は取ってある」


「と言うわけで、修行開始だ!」


「んじゃまず、俺が自分で考えたのを見てくれ」


空中歩行ストームラン


「すげえ、空中に浮いてるぜ、」


「だろう?ハッハッハ」


「ダメですね。」


「な?!」


「小雪ちゃんの言う通りね、そもそもスピードが遅すぎる、なに、的?狙い撃ちしてくれってこと?」


「もう少し速く動けるようにしないと実践は無理でしょうね。」


「ぐっ、ならば。『鎌鼬』」


「扇風機かよ」


「扇風機ね」


「扇風機です。」


「扇風機じゃねぇよ」


「とりあえず、これに関してはただの風じゃん、一体何がしたいわけ?」


「鎌鼬、風の中で物を刃で切る妖怪の名前さ、その名のとうり、風で切ろうと思ったんだが…失敗だな。」


むう、思ったより皆んなの意見が厳しいな、あんま期待してなかったけど、これはなかなかダメージくるぞ。うーん。どうしよう、これしか考えてねぇや。


「んじゃあ、今日はこれにて終了!じゃあまた明日!」


「は?!これで終わり?まともな技ひとつも出てないじゃない!」


「だってこれぐらいしか技考えてねーんだよ。白銀、今日はありがとうな、またよろしく!ほんじゃな。」


「はい。ではまた今度。」


「ちょっとちょっと!何シカトしてくれてんのよ!」


「うるせーよ、ミッキー、俺らも帰ろうぜ。」


「うぅ、なんか悔しいーー!」


ーーーその日の夜ーーー


「さて、新しい技考えますかー、つってもな、技とか、言われてもなーうーん、取り敢えず雷落とす。」


ピカッと光り雷が落ちた。


「少年、面白い能力だな。」


不意に発せられた声の方向を見ると、そこには銀髪の髪を整えた、咥え煙草の二〇代くらいの男性が立っていた。


「あんたは?」


「これは失礼、俺は帝博隆ミカド ヒロタカただの通りすがりだよ。」


うっわ、めんどくさいのに絡まれた、とっとと話切り上げて帰ろ。


「見た所、決め手となる技が無いように思えるがどうだ?」


「な、なんでわかる」


「これまでの物語を読んでな。」


「は?」


「いや、なんでも無い忘れてくれ。」


「んで?結局あんたは何が言いたいんだ?」


「ふっ、望むなら一つ技を伝授してやろうか?」


うっわぁ、これあれじゃん漫画とかアニメでよくあるやつじゃん。まあ、一応話くらいは聞いてみるか。


「どんな技だよ?」


「フッ」


ーーーその日の夜ーーー


やっべぇぇぇぇぇえ。あんな技使えたら今度のガルフィア祭、イケる。 絶対イケる。


「うっひょぉぉぉぉぉぉお」


「な、なに?お兄ちゃん。どうしたの?」


「いや、にいちゃんちょっとスタンディングオべレーションしたいことがあってな。」


「は?」



そしていよいよ、ガルフィア祭が始まる。




















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