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別れ

「なあおい、カイン」

「……ん」

「聞いてるか?」

「ああ……なんだよ?」

「猫ってさ、青と緑は見えるんだけど、赤は見えてないって話があってさ」

「ああ……?」

「俺、いまだけは自分が猫だったらよかったな、とか思ったんだよ」

「ああ……」

「そしたらさ、お前を見ても泥水かなんかを被っただけだと思って笑えただろうからさ」

「そいつは……残念だな」

「…………うん」

「俺は猫は嫌だな…………そうしたら、お前のトレードマークの赤髪が見えなくなる」

「……そうか」

「だから、もし俺が猫に生まれ変わったら……その時は、お前が俺を見つけてくれよ?」

「うん。……………………約束するよ」


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