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神様はじめました

作者: 鳴瀬七瀬

 神様始めました。

 ……何ですかその目は。さては信じていませんね。これだから最近の人間は嫌ですよ本当に。先ほど通りかかった犬は、神様である私に敬意を示して尻尾をパタパタと振ってくれましたよ。犬のほうが余程すなおじゃないか。

 最近の人間は全くどうなっているんだろうか。目をきちんと合わせようともしない。ああ、嘆かわしいことです。

 まあ私も昨日までは人間だったんですがね。だからこそ今までの、人間だったころの生き方を振り返って嘆かわしく思うとも言えます。昨日までの私だったら、いきなり神様が現れても、にわかには信じられなかったかもしれません。

 ですが私は神様なんですよ。今日、朝の光を浴びた瞬間わかったのです。この日から、私は神になったのだと。神様を始めたのだと。

 ……だから何ですかその目は。言いたいことがあるなら言いなさい。言わなくてもわかりますがね、私は神様ですから。どうせ私の頭がおかしいとでも思っているんでしょう。

 もう、本当に人間ってやつはどうしようもない。信じられない事だって、信じてみなければ何も変わらない時だってあると言うのに……、ちょっと、ちょっと。どこに電話を掛けているんですか。まあ話を聞きなさい。

 いいですか? 私が、今、この手をひとつ打ち鳴らせば、この地球からすべての生き物を消すことだって出来るのに、それでも頭がおかしいと言うんですか……ああ、言うんですね。もういいです。消します。


《ぱちん》


 見てみなさい。真っ暗だ。この世界にはもう、誰もいない。私が消したんですよ。あなたも見ていたでしょう、これでも私の頭がおかしいと言いますか。……なぜ誰も応えないんですか。私が消したんですよ!この世界の人間すべてを……すべてを?


 ああ、しくじった。

 だれもいない。


 神を信じる人間、生命を燃やす生物、私は全てを消してしまった。全てだ。何もかも! これじゃあ私は神様である意味がない。生命の作り方なんて知らない。私は昨日まで人間だったんだから、そんなこと、知るわけがないじゃないか。私はこの真っ暗闇の中で、たった一人ぼっちの神様なのか。

 どうしたらいい。

 どうしたらいい?

 ……神様。




 《ぱちん》





 (神様、終わりました。)






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