下僕にならないか
いつもと変わらない日々。
僕は普段通り投稿をする。
短い黒髪の前髪がサラサラと風に揺られる。
僕は藤谷勝。
体格普通、身長170のどこにでもいる高校一年生。
あえて言うならアニメ好きの学校以外の目的では外出しないプチ引きこもり。
まあ、いつも眼鏡をかけていることから挙句の果てに
真面目と眼鏡を合体させたマジ眼鏡という謎のあだ名で呼ばれている。
もはや名前はどこへ言ったのやら。
そんな僕も一応クラスのために実は副委員長をやっていたりもする。
存在感は薄いけれど。
あいつに出会うまでは僕の人生は平凡だった。
この日は何も知らなかったのだが。
遅刻しないように余裕を持って登校する。
すると、なにやら人だかりが職員室にできていた。
それもそうだ。
今日から留学生がやってくるのだ。
金髪のオーストラリアからきた女の子らしい。
正直な話、去年は先輩の情報?というかクラスの男子が先輩から聞いた話だと少しぽっちゃりした体型の人であまり人気がなかったとか。
まあ、顔ではなく人柄を選ぶのが当然だと思っていたものだから僕は期待などしていないが。
そんなわけで職員室で英語先生に留学生の質問攻めをしているのは大半が一年生である。
あまり知らない人が多いと思われる。
職員室の前を通りすぎて階段へ行くと
誰かにぶつかる
「すっすみませんっ!」
ぶつかった時に柔らかい感触がした時点で
おそらく女子なのだろう。
帽子が取れるとなにやら某アニメの鍵を使って魔法を繰り出すキャラの実写版
を感じさせる美人の女がいた。
一瞬固まったが何か嫌な予感がしたので猛スピードで階段を駆け上がり逃走を試みる。
すると、あっさり腕を掴まれてしまう。
しかも、帽子をいつの間にか被り直していた。
「君…私の下僕にならない?」
そんな衝撃的な言葉を何の躊躇いもなく発した。