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前世の嫁との再会

直接入力だったので一回消えました、、死亡しかけです。

 しかし、世の中狭いもんだなあ。

 こんなとこに前世の嫁、、因縁かはたまた運命か。

 わしが男なあらーぶロマンスなんだが、、あいにく令嬢なので

 全然百合の世界はないぞ。


 この世界の前世持ちと言うのは、前世の顔がこうかぶさって離れないものなのだろうか。

 ハロウインじゃないんだから、おっさんやおばさんの仮面はいただけない。

 しかし、この姿を美代子に見られたのはかなりのショックだ。

 

 男として潔く、恰好よく看取られた感があるのに、、。

 再開したら親父が女装してたとか、決して変態ではないが、字面からすればそんな感じだろう。

 

 おやじのドレス姿、、、嫁だけにはさらしたくない姿だと思う。

 無理やり宴会芸で女装さされ、それだけでもシニタイフラグなのに、嫁に見られるなんて世界の果てまで駆けていきたい感じだ。

 わしは一瞬魂を飛ばしかけた。


「お父さん、お父さん大丈夫?」

 美代子の昔ながらの呼びかけにわしは意識を失いかけながらも一瞬、前世のあのなつかしい日本の畳じきのわが家にいるような気分になった。

(一応令嬢なので、コルセットがきついので意識が飛びやすいのだ)


 わしが生涯を賭けてローンで買った家。

 都会なのにまだ緑がのこされた公園などがあって鈴虫の声やかえるの声が夜になると聞こえ、夏の夜には花火があがった。

 ちっぽけだけど、この世界の実家に比べれば納屋程度だけど、宝物のような日本のわが家に。


 このまま、再度異世界から飛ばされ、これが夢で、美代子がお風呂ですよと夕食のあと呼びに来るまでうたたねしてたあの時に戻れるならと思ったが

 そんな夢はかなわず、、現実は残酷なのだった。


 唾棄すべきフリルが豪華なドレスと、洋風建築は消えなかったのだ。

「一瞬魂が消えかけた」

「ごめんなさいねえ、笑ってしまって」

 美代子は微笑みながらわしの手を握った。

「私も前世の記憶があって、このおばあちゃんの顔があって人とは違うからすごく悩んだけど、お父さんはそれ以上ですもんね」

 労わられたからか、安心からかわしの目が涙に潤んだ。

 わしは前世でおっさんだけど、今はまだぴちぴちの少女で、それをどう受け止めていいやら、おっさんでも繊細な方なので、不安だったのだ。


 それに美代子の手は相変わらずあたたかかった。

 仕事に詰まった時や、疲労でもう何もかも放り出したいと思った時に、美代子のこの暖かな手が肩をもんでくれたりしたら、また頑張れた。

 記憶があとから、あとからよみがえってきて言葉もでなかった。


「お父さんが亡くなったあとね、私も半年くらいで死んじゃったの」

 美代子がこの世界にいることのその答えだった。

「癌だったのよね。もう手遅れで、よかったことはお父さんの最後を看れたことと子供に介護の面倒をかけなかったことだけど、まだあの子たち若いから」

 美代子の言葉にわしも同感だった。


 息子は就職の内定を受けてはいたが大学生だし、娘はフリーターでバンドなど食っていけるかわからないことをしている。

 あと十年は長生きしたかった。


「でも、おばあちゃんがいるから大丈夫でしょ、お義姉もいるし」

 おばあちゃんとは美代子の母でしっかりした芯の強い、体も頑丈そうな人だったし、わしの姉も近所でも有名な昔ながらのお節介おばさんだった。

 この二恐がいれば大概の困難は乗り越えられるかもしれない。


 「だけど、あれから、どうなったのかしらと思ってしまうのよね」

 美代子は心配なようで、遠い目をしていた。

 まあ、わしもこのように令嬢やってるよりも、前世であいつらがちゃんとやってるかを見届けたかった。

 「あの子たちもこちらに来てるかしらとか考えちゃうの」

 「うーん、ありえん話ではないが」

 こっちに来られるのはちょっと困る。

 会いたくないと思えばウソになるが、早死にしてこっちに転生されたら悲しいしこの姿を見られたら、、、

 この世界を破壊するかもしれんな。

 いやいや一瞬怖いこと考えてしまった。


 美代子は今の生家の男爵家が代々王宮おかかえの魔導師なので、家業を手伝ってるらしい。

 だからある程度諸国を見分しているようなのだが、いままでに転生者を見たのはわしだけとのことだ。

 わしの知らないこの世界について美代子にいろいろ教えてもらった。


「お父さんのような深窓の令嬢は外に出ないからあまり知らないでしょうけど、この世界って本当ゲームのファンタジー世界のように、魔物とかもいるのよ」

「そうなのか、おまえはそれと戦うわけか」

「うーん、必要であれば、まあ中級くらいなら」

 前世の美代子にはない不敵な顔つきはなんだか、美代子の母を思いだした。

 あの豪胆なおばあちゃんも陰陽師とかなんとかの家系で、家業ではないけど知り合いに頼まれてお払いをたまにしてたな。


 悪霊とかとも戦ったとかそんな話を誰か親戚が言ってたが、前世もある意味ここと似たようなものでわしが気が付いてないだけかもしれない。

「お父さんとは前世の縁で結ばれてるし、何か意味があるのかもしれないわね」

 美代子がなつかしい笑顔を浮かべてそういった。

 何かいままではりつめていたものがゆるゆると解けるような感じがした。

 美代子の存在は今も大きいのだった。

 美代子を今も愛しているが、それは恋愛や性的なものではない。

 恋愛とかそんなもの吹き飛ぶくらいの運命で結ばれた二人には、強い絆があった。

 前世での何ものにも負けない家族としての記憶だ。

 「これからもよろしくお願いします。」

 「ああ、こちらこそだ」

 二人はまた新たな縁を結んだのだった。


 しかし、わしにはさらなる試練が待ち受けていた。



へたくそなのによんでくださるかたがあって驚きです。ありがとうございます。

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