プロローグ
やっべー。
俺はそう思いながら自転車をこいでいた。
今日は始業式の日だ。
つまり昨日まで春休みだったわけで、宿題も無く、部活にも入ってなかった俺はもうだらだら過ごしていた。
夜遅くまで起き、昼近くまで寝、テレビ見たり、ゲームしたり、友達に誘われたら遊びに行ったり。
そんなこんなで過ごして、今日の存在を忘れて今に至る。
高校2年の初日に遅刻って締まんねーぞ。
それにクラス替えもあるからそれも気になる。
俺的には学年1の美少女増日えまを希望(笑)。
おっとこんなこと言ってる場合じゃねー。急がねーと。俺は自転車をこぐスピードを上げた。
しばらくこいでいると下り坂にさしかかった。その先には信号が見える。今は点滅中。ここを突っ切ればギリギリ間に合う。下り坂ってこともあるが、さらにスピードを出した。
下っているうちに赤になった。でも急には止まれない。もうこのまま行っちゃえ。
しかし、このとき俺は止まるべきだった。そうすればこの後の悲劇は防ぐことができたのだが、もう今となっては後の祭りだ。
道路に飛び出したとき、車がやってくるのにすぐには気づかなかった。気づいたときにはもうぶつかる寸前だったね。
車に飛ばされて、俺は道路にすごい衝撃で打ちつけられた。もう体中が痛くて痛くて動くこともできなかった。
もう俺死ぬのかな。意識が遠のく中、そう思った。原因が自分のせいなのでもう過去の自分を恨むしかない。
そんなとき少女が見えた。俺は彼女が空から降ってきたように見えた。
天使?
もう死を覚悟していたので、そんなことを思った。
彼女は興奮して何かをしゃべっている。でももう俺は聞こえない。一瞬彼女の言葉が聞こえて、それから気を失った。
「生きて、明!」




