8話
「助けられたー!?」
明は驚いて、大声で叫んだ。
「何だよ?まさか、お前知らないのか?」
「本当に何も知らないの?だって、私たちとは違って生きているときに助けられたんでしょ。」
えまと三河も驚いているようだ。
「だって、実際俺は事故に遭ったんだぜ。俺をひいた運転手もそのまま放置して逃げたしな。まあ、俺の不注意で事故になったんだから、しょうがないといえばしょうがないけどな。ただ、事故の現場を見て、すぐに救急車を呼んでくれた人がいて、その人のおかげで一命はとりとめたってところだな。まあ、その人が言うには目立った外傷はなかったらしいが。あ、その人っていうのは普通の男性で俺の目が覚めた後、お礼したからな。」
「俺らが想像してたのと違うな。」
「でも、それが俺の体験したことと聞いたことだからな。」
「でも、死神のよみが見えたから何かしらに関わっていると思うんだけどな。」
えまと三河、優麗は考え込んでいる。その様子を見て、よみは急に声をあげた。
「もう、別に助けたとか助けないとかどうでもいいですよ。」
その発言に対して三人は
「「「どうでもよくない。」」」
と大声をあげた。
「よみ、大変な思いしたのに・・・」
「まず、この通りだったら、俺らのことと矛盾するじゃねーか。」
「・・・知りたいの。あの日のこと。」
「あ、そういえばさー・・・」
「(怒)何?」
「(ビクッ)いや、死神って人には見えないのか?」
「そうだよ。学校にいるときは人間化しているから見えているけどね。私たちのことがあって、何か落第?みたいなことになって今は黒っぽいけど、前までは仕事をちゃんと頑張っていたから、白の衣装だったらしいよ。」
「白?」
三人はまた悩んで、明も考え込んだ。
「あー!?」
しばらく経った後、明は大声をあげた。
「そういえば、誰かいたわ。空から舞い降りてきた真っ白な服の天使みたいなやつ。」
「じゃあ、それがよみ?」
4人はよみを一斉に見た。
「ちょっと恥ずかしいじゃないですか。・・・確かにそれは僕です。メイドが対象者だったのですが、間に合わず、とりあえず怪我の治癒から先にしました。細かいところは病院に任せようと思ったのですが、その頃の僕はちょっと一般常識が欠如してたので、救急車を呼ぶということが分からなかったんです。あの男性が来てくれて本当に助かりました。」
「何で人間の蘇生方法が分かるのに、そんな当たり前のことが分かんねーんだよ。」
三河は呆れている。
「まあ、これでメイドもよみに助けられたことが分かったね。」
「そうか。じゃ、礼は言っとくよ。ありがとう。」
「い、いえ。死神として当然のことをしただけですから。」
「よみってば、照れてる~。」
「か、からかわないでください。」
「よみはかわいいな。まあ、とりあえずこれでメイドも加わった新Live研究部活動開始ってことでいいのかな。」
「新って言っても1ヶ月前に始まったばかりだけどな。」
「優麗も平気?」
「・・・大丈夫。」
「じゃあ、けってー・・・」
「おい、当の俺に同意を求めないのか?ってか、ついにくんづけもなくなったが、俺の名前はメイドじゃな・・・」
「メイドに拒否権はありません。だよね、よみ。」
「はい。その通りです。」
「もうあきらめろ~。一度死んでる俺らにいつもの生活は無理だ。」
「んな、勝手なこと・・・」
「じゃあ、もうそろそろ遅いので帰りましょうか。」
「さんせーい。」
4人はぞろぞろと帰っていく。
「おい、俺はまだ納得してねー。」
明はその様子を見ながら、言った。
そのとき、よみが振り返った。
「メイドも早く帰らないと心配かけますよ。」
そしてまた、三人の方へ向かった。
「ったく、しょうがないな。」
メイドは4人のいるところまで走り出した。




