対話
「有理さんって・・・」
「なーに?」
「お兄ちゃんと付き合ってるんですか?」
お兄ちゃんが居ないことを良いことに、私は聞きたいことを聞くことにした。
「え!?」
「違うんですか?」
「まぁ・・・付き合ってないよ。
一方的に、私が好きなだけ。」
だよね。
だろーと思った。
だって、貴方のお兄ちゃんが全然つりあわないもの。
「ご覧のとおり、兄はとってもカッコいいんです。」
「そうね。」
「蜘蛛と絵が苦手だけど・・」
「そうそう。
絵なんか、違う意味で芸術的よね。」
「そうなんです!
って、そうじゃなくて・・・
はっきり言って、兄には綺麗な女優さんみたいな
人と付き合ってほしいって思ってます。」
「美香子ちゃん・・・」
「兄は、私のヒーローなんです。
将来、結婚なんてできなくていい。
だけど、兄は私の傍にいるって言ってくれました。
私は、兄が大好きです。」
どんなに綺麗な人だろうと
私の大好きなおにいちゃんは譲れない。
こんな、ダサダサな人なんて
言語道断!
お兄ちゃんの髪の毛一本だってあげるもんですか。
「・・美香子ちゃん。」
「はい。」
「優一君が本当に好きなのね。
うらやましい。」
「え?」
「私、一人っ子だから妹とか弟とかあこがれててね。
優一君、美香子ちゃんの話しをしたりするとき・・・
いいなぁ、って羨ましいなぁ、って思うの。」
私の言ったことなど、気にしていない様子だった。
「弟だったら、一緒に走り回ったり。
たくさん運動したいな、とか
妹だったら、髪を結ってあげたり。
おままごこととかしたかった。
だけど、そんなこと、全然叶わない。」
「・・・・あの、私が言いたいのは・・・」
「私はね・・女優さんみたいに綺麗じゃないし
モデルさんみたいにスタイルがいいわけじゃない。」
そりゃそうだ。
スタイルだなんて。
ダボダボのワンピースにパーカーを羽織ってるから
着太りして見える。
「だけど・・・優一君が好きなの。
小さな頃から・・・。」
「・・・」
「優一君が私を好きになってほしい。なんて
贅沢なことは言わないよ。
だけど、私が好きでいることは・・・駄目かなぁ?」
「・・・別に、私が言える立場じゃ・・・」
「そっか。そうだね、ごめんね。」
「いえ・・・」
「そろそろ優一君が来ちゃうね。
じゃ、この話しは終わりにしようか。」
「はい。」
この人は、ほのぼのとしていて
宙に浮いているみたいだ。
だけど、芯が強い。
なんだろう、この人。
私とえらく、対照的。
予約にしようと思ったのですが
今日じゃ間に合わないので・・
5日の日。
すぐ終わるので、学校から帰ってきたら更新することにします!