かの・・・じょ?
「今日は絶対一緒に帰るもん。」
「でも、さっき一緒に帰れないってメールきたんじゃないの?」
「待ち伏せするの!」
「こっわ~。
あのねぇ、お兄ちゃんにもいろいろあるんでしょ?
妹のあんたがいつまでも引っ付いててもねぇ。」
「なんと言われようが、私はぜ~~~~ったいに、
お兄ちゃんと帰るの!」
「あっそ。」
勝手にしなさい。
と花梨は呆れ半分。
そう、私は絶対におにいちゃんと帰るの!
なにが何でも!
「じゃね、美香子。がんばんな。」
「うん。」
花梨の背中を眺めながら再度、力んだ。
「さむっ」
いくら、春だとはいえ、この時期はまだ冷える。
手をさすりながらおにいちゃんを待っていた。
「美香子?」
「お兄ちゃん!」
やっと来た。
「なにやってんだよ。
先に帰ってろって言ったろ?」
「どうしてもお兄ちゃんと帰りたかったんだもん!」
「あのなぁ・・・」
「まぁまぁ。優一くんと帰りたいってやっぱり妹なら思うよ?」
「そうかぁ?」
「うん。」
「・・・誰?」
一段と声が低くなった。
まさか、この人がお兄ちゃんの彼女?
信じらんない。
お兄ちゃんの彼女だったら、どんなに美人でも許せない!
なんて思っていたが、的外れだ。
お兄ちゃんて、趣味が悪い。
黒い髪を三つ編みにしていて、めがねをかけていて・・・
はっきり言って、綺麗のかけらもない。
だったら、私のほうがお兄ちゃんにつりあうじゃない!!
「あぁ、同じクラスの姫宮有理。」
「初めまして。美香子ちゃん。」
「初めまして・・・」
声は・・・まぁまぁ可愛いんだけど・・・
顔と一致しない。
しかもなぁに?
姫宮だって。
姫と程遠いじゃない。
お兄ちゃんの考えていること、全然わかんない!
「そっか。実際に会うのは初めてか。」
「そうよ。
優一君、全然美香子ちゃんに会わせてくれなかったじゃない。」
「ごめんごめん。」
「・・・え?どういうこと?」
「美香子。
前に俺たちが住んでたマンションあるだろ?」
「うん。」
「そこの隣がこいつだったんだよ。」
「でも、小学校のときに転校しちゃったから・・・
会えなかったのよね。」
そんなつながりがあったなんて。
「良く、美香子ちゃんがお昼ねしてるときにね
優一君、悪がきだからこっそり抜け出してたの。」
「え・・・?」
「そして、公園をいっつも走り回ってたよね。
俺は陸上の選手になるんだ!なんて言って。」
「お、お兄ちゃん、そんなこと言ってたの?」
「よく覚えてるな?」
「覚えてるよ。
だって、あのときの優一君・・・きらきらしてたもん!」
「そ、そっかな?」
どんどん赤く染まっていくおにいちゃんの頬。
ねぇ、本気だなんていわないよね?
こんな、なんの取り柄もなさそうな人を好きだなんて。
せめて、美香子より綺麗な人にしてほしかった。
彼女、だなんて・・・言わないよね?
お兄ちゃん。
美香子ちゃん・・・
基本的、性格悪いです・・・。