なんか変。
「ただいまー。」
「あら、お帰り。」
「あれ?お母さん、なんで夕飯の支度を・・・」
「今日、優一が遅くなるって言うから・・・」
「ショーは大丈夫なの?」
「えぇ。
一通りデザインは出来たから。」
「そっか。」
・・・でも、お兄ちゃん遅くなるってどういうこと?
「2人で帰らないなんて、珍しいわね。」
「私だって本当は一緒に帰りたかったもん。」
「ほんと、仲がいいんだから。」
お兄ちゃんは頭がいいから、この市で一番頭の良い学校に行った。
私は、当然追いつけるわけでもなく、普通の学校に通っている。
しかし、お兄ちゃんの高校に行く途中に私の高校がある・・・
ということでとても近い。
だから、一緒に行ける!
という、私にとっての利益。
なのに、一緒に帰れない。
こんなことは、初めてだった。
いつだって、私を優先してくれたお兄ちゃん。
いつだって、私を大事にしてくれたお兄ちゃん。
用事だかなんだか知らないけど・・・
私を優先してくれるんじゃないの!?
「それにしても・・・
美香子は16で優一が18・・・恋人でもできないの?」
「私はおにいちゃんがいれば十分だもん!」
「そんなことばっかり・・・」
「お母さんだって、詩人で売れないお父さんのために一生懸命働いてるじゃない。
それと一緒よ!」
われながら、なんて変なことを言ってるんだろう・・・
と思ったが、いまさら訂正などできない。
「でも、お兄ちゃんにだって何時かは好きな人ができて
結婚するでしょ?」
「お兄ちゃんは結婚しないもん。
ずっと、私の傍にいてくれるんだもん。」
「あのねぇ・・・」
「お兄ちゃんは、恋愛になんて興味ないもん。」
ずっと一緒に居たからわかる。
お兄ちゃんは女の人には興味ないの!
だから、いつも・・・告白されても断ってたし・・。
「ただいまー。」
「おかえり、優一。どこ行ってたの?」
「友達とくっちゃべってた。」
「へぇ。」
「それより、お腹すいた。」
「はいはい。今用意するから。」
そう言ってお母さんは台所へと行った。
じーっとお兄ちゃんをみやる。
「なんだよ。」
「なんで美香子も連れて行ってくれなかったの?」
「あのなぁ・・・俺にだって、付き合いがあるんだよ。」
「でも、いつも私を連れて行ってくれたじゃない!
お兄ちゃん、変。
私には紹介できない人でもいたの?」
一瞬、お兄ちゃんの動きが止まった。
「・・・んなわけねーだろ。
ほら、変なこと想像してないで。」
「なによー、子供扱いして!」
「はいはい。」
今日のお兄ちゃんは変だ。
絶対に変!
妹ながらに、私はそう思った。
どんどん、投稿していきますよ~!
頑張れ、私!!(笑