私のお兄ちゃん
『先に帰っててくれ。』
たった一文。
はぁ。っとため息をつきたくなった。
「なーに?美香子。ため息なんかついちゃって。」
理由をわかっているのか、呆れ半分の私の友達・・・
野々宮花梨。
私は、両道美香子。
「今日、一緒に帰れないってさぁ。」
「お兄さん?」
「そ。」
メールの相手は私の兄。
「美香子のお兄さんカッコいいよねぇ。
弱点とかないの?」
「ん~・・・絵がヘタ。
あと、意外とドジ。ま、そこが可愛いんだけどねぇ。」
「はいはい。全く、ブラコンなんだから。」
「うっさい。」
そんなこと、私でもわかってる。
「でも、そんなの弱点にはいってないよ。
甘いお菓子に入ってる、ひとつまみの塩じゃない。
なんのしょっぱさも感じないわよ。」
「そうかな?」
「しかも、料理もうまいしねぇ。
この間のお弁当も、お兄ちゃんが作ってくれたんでしょ?」
「うん。
今、お母さん大事なショーを控えてるから。」
私のお母さんはデザイナーで、次のファッションショーのために
デザインを考えている。
「ほんと、あんたがうらやましい。」
「いいでしょ~?」
私にとっても自慢のお兄ちゃん。
カッコよくて、勉強もスポーツもできて。
ただ、絵がヘタで意外とドジで。
あ、あと・・・花梨には言ってなかったけど、蜘蛛が大の苦手なの。
虫が触れないなんて、男じゃない!
なんてお母さんは言ってたけど、私は全然大丈夫だと思う。
だって、他のとこはあーんなにカッコ良いお兄ちゃんなんだからさ!
明日から新学期なので・・・
今日と明日への予約で終わらせたいと思います!