第26話
ごっはっんっ! ごっはっんっ!
昼ごはんはファミレスで、 ごっはっんっ♪
……暖かいご飯って、いいなぁ。
「とりあえずドリンクバイキングでしょ? あとは…… 天城クンは食べ盛りだからおぼろ卵のマーボーとごはんは大盛りでいっちゃいなさイ」
「いっただきま~す♪」
あの通路はシオカのはずれにある小さな祠につながっていました。
メイドさんが用意してくれた服に着替えて、とぽとぽと街の中を歩いていたら、マルシア先生に捕まりまして……
「まサか天城クンに女装趣味があるとハねぇ。これは良いものを見たデス」
「まっ、ま…… マルシア先生?」
「微妙に似合っていルところガまた、何というか、こう……」
「こっ、これには訳があって……」
いたずらっ子のような表情を浮かべ、忍び笑いをもらす先生の背後に何かがいるような気がしたのは果たして気のせいだったでしょうか。
いや、それはない。
「職員室でみんナに言いふら「わあああ!」しましょうネ」
「ドしたの?」
「それだけはヤです」
「それじゃァ、どうしようかナ…… とにかク家に来なさイ。その恰好は少し微妙ネ」
「僕もそう思いますけど」
「そうね! その通り! やるなら、徹底的にヤるべきネ♪」
くふふと黒い笑みを浮かべて宣言した。
「ええとぉ……」
「ドゥーラに住んでいる天城クンが、ワンピ着てシオカに来タ」
ま、まあドゥーラからは4レルグ半も離れていますけどね。普通に来れば、乗合馬車で半日はかかりますよ。
それにワンピース着てますよ。
でもっ、これしか無かったんだもん。
「それについては、何と言いますか…… その……」
「女の子じゃないというのは一発でわかっちゃうし」
「ゑっ!?」
あの時にメイドさんが用意してくれたモノなんで、色合わせとかは、それなりにOKだと思ってたんですけど。
「まず髪がボサボサだし。そのあたりは気を使うわね……」
色々と駄目出しをくらいながら、先生の家に。
「今日、何があるか知らなかったの? 知っててやっているんだと思ったのに」
「知りませんよ?」
「まあ、いいわ。買い物に付き合って貰おうかしラ。荷物持ちを頼むわネ」
お風呂に入って、メイクをしてもらって……
僕は女の子にされちゃいました。
そして、公民館でお買いものをして……
何故に女の子って?
決まってるじゃないですか。
あの時にメイドさんが用意してくれたのは、ワンピースと桜色のボレロだったから。
ふりふりが付いてなかったのが救いと言えば救いかな。
インナーにはパッドまでついてたし……
瑞希くんを男の娘っぽくしちゃいました。
けけけけけ。