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第24話

 いつの間にか、ひとつの部屋に追い詰められていた。

 その部屋は武骨な石造で、ところどころに鈍く光っている所がある。


「ぼく、は……」

「いい加減にしなさい!」


 エスターがぴしゃりと言い放った。


「今の人類には高エネルギー重層バリアを突破する能力はないわよ。そのバリアを、あなたは無傷で突破した」

「エスター…… 何を、いったい…… 僕は瑞希、天城・瑞希だよ」


「木の葉を隠すなら森の中。地球人の中に紛れ込もうとすれば、地球人の姿をすれば大丈夫だと思ったんでしょうけれど、詰めが甘かったようね。人類に敵対しないのであれば、悪いようにはしない。だから… 事情を説明してくれないかしら?」


「エスター…… 僕は…… わからない。本当に何も知らないんだよっ!」

「さっき連絡があっのよ。鎮守の森の結界に穴をあけることに成功した、ってね」


 母さんは結界魔法については、王国で1番の実力の持ち主です。たぶん父さんはその護衛と、結界内部への突入部隊を率いているという所かな。

 逆に言うと、それだけの戦力を投入しなければならない『何か』が、鎮守の森に現れたと言った方がいいのかな。

 ひょっとすると竜騎士が飛んでいたのも、そのせいなのかな。


「母さん達の用事って、それ?」

「そう。そこで彼女は見つけちゃったのよ。絶対にある筈の無いものを」

「……一体、何を……」


 僕は目だけを動かして、部屋の中を見回した。

 気配を察したのか、じわりと包囲の環が狭まったような気がする。


「そこでね、天城・瑞希の遺体を…… 見つけちゃったのよ」


 アマギ・ミズキ ノ シタイ ダッテ?

 ボクハ、シンデナンカ イナイ。

 ダッテ、ボクハ……


「嘘だ! 僕はちゃんとここにいる!」

「そこで謎の敵から攻撃を受けたわ。死者こそいないけれど、被害も出てる。遺体は親族が本人だと確認したの。だとすれば、ここにいるあなたは何者?」


 遺体? 誰の? 天城・瑞希の……? 僕の死体?

 ウソダ!

 僕は死んでなんかいないよ!

 だってここにいるんだもん。

 ボクハイキテイル!


「僕は……」

「動かないで! 下手に動くと粉々になるわよ?」


 鈍く光っているのは魔力…… 魔晶石なわけ?

 床や壁に埋め込まれた魔晶石には爆裂の魔法が掛けられているのか。

 魔法解除のアミュレット無しで触ると…… どっかぁん! ってわけだ。


――イケナイ、コノ場ヲ離レナイト。


 それは稲妻のような一瞬の認識だった。

 ここから離れると言ったって、どうやって?


――どろいどA47ヲ確保シタ。ソレヲ利用シテ脱出ヲ。背後ノ壁ヲ破壊スル。


 文章にすると、それなりの長さだけど、ここまでの会話は一瞬だった。

 誰が話しかかているのかは分からないけど、


 その途端に、メイドさんの一人がエスターに武器を向けた。


「何をするの?」

「現状での武力行使により論理破綻の発生する可能が70パーセントを超え……」


――イマダ!


 僕が背にしていた壁に埋め込まれた魔晶石が爆発した!


次回は最終回! ……なんて事はありません。

もうしばらく続きますので、お付き合いくださいませ。

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