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第16話

 なんだかんだで補習授業が終わました。

 やっぱり外国語なんか嫌い! という…… え? え? なんでここに?


「あらぁ? 何をたそがれてるのかなぁ?」

「げ… ハイウインド様。どうしてここへ」

「エスターでいいって言ってるでしょ?」

 抱きしめられるのと同時に、頭にのしかかるずしりとした感触。

 人類の至宝といって羨ましがる人もいますが、いまの僕にとっては凶器そのものです。


「やめてエスター、重い! 背が縮む! 息が出来ない! 死む!」

「はいはい」

 彼女はくすりと笑うと、じたばたともがく僕を解放してくれました。


「今日は休みじゃなかったの? 佐奈ちゃんは生徒会らしいけど」

「はい。副会長が急病で入院したので、大変らしいです」

「ふぅん、『急病』ねぇ。そうなの~ それはまた大変ねぇ~(にっこり)」

「キノウノアサ、ツウガクノトチュウ、キュウニチョウシガ、ワルクナッタソウデス」


 にっこり笑うのはいいけど、なんかヤバそうな雰囲気がします。


「ああ、たしか三浦クンと言ったかしら。彼なら… 今ごろ退院しているはずよ」

「……ソレハコウウンデシタネ」

「生きていれば腕の一本や二本もげたくらいまでなら、どうにかなるものよ? それに今回は全身に凍傷を負っただけですもの。楽勝よ」


 佐奈の規格外の魔力は先祖帰りですが、ここまでの回復魔法は発動できません。

 にっこり笑うエスターも、やっぱり規格外。

 古代の御技をすべて使いこなすのは、ハイエルフだから…… やっぱり規格外かな。

 たしか死者でさえ復活させる事が出来ると聞いたような気もします。


 いやいやいや。

 そんな事じゃなくて。

 ひょっとして昨日の一件については…… 凍傷で入院?

 ちょっと待って。

 昨日の朝は、副会長に告白されて、佐奈が攻撃魔法を使ったけど不発、だったよね。

 その後は昇降口まで転移したはずだよね。じゃあ、誰が副会長を……


「…? どうしたの?」

「いいいいいえべつに」

「まあ、疲れるわよねぇ~ 特に佐奈ちゃんは」

「副会長さんがいませんからね~ 今は部活の新人戦とかがあるらしいですから」

「そうでしょうねぇ。ましてあの子ったら戦術級の魔法を使っているんですもの。体力はともかく魔力もすっからかんでしょうね」


 う……


「幸いにも、私の結界が間に合ったから、大きな損害もなかったし死傷者もなし。地元の工事屋さんの努力で校庭の穴は明日に元通りになるそうよ。それにね……」


 その結界のおかげで、このあたり一帯は荒野になることは免れましたね。

 そうですか。発動した戦術級魔法を結界作って封じ込めたんですか。古代の御業のすごさが、よ~くわかっちゃいました。

 でもって、広範囲に記憶が曖昧になる類の魔法を展開してみた、と。


 でもなんで、ここにいるんでしょうね。

 タイミング良すぎでは?

可愛いという事は正義です。

正義の前では性別なんか関係ありません。

だから瑞希くんはハグられる運命にあるわけです。

ふふふふふ……


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