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第13話

 今日は土曜日。生徒会のメンバーは、来月から始まる体育系クラブの新人戦の関係でお祭り騒ぎになっているらしいけど、佐奈には悪いけど僕たちは生徒会じゃないし。

 ひゃっほう! 学校休みだ、遊びに行くぞぅ! という夢は砕け散りました。

 幸せは長続きしなかったみたいです。


『コンイチワ』『アイガトオ』

「ちがーう! もう一回」


 ちなみに目の前にいるのは、マルシア先生です。ヤポネス系ラジルポ人2世と言われる世代で、むこうに移民した人の子孫という事になるそうです。

 ヤポネス人の血が表に出ているせいか、見た目はラジルポ人らしくありません。

 黙って椅子にでも座っていれば、生粋のヤポネス人と区別できないかも。


 ネイティブに言葉を教わるというのは、文字通り『生きた』ラジルポ語を教えてもらえるという事で、進学試験の時にしか役に立たないと揶揄される教科書の内容とは別次元のお話です。

 こういうのが好きな人には、貴重なチャンスかも知れませんけど……


 ぶっちゃけ外国語は苦手です。今まで使ったことがないんですから、発音だってカタコト言葉になるのは仕方が無いと思います。

 ラジルポ語はヤポネス語とは全く別の言葉で、文字体系から違うんですから。

 それを勉強しなくっちゃいけないなんて、僕たちは不幸です。


『コバーンワ』『サヨオオナ』

「もう一回!」


 平たく言えば補習ですが、何もこんな時にやらなくてもいいと思います。

 出席しているのは、僕と大地だけだし。


『マホーノコト~バ』『フーシッギのコト~ヴァ』

「うがあああああああああ!」


 もう少しかな?

 僕は大地に目くばせをした。

 口の端だけをにやりとさせると、

『ポポぽポーン』『ポポポぽーン』


「ふ、ふふふふふ……」


 うん、綺麗にハモったね、うん。って、やり過ぎたかな?

「ちょっとヤバいかな?」

「そんな感じだね……」


 先生はうつむいたまま、細かく肩を震わせながら何かに耐えているようだ。

 と、ざわりと空気が揺れた。

「あなたタチ…… お仕置きが必要ネ」

「え?」

「やっておしまいなさい、アレックス!」

「「どえええええ!?」」


まあ、何と言いますか……

やっちまった感がありますけど……

まあいいか(笑)

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