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第11話

 …………暑い。

 身体がどろどろに融けそうだ。

 そうか、屋上で昼寝をしているうちに加藤の抱き枕にされていたはずだけど……

 なんで加藤が増えているんだ?


「にゃぁ」

 ……にゃぁ?

 よく見たらネコの群れだ。どこから集まってきたんだろう。10匹近くのネコが僕たちの周りにいる。おなかの上に乗っているのは子猫だ。首に赤いリボンを巻いているところを見ると、どこかの家で飼われてるんだろう。


 ンな事はどうでもいいや。

 この陽気でネコまみれになってると、さすがに暑い。加藤ががっちりと抱きしめてるから身動きもとれない。

 ええと、困ったな。


「やあ、瑞希。暖かそうでいいねぇ」

「どうでもいいけど助けて」

「やだ」

「暑い。蒸れる。このままではしむ……」


 大地は意地悪そうな笑顔を浮かべながら言った。

「大好きなネコに囲まれてるんだから、少しぐらいは我慢すれば? それとも佐奈先輩と一緒の方がよかったのかな?」

「……返事に困るような質問はやめてよ」

「まあ、いいけどね。ちょっと手伝ってくれる?」


 しゃがんだ時にふわりとスカートが…… スカート?

 セーラー服は今朝のままでいいとして、なんでスカートなんかはいてるの?

 いぶかしがるような僕の視線の意味に気づいたように言った。


「僕のズボンは今頃…… 路川さんが穿いてると思うよ」

「どうしてこうなったの?」

「みんなで弁当を食べてる時に、ズボンにお茶をこぼしちゃってね」

 というか、わざとこぼされたんだろ。

 で、あーなって、こーなって…… うん、大体のところは想像できた。大地には悪いけど屋上で弁当を食べてて正解だったみたいだね、うん。


「……干してる間に、というところかな。じゃあ、そのスカートは?」

「もちろん路川さんのだけど」

 やっぱりそうか。どうせ着替えようとしたら体操服を隠されてて、だろ。


「大地も可愛いからニャ。二人ともホントにオスなのか不安になってきたニャ」

「ねっ、ねえ、落ち着いてよ…… ね、ね!?」

「ふ、ふふふふふ……」


 黒いオーラを纏った大地は懐からデリンジャーを取り出した。手のひらに収まるU字型のそれには、小さな魔法陣がいくつか記録されている。セレクターで魔力回路を切り替えて、魔力を流せば、簡単な魔法を発動させる事が出来るというものだ。

「やめてええ!」

「うにゃ!」

 大地の攻撃は加藤が尻尾をふわりとさせただけで消え去った。

「護身用の初級魔法だからニャあ」

 ふうう、よかった。

 不発か。


 今朝からこんなのばっかりだ…………


デリンジャーです。あまり武器に詳しくないので名前はテキトーです。

タイトルは憶えていませんが、月が宇宙を放浪していて、そこにあった基地に人間がまだ残っていて… という昔の映画を見た事がありますが……

基地のメンバーが使っていたレーザーガンが、全然ピストルっぽくなかったんですが、それだからこそ使ってみたいデザインでした。

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