表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生して死霊術士になったけど敵が多すぎてヤバイ!  作者: はくさい
外伝 錬金術師が悪い死霊術士と戦うお話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/130

外伝17 戦いの結果


「がはっ!!」


 一瞬意識を失った私は、気が付くと森の上を吹き飛んでいた。


 ドラゴンのブレスを避けようとスキルで上に跳んでいる最中に、ブレス当たってしまったのだろう。

 

 バキバキ!ドスン!ゴロゴロ!


「ぐぅ・・・」

 体がうまく動かず、ろくに受け身もとることができなかった。

 体中が激しく痛む。左腕に感覚がない。見ると左腕が真っ黒に焦げていて指も無くなっている。おそらくブレスが直撃したのだろう。頭や胴体に直撃していたら死んでいた。

 幸い左腕以外は何とか動かすことができる。とにかく治療しなければ。敵が襲ってくるかもしれない。マジックバッグから最上級ポーションを取り出して飲んだ。欠損も治す最上級ポーションなら左腕も治るはずだ。


 体が治っていくのを感じながら立ち上がり、自分と周囲の状況を確認する。

 光の薙刀は無くなってしまった。ポールハイジャンプの体勢を考えるとブレスに当たってしまったのだろう。近くには無いし、見つかっても壊れているかもしれない。

「ガガ・・敗北・・97%・・撤退・・推奨・」 ジェリーが喋った。

「ジェリー?! 壊れたの?!」

 左肩に着けていたジェリーを見ると表面に大きな亀裂が入っていて一部かけている。ブレスがかすってしまったのだろう。

 しかも敗北と言っている。もしかして皆やられてしまったの?

 ジェリーのバリアもあったのに当たれば死んでいた。他の仲間も防御スキルを使っていたとしても無事ではないかもしれない。

「くっ!」 

 まさかまた負けるの?

 傷の治りが遅い。鑑定してみると闇のドラゴンブレスでバッドステータスが色々かかっている。

 左腕はまだ動かない。光の薙刀を失ったのでアンデッドの浄化も難しい。現在の位置も良く分からない。

 一旦森の外に出て外の仲間に合流して状況を確認した方がいい。他の仲間も撤退しているかもしれない。

 予備武器の火の魔法槍を取り出して右腕で持つ。左腕以外の装備は無事だ。ザコ相手なら戦えるだろう。


 方角は何とか分かったので、周囲を警戒しつつ森の外に向かった。



 しばらく進み森の外に出ると見覚えのない場所だった。おそらく森に入った位置よりだいぶ北側にそれてしまったのだろう。南側の町から来たので南側なら多少見覚えがあるはずだ。


 少し南に向かって走ると仲間のキャンプが見えて来た。まだ遠すぎて良く分からないが騒がしいし、人が多い。


 まさか?!


 見える位置まで近づくと、ニャニが火の大剣を持った大男と忍者相手に戦っていて、今まさに足を斬られて倒されたところだった。


 ・・・仮面をつけているが、あの大剣と動きはガオルだ。豪快なガオルの顔が頭をよぎる。


 ドクンドクンと心臓が鳴り響き、体が震える。


 奥を見れば他の仲間も全員やられている。アインも倒れている・・・


「はぁっ、はぁっ、」 怒りと絶望で呼吸が荒くなり、視界がチカチカと明滅する。

「こんな・・・なんで・・・」 涙が零れる。

 勝てる準備をしてきたのに。勇者だってつれてきた。皆勝てると言っていたのに・・・どうして!

 頭の中がぐちゃぐちゃになり、胸の中の黒い炎が激しく渦巻く。

 もういい!死ぬまで全力で戦ってやる!


 何もかも忘れて全力で戦おうと一歩踏み出し時、ズキンと左腕が痛んだ。

「ガガ・・撤退・・」 ジェリーが喋る。


 痛みとジェリーの声が私を正気に戻す。

 左腕はまだまともに動かない。光の薙刀も無い。ジェリーも故障している。この状況でガオルと忍者相手に戦えるわけがない。

 今の私では全力で戦うこともできない・・・


 こちらに気づいた敵が、戦闘態勢を取りながら向かってくる。


「ぐうぅ・・!」 私は悔しさに呻きながら撤退を決めた。


 ポールハイジャンプのスキルで西に向かって空高く飛び上がり、魔法の靴で空中を蹴ってさらに高度を上げた。

 最大高度に達したところで、マジックバッグからハンググライダーを出す。

 移動速度を上げるために見様見真似で作ったものだ。風の鎧と魔法の靴を組み合わせればMPが続くかぎり飛び続けることができる。

 できはあまり良くないし、体を水平にはできずぶら下がった状態なので、速度は走るのと変わらない。それでも地形を無視して一直線に進めるのでかなり早く移動できる。


 後ろを振り返るが、やはり敵は追ってこれないようだ。


 倒れている仲間が運ばれている。またアンデッドにされてしまうのだろう。

「うう・・・」 悲しさと悔しさで涙が止まらない。

 どうしてこうなってしまうのか。あのドラゴンは何だったのだろうか。なぜギルバーンは生きていたのか。勇者やミレイもブレスでやられてしまったのだろうか。何もわからない。


 レバニールの町に向かっても、追手が来る可能性もあるし生き残りの仲間と合流できる可能性は低いだろう。一番足の速いニャニがやられてしまっているので、生き残りは一人もいないかもしれない。



 美しく夕焼けに染まった空の下、私は泣きながら逃げるように西に向かって飛び続けた。


 

 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ