第64話 狐兄妹のレベル上げ
その後、ヨーラムさんは打ち合わせとお祝いをかねた食事会をしてから帰っていった。
ヨーマ君はヨーラムさんと同じく戦士を覚えてレベル上げをすることになった。ヨーマ君は、ヨーラムさんのように商人を覚えてからレベル上げをするか悩んだようだが、商人を覚えるために行商をする予定らしく、安全に行商をするために先にレベル上げをすることにしたそうだ。
もう一人の聖騎士枠については、急がないので無理に探す必要は無いと伝えた。そして一応聖騎士以外にも魔王と一緒に戦う仲間候補を見つけたら連れてきてもらうよう伝えた。基本よほど良い人が見つからない限りは連れてこなくていいと言っておいたので、大勢来たりはしないだろう。
次の日は、さっそくヨーコちゃんとヨーマ君のレベル上げを行った。
その結果、ヨーコちゃんのステータスはこうなった。
ヨーコちゃん 狐獣人Lv91
聖騎士Lv91 戦士Lv1
HP /45442
MP /22756
身体能力 118
物理攻撃 8928
物理防御 9257
魔法攻撃 4921
魔法防御 5292
うむ。強いな。レベルがカンストしそうだ。ただ残念ながらヨゾラさんには及ばなかった。ヨゾラさんは種族が人間の分経験値が多いからな。ただユリアさんと比べても総合的にはあまり変わらない。ヨーコちゃんは前衛寄りでユリアさんが後衛寄りのステータスというだけだな。結論としては、職業が多くても弱い職業がなければ総合的な強さはそんなに変わらないということだな。戦闘スタイルに合った職業を覚えることの方が大事だという感じだ。まあ普通の結論でちょっと残念だな。とんでもなく強くなったりはしないということだ。
戦士がレベル1なのはレベル上げが終わったあとに意図的に覚えたからだ。身体強化のスキルを覚えるためだ。ヨーコちゃんは身体能力だけはヨゾラさんより高い。種族レベルが一番高いからだな。それに狐獣人は人間より基礎能力も高いので、近接戦闘に大事な腕力や脚力はヨゾラさんよりだいぶ高いようだ。身体強化のスキルがあるとかなり有効だ。とりあえず俺よりは大分強いし、近接戦闘の主力として活躍してくれるだろう。
ヨーマ君はこんな感じだ。
ヨーマ君 狐獣人Lv91
戦士Lv91
HP /43685
MP /6011
身体能力 118
物理攻撃 4741
物理防御 4741
魔法攻撃 735
魔法防御 555
レベルはヨーコちゃんと同じだな。こうして比べるとやはり聖騎士はだいぶ強いようだ。まあ戦士でも十分強いけどな。普通にSランク冒険者になれそうな感じだ。
俺はその辺の無職を1日でSランク戦士に変えることができるということだな。何かかなりヤバい能力な気がしてきた。変なヤツをSランク戦士にしてしまったら、俺ツエーしだして大混乱が起こったりするんじゃないだろうか。気を付けよう。
ヨーマ君は商人の職業を習得するためにすぐに行商に行くことにしたようだ。商人になるための勉強はすでに終えていて、あとは店を経営するか行商をするかして自分で商売をする経験を積むだけだったそうだ。ヨーラムさんがアンデッド事業で目立ってしまい狙われるかもしれないので様子見をしていたそうだが、狙われても返り討ちにできるくらい強くなったので行商に行くことにしたらしい。カイザーゴンドラで手伝おうか聞いてみたが、ヨーラムさんに普通の行商を経験するよう言われているそうだ。それにあまり楽をすると職業を覚えにくいらしい。旅行で色々な町に連れて行ってもらっただけで助けになっているから十分だと言われた。文官の職業も覚えたいそうなので、商人を覚えた後またここに滞在したいそうだ。執事長に聞くと、才能があるのであと1年くらいここで働きながら勉強すれば文官を覚えられるそうだ。いつの間にかうちで働いていたらしい。結構な数の配下が常に活動しているので、物資管理や財産管理の仕事があり、文官の経験が積めるそうだ。まあそういうことなら商人になって戻ってくるのを楽しみにしていよう。ちょっと寂しいが若者の門出は良いものだ。
ヨーマ君は笑顔で旅立っていった。
ヨーコちゃんは、剣道の修行を本格的に始めた。
ヨゾラさんは、スキルを使った新たな剣道を研究しながらヨーコちゃんに教えている。
ユリアさんは、配下の聖騎士から盾と片手剣とこの世界のスタンダードな聖騎士の戦い方を学んでいる。
俺は配下のレベル上げだが、三人ががんばっているのに座ってダラダラするのも気が引けたので、槍の訓練をしながら配下のレベル上げをした。まあ休み休みだが。
しかしヨーコちゃんの訓練をすると問題があることが分かった。それはヨーコちゃんの装備だ。火の魔法剣は配下が使っていた良い物があったので問題なかったが、防具と魔法の靴はヨーコちゃんが使える良い物が無かった。特に魔法の靴だ。配下の前衛はほぼ男性なので、魔法の靴も前衛用の良い防具も女性用は持っていない。これではせっかく一番身体能力が高い前衛なのに良い働きができないだろう。ユリアさんが後衛メインだから魔法の靴を譲ろうかという話も出たが、さすがにヨーコちゃんが固辞した。後から入ってきて先輩の装備を奪うのは嫌なのだろう。命がかかっているのにそんなこと気にするのもどうかと思ったが、気まずくなって連携が悪くなったりしたら危険なので本人の意志を尊重した。それにユリアさんも結構接近戦が強くなったしな。魔法の靴は全員装備したい。
そこでヨーラムさんに連絡をして、ヨーコちゃんが使える魔法の靴や良い防具を探してもらうことにした。見つからなければ男性用をヨーコちゃん用に作り替えられる職人でも良い。娘のためということで、ヨーラムさんは快く引き受けてくれた。
まあまだ魔王の気配すらないので、急がなくても良いだろう。訓練しながら、のんびり待とう。
こうしていつ現れるか分からない魔王と戦う準備をしながら、俺達は束の間の平和な暮らしを楽しんだ。
まあどうせそのうちまた厄介ごとが起きるだろう。それまではのんびりしよう。
俺はせわしなく働く配下達をのんびり眺めながら、配下が作った生絞りフルーツジュースを飲んだ。




