第61話 仲間二人のレベル上げ
勇者のレベル上げを終えた後、俺はレベル上げ用の魔物のレベルを上げなおした。勇者が予想以上に強くなったので、勇者を使ってレベル上げすればもっと魔物のレベルを上げられると思ったためだ。その結果、以前は40くらいだったBランク魔物と亀、カニ、オークのレベルを50くらいまで上げることができた。やはり勇者は聖騎士よりかなり経験値が多いようだ。それと亀、カニ、オークを追加した分の経験値も結構大きいようだ。Aランク魔物とノワリンは交代要員がいないのでレベルの上げなおしができないのでそのままだ。
この分だとヨゾラさんは俺よりかなり多く経験値を得られそうだ。
皆のレベル上げの準備ができたので、ヨゾラさんとユリアさんのレベルを上げた。二人にオーク、カニ、亀、Bランク魔物3種、Aランク魔物3種、ノワリン、勇者、カイザーの順で10回ずつ倒してもらう。ユリアさんは先に戦士も覚えた。俺も配下も慣れてきていたため、二人のレベル上げは効率よく進み1日で終わった。ユリアさんはノワリンの魔石を砕くのが辛そうだったが、強くなる決意をしたためか、何も言わずにやっていた。
結果が気になったので二人のレベルと基礎ステータスを教えてもらった。
ヨゾラさん 人間Lv62
闇魔法使いLv62 剣士Lv61 戦士Lv57 聖騎士Lv56 神官Lv56 魔法戦士Lv55
HP /59891
MP /35744
身体能力 116
物理攻撃 10238
物理防御 10057
魔法攻撃 8709
魔法防御 6935
ユリアさん 魔族Lv61
雷魔法使いLv60 聖騎士Lv53 神官Lv53 戦士Lv52 魔法戦士Lv51
HP /46655
MP /35632
身体能力 100
物理攻撃 5636
物理防御 7181
魔法攻撃 8778
魔法防御 6507
・・・いや強くなりすぎだろ。
ヨゾラさんは勇者を越えてカイザーと同じくらいになっている。いやカイザーより平均ステータスが高い。ユリアさんも俺より強い。職業が多いのに。一点集中の方が強いとは何だったのか。まあ強いのはシンプルに経験値がたくさん入ったからのようだ。レベルの上がり方を見るかぎり勇者を倒した経験値はかなり多い。
配下の計算によるとヨゾラさんは俺より3~4割多く経験値を得ているそうだ。俺も勇者を配下にしてからレベル上げをすれば良かった。俺はもう人間の上級アンデッドを10回倒してしまっているので勇者を倒しても経験値が入らない。未来予知なんてできないから仕方ないが損した気分だ。まあ俺がレベル上げをしていなかったら勇者を配下にできなかったかもしれない。あの感じだと俺が弱かったらカイザーがやられたり逃げられたりしていた可能性がある。逆にレベル上げ済みで良かったと思っておこう。
ユリアさんが得た経験値は俺と同じくらいらしい。人間は得られる経験値が多いからだな。種族特性というやつだ。ユリアさんが俺より強いのは死霊術士がMP以外あまり上がらないからだ。死霊術士に経験値をとられた分弱いわけだな。その証拠にMPだけは二人より俺の方が多い。他は全部負けているが。
ちなみに魔族は魔法強化のスキルが使えるのと魔法系ステータスが多く上がるのが種族特性だ。
まあ勇者が最強なのは変わらないが、防御なら無敵のヨゾラさんが一番だし、遠距離攻撃はユリアさんの雷魔法の方が勇者の必殺技より射程や速度などが上みたいなので、二人とも状況次第では勇者を上回る場面があるだろう。
この感じなら戦闘での俺の役目は今後もこれまでどおり死体収納と配下の出し入れになりそうだ。世界最強になったことで勇者戦ではがんばってしまったが、最強の座はヨゾラさんに奪われてしまったので、またヨゾラさんの後ろの定位置に戻ろう。短い天下だった。明智光秀さん並みだ。
ちなみに勇者はアンデッドになったので最強の人間ランキングからは除外だ。魔物扱いだ。
俺達三人のレベル上げが終わったので、結果を踏まえて装備の見直しをすることにした。勇者達も良い装備を身に着けていたしな。
色々確認したが基本俺達と同程度の装備だったので、メイン武具は変更なかったが、特筆すべき点としては、日本人全員と強面聖騎士がマジックバッグと魔法の靴を装備していたことと、強面聖騎士は光の魔法剣を装備していたことだ。あとは即死を防ぐタリスマンも4つ手に入った。
まずマジックバッグは、5つあるので、俺達3人が一つずつ使い、残りはとりあえず荷物持ちに持たせた。容量は馬車1台分くらいで、重量軽減効果がある。10分の1くらいのようだ。時間停止機能は無いらしい。死体収納の方が高性能だな。
マジックバッグの中には、着替えとか生活用品とかお菓子とか私物が色々入っていたので、中身は配下に整理させて馬車に移した。使えそうな物は回復アイテムで、特に欠損を治せる最上級ポーションが激レアアイテムだ。アスカさんが作ったらしい。さすが錬金術師だな。聖女がいるから使う予定は無いが、緊急用に一人ひとつずつ持っておくことにした。それ以外は各自自由に使う。俺は死体収納があるので、特に何も思わなかったが、ヨゾラさんとユリアさんは凄く嬉しそうだ。今までは俺に声をかけないと荷物が出せなかったからな。不便だったのだろう。
しかし今までマジックバッグを売っているのを見たことが無かったが、やはり存在していたらしい。まあ俺には不要だったので探していなかったから知らなかっただけかもしれないが。これもアスカさんが作ったそうだ。錬金術師便利すぎだ。・・・まあ俺ほどではないか。
魔法の靴は、今までユリアさんは装備していなかったが、ユリアさんも近接戦闘職を色々覚えたので、大魔導士が装備していた魔法の靴はユリアさんに使ってもらった。大魔導士は魔法の靴を装備していたので近接戦闘ができるのか聞いていみると、一人だけ仲間外れが嫌だから作ってもらっただけだそうだ。近接戦闘はできないらしい。わがまま娘だったようだ。見た目が男を振り回してそうなエロカワ小悪魔系だしな。周りの男どもにチヤホヤされていたのだろう。・・・過去の黒歴史を思い出してしまいそうだ。忘れよう。
勇者と強面聖騎士は主力になるので、そのまま魔法の靴を使ってもらうとして、祓魔師と山賊は主力として使うつもりはないので、魔法の靴はサイズの合いそうな他の配下に装備させることにした。カゲイチにいるか聞いてみたが忍者はスキルで同じことができるのでいらないらしい。なので聖騎士二人に装備させた。これで魔法の靴を装備している配下は、勇者と聖騎士3人と獅子獣人剣士で計5人になった。だいたい強い順なので良いだろう。獅子獣人剣士の靴はサイズがでかすぎて他の配下には合わないしな。
そして光の魔法剣だが、片手剣だったのでユリアさんが装備することになった。光の魔法剣はアンデッドが使うと発動状態で持っているだけで手が焼けてしまい使えなかったからだ。ヨゾラさんは剣道なので両手持ちの剣を使っているし、光の魔法剣はヨゾラさんの闇魔法を撃ち消してしまい付与できないのでユリアさんになった。光の魔法剣は太陽の炎の隊長に代々伝わる由緒ある剣だったようで、装備していた強面聖騎士は太陽の炎の隊長らしい。ユリアさんは、遠距離では聖女が使っていた魔力の杖で戦うが、接近された場合は光の魔法剣で戦うという、武器を持ち替えながら戦うスタイルになった。マジックバッグがあるので武器を複数持っても邪魔にならない。ユリアさんは魔法攻撃が高いし魔法戦士も覚えたので、魔法剣での攻撃はかなりの威力だろう。今までは盾を習っていたが、今後は聖騎士から片手剣も一緒に習うそうだ。強くなるためにやる気満々だ。防具は聖女の光の法衣が強いのでそのままだが、近接戦闘でも動きやすいようにベルトで縛ったりして旅人アレンジにして着ることにしたようだ。
ユリアさんは由緒ある光の剣と旅人アレンジの光の法衣と火の小盾を装備し、さらに雷を剣に纏わせて戦う。めちゃくちゃかっこいい。一気に主人公みたいになった。伝説の魔法剣士として語り継がれそうなレベルだ。実際魔王を倒したら伝説の英雄として語り継がれるだろう。後世で一番人気になってもおかしくない。
もしかしてこの世界の主人公はユリアさんで俺達はユリアさんを育てるために存在していたのでは?とか本気で思ってしまいそうだ。まあその場合は俺達は後を託して死ぬポジションだな。それは嫌だ。というか俺が死んだら激強配下アンデッド達が野放しになってしまう。配下が魔王の部下になってしまったりしたら世界が滅びそうだ。まあ逆に自主的に魔王と戦う可能性もあるけどな。生前の記憶の影響とかありそうだし。とにかく死なないようにしよう。
のんびりダラダラ暮らしたい俺は、未来の伝説の英雄になりそうな光り輝くユリアさんを見ながら、世界平和を祈った。




