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転生して死霊術士になったけど敵が多すぎてヤバイ!  作者: はくさい
第五章

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第78話 海の魔物


 俺は強い海の魔物を配下にするため、カイザーシップで割と強いサメの魔物が出るという海域にやってきた。


 強い魔物の情報は色々あったが、速くて強くてしかも強すぎない丁度良い魔物がサメの魔物だった。巨大なイカやらシャチやらクジラやら海竜やらのもっと強そうな魔物の情報もあったが、強すぎる魔物は情報が不確かだし勝てるか怪しいので、詳細な情報があって全力を出せば問題なく勝てそうなサメの魔物にしておいた。


 やはり海は強くて巨大な魔物が多い危険地帯のようだ。


 そんな状況の海を航海して貿易船は大丈夫なのか気になったので配下に聞いてみると、貿易船は危険海域では魔物除けの魔道具か魔物除けの薬品を使うそうだ。この船にも魔物除けの魔道具は設置されているらしい。ただ、魔道具や薬品はそこまで完璧な効果があるわけではないので、魔物を刺激したりすると襲ってくる。なので、たまに沈められてしまうことがあるそうだ。やはり貿易も命がけなんだな。

 ちなみに今回は魔物を釣るのが目的なので魔物除けの魔道具は使わない。魔物が逃げそうなのでカイザーも収納しておく。・・・ちょっと不安だな。



 ともかく、さっそくでかい釣り針に適当な魔物の死体を突き刺して海に投げ入れ、釣りを開始する。釣り針は頑丈なロープで船につながっていて、巻き取る装置もついている。

 釣れるのを待っている間に、水中装備をつけた海賊配下達を出撃させて強い魔物の捕獲ができるか試す。水中装備をつけて集団で戦えば、捕獲できる良い魔物がいるかもしれないからだ。

 俺は船の上でのんびり待つだけだ。沖だと結構揺れるので、聖女に酔い止めがわりに状態異常無効の魔法をかけてもらった。

 もはや俺にとって聖女は、お手軽な薬箱みたいなものだ。疲れた時に回復魔法をかけてもらうと元気になるので、栄養ドリンクの代わりにもなる。宗教関係者にバレたら怒鳴られそうだな。・・・まあアンデッドな時点でアレだが。



 弱い魔物に餌をとられたり、海賊配下が捕ってきた魔物を収納したりしながら2時間ほどたった時だった。


 突然船がガクンと揺れた。

「うわっ!」

 その後もグワングワン船が揺れ続けるので慌てて手すりに掴まった。

「どうした?!」

「獲物がかかりました!」 釣り担当の配下が返事をした。

 どうやら目的のサメがかかったらしい。

 それは良いが、めちゃくちゃ揺れる。ステータスが高いから手すりに掴まっていられるが、手を放したら海に放り出されそうだ。サメの魔物はかなりパワーがあるらしい。こんなに揺れて船は大丈夫なのだろうか?

 釣り担当の海賊配下達を見てみると、揺れる船の上でも動けてはいるが非常に手際が悪い。暴れるロープに跳ね飛ばされてしまったり、巻いたロープが引き戻されてしまったりしている。器具を使い慣れていないのだろう。誰が見ても分かるレベルで素人な感じだ。

 漁師ではないから仕方ないのかもしれないが、これではいつまでたっても釣りあげられそうもない。

「銛は投げられないのか?!」

 槍士や漁師がロープ付きの銛を投げると聞いていたので、槍士の職業を持っているAランク冒険者のケルトと騎士のレオスにも準備させていた。

「この揺れではスマッシュジャベリンは使えません!」 レオスが返事をした。スマッシュジャベリンというのは槍投げスキルのことだ。

「どういうことだ!漁では銛を投げるんじゃなかったのか?!」

「へい!槍士は別の船から投げていたかもしれやせん!」 漁の経験者で釣りの指揮をとっていた海賊が答えた。

 複数の船が必要だったってことか?! なんで先に言わないんだ! 

 クソ! 犯罪者になって捕まるような奴に任せたのが間違いだったか。漁の経験者といっても下っ端として参加しただけみたいだしな。


 ・・・とりあえず落ち着いて考えよう。漁師なら揺れても投げられたのかもしれないが、今はどうしようもない。とにかく何とかしなければ。


 ・・・思いつかない。カイザーに攻撃させたら船ごと壊れそうだしな。


「誰か何か良い案はないか?!」 こういう時は配下まかせだ。何もなければ海賊配下達に適当に攻撃させよう。

「私がユージ様を背負って獲物の近くまで走るのはどうでしょうか?」 突然横に現れたカゲイチが言った。

「うお!ビックリした!」 こいつはいつも心臓に悪いな。揺れる船でも平然と立っているし。まあいい。

「俺を背負っても水面を走れるのか?」 高レベル忍者のカゲイチは忍術で水面の上を走ったりできる。

「はい。問題ありません。」

 俺を背負って水面を走れるなら近づいて死体収納できそうだな。走っている最中に突然下からパックンチョされそうで怖いが、俺もステータスは高いし、万一攻撃を受けてもすぐ死体収納で反撃すれば大丈夫だろう。・・・たぶん。


「よし!分かった!やってみよう!」 俺はカゲイチの背中に乗った。

 カゲイチは俺を背負っても揺れる船の上で平然と立っていて、逆に変な感覚で気持ち悪い。

 カゲイチが水面に向かって飛び降りる。

 ヒエッ! おんぶされた状態で飛び降りるのは怖いな・・・

 難なく着地、いや着水して、そのままカゲイチがシュタタと波打つ水面を走ると、波の合い間にサメの背ビレが見えてきた。ノコギリのようなギザギザが付いた大きなヒレだ。早めに叩かないとロープが切られそうだな。

 潜ったり浮上したりして暴れまわっている。潜られると見えない。見えないと死体収納が使えない。

 まあ、変に指示すると失敗しそうなので、動きはカゲイチに任せて、俺は死体収納に集中しよう。


 サメに近づくと、死体収納の射程に入る前にサメは水中に潜って見えなくなってしまった。カゲイチも立ち止まる。

 どうするのかと思っていると、カゲイチが突然右に回避行動をとった。


 ザバーッ!


 水中から巨大なサメが現れた。真下からの攻撃をカゲイチが回避したようだ。


 今だ!死体収納!


 海から半分突き出たサメの巨体が消える。成功だ!


 よし! 俺もこういうことに大分慣れてきたからな。落ち着いて対処することができた。


 俺には敵の攻撃タイミングはまったく分からなかったが、カゲイチは気配察知のスキルがあるから見えなくてもタイミングが分かったのだろう。

 できれば俺も不意打ちを防げる感知系のスキルが欲しいが、忍者や斥候等の職業を自力習得できる気がしないので諦めている。


 俺はうまくいったことに気を良くして意気揚々と船に戻った。まあカゲイチにおんぶされている間抜けな見た目だが。


 サメを配下にするのは島に戻ってからにしよう。魚系の魔物を水のない船の上で配下にすると失敗してゾンビになりそうで不安だし、危険なこの場所で潜って作業をしたくもないからな。



 このままもう1匹ぐらい釣っていこうか考えていると


 ズガン!!


 突然大きな音がして船が傾いた。

「うわっ!」 今度は何だ?!


「海の悪魔だ!」 海賊の配下が叫んだ。 


「海の悪魔?!」 なんだそれ?!ヤバい魔物が来たのか?!


 ズバーン!バキバキ! 


 大きな長くて太くてグニャグニャした物が船の甲板に叩きつけられ、甲板が割れた。船が大きく揺れる。


「くっ、どうする?!」

 カイザーを出して全力戦闘するか? いや船は捨てて逃げた方がいいか? Sランク魔物だったらヤバいぞ!


 叩きつけられたのは赤黒い大きな触手のようだ。吸盤がたくさんついている。


「・・・ってタコじゃねーか!!」


 本体は見えないがどう見てもタコの足だ。

 蠢く触手が射程内に入ったので死体収納を使ってみた。

 タコの足は消えた。そして静かになった。


 ・・・どうやら本体ごと収納できたようだ。


 ・・・ふぅ、焦らせやがって。海の悪魔とか凄そうな名前つけるなよ。・・・まあ結構でかそうだったから危険な魔物だったのかもしれないが。


「ユージ様。船底に穴が開いて浸水しています。このままでは沈みます。」 配下が言った。 

「ええ?!」 言われてみれば船は徐々に傾いている。


 俺はあわててカイザーを出して船を持ち上げさせ、とりあえず低空で待機させた。



 1匹だけだが目的の魔物も手に入れたし、船に穴が開いては継続できないので島に帰ることにした。甲板の板等も割れているし修理が必要だろう。帰って手に入れた魔物の能力確認でもしよう。


 俺は遠隔命令のスキルで水中戦闘をしていた配下達を呼び戻して船に乗せた。やられて動けない配下もいるようなので配下召喚のスキルも使う。どうやらタコはかなり強かったようだ。



 ひと通り回収した後、俺はボロボロになってしまった船を見てため息をついた。


 おそらくまだまだ海にはヤバい魔物がたくさんいるんだろう。海の魔物集めは大変そうだ。



 俺は先が思いやられると嘆きながら、不気味な海の上を島に向かって飛んだ。



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