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護衛2

ウィルネスの書斎に行くと、思いもよらない人物が立っていた。


「セイウスさん!」


事件以来、久しぶりの再開だ。


「おお、アイリス来たか。座りなさい」


ウィルネスに言われてアイリスはソファに座った。


向かいにウィルネスが座るがセイウスは立ったままだ。


「あの………お父様、どうしてセイウスさんが我が家の騎士の服を着ているのですか?」


セイウスはルーイと同じローズネス家の騎士の格好をしていた。


この間、王城であったときは国家騎士団の格好をしていたのに、だ。


「気がついたか。ならば本題に入ったほうが良さそうだな」


ウィルネスはそう言うとバンの入れた紅茶を口に含んだ。


「今回の誘拐未遂事件が起きて、ルーイを解雇することはしなかったが、アイリスの専属騎士はルーイ本人が辞退した。私もさすがに専属騎士として雇い続けることはアイリスの頼みでも頷けないから、了承した」


たしかにあの事件の後、ルーイ以外が護衛についている。


「しかし、我が家の騎士団の中で一番腕が立つのはルーイだ。それ以上の騎士となると我が家にはいない」


「まさか………私にルーイ以上の騎士をつけるためにセイウスさんを専属騎士にするつもりですか?」


「さすがアイリス、賢いね。陛下に頼んでセイウス殿を借りてきたのだ」


「陛下の護衛の方が大切です」


公爵令嬢より国王陛下の護衛の方が大切なのに、そんなに軽く借りてきてもらっては困る。


「事件を詳細を聞いて陛下自ら提案してくれたのだよ。セイウス殿も快諾してくれたしね」


アイリスがセイウスを見ると、セイウスは片膝をついて右手を胸に充てる、忠誠のポーズをとった。


「アイリス様、我が命をかけても貴女様をお守りいたします」


「ちょっ、やめて下さい」


アイリスが慌てるとセイウスは立ち上がって微笑んだ。


「貴女を守りたいと私が志願しました。どうか許可願えませんか?」


アイリスは困ったようにウィルネスに視線を移した。


「アイリスは言っていただろう?セイウス殿との婚約を私が打診した時に、会って間がないから決められないと。専属騎士なら一緒にいる時間も長い。今回みたいな事件を起こさないためにも前向きに考えてほしいのだ」


「お父様…………」


「私はセイウス殿以上にアイリスの婚約者に相応しい男はいないと思っている。ただ、無理強いはしたくないのだ。専属騎士として側で彼を見て、考えてくれないか」


「私からもお願いします」


2人にそう言われて、アイリスは頷くしかなかった。


まさか、セイウスが専属騎士になるなんて。


ニコニコと嬉しそうに微笑むセイウスを見て、なんとも言えない心地になった。

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