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鼓動2

久しぶりに3人で食事をしてから、あっという間に時間は過ぎてセイウスとネックレスを見に行く当日となった。


今回もセイウスが馬車で公爵邸までやってきて、一緒に街に向かう事になっている。


公爵邸に宝石商を呼び寄せることもできたのだが、前回のカフェがお預け状態となっているため街の店舗でネックレスを選んでからカフェに行くことになった。


その方がアイリスが喜ぶだろうというセイウスの配慮だ。


また街に行ける事に喜びを隠せないアイリスには、もう一つ嬉しいことがあった。


それはリズも一緒に街に行くということだった。


リズの実家であるスータ子爵のお店に行くため同行する事となったのだ。


「アイリス様の誕生会につけるネックレスです。当日のドレスに似合うものを私も一緒に探させて頂きます」


とリズ。


「心強いわ」


「アイリス様とウルフレッド様が気に入るのが一番ですが、当日のドレスに似合うものを助言させていただきますね」


「ありがとう」


そんな話をしていると、セイウスがやってきたとの知らせが入った。


二人は準備して玄関へと急ぐ。


セイウスは前回よりはややフォーマルな装いだった。


とても良く似合っている。


「おはようございます、アイリスさん」


「おはようございます、セイウスさん」


セイウスはアイリスを確認すると優しくし微笑み


「今日の衣装もよくお似合いですね」


と言った。


その言葉を聞いたときに、トクンと胸の奥が小さく跳ねた気がした。


何かしら………今は。


「ありがとうございます。セイウスさんも素敵ですよ」


答えながら側へと歩み寄る。


エスコートしてくれたので、馬車に乗り込む。


大きな手だな、と思った。


「リズさん、今日はよろしくお願いします」


アイリスを馬車に乗せてから、リズもエスコートして馬車に乗せたセイウス。


最後にセイウスも乗り込み、馬車は動き出した。


リズに助言され、セイウスとアイリスは横並びに座り、リズは対面に座った。


大きな身体。


170センチある自分が小さく見えるその体躯に暫く見惚れてしまう。


重いもの、なんでも持てそう………私を持ち上げる事も可能かもしれないわ。


そんなことをぼんやり考えていると


「アイリスさんはどんなネックレスがいいとかありますか?」


と声をかけられてドキリとした。


「あ………そうですね………この間お話したように青か黄色の宝石のネックレスがいいかなと思っています」


言いながらセイウスの瞳と髪に視線をうつす。


透き通るきれいなブルーの瞳とキラキラと輝く金色の髪。


紫の髪と紫の瞳の自分にはない色だ。


「青や黄色の宝石は持っていないので、とても楽しみです」


「そ、そうですか。スータ殿には事前に説明しているので、アイリスさんに似合いそうなネックレスを用意してくれているはずですよ」


リズを見る。


「はい。お父様にはこちらの要望を伝えて、色々と取り寄せてもらっています。きっと満足できる物に出会えるかと」


そんなリズの自信満々な発言を聞いて、俄然楽しみになった。


馬車はゆっくりと街へと入っていった。



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