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13.エレノアside

約3ヶ月ぶりに投稿します!

お待たせしました

朝、目覚めたら、見慣れた部屋にいた。そう、例の宿屋だ。


(もしかして、全て夢だったのかしら。私がユーディーさんさんから離れようとしたことも、ユーディーさんが私を愛していると言ってくれたことも。)


だが、手首と足首に残る一筋の赤い線。それが夢ではなかったことを表していた。


『エレノアを愛している。』


まっすぐな目でこちらを見つけるユーディーさんの顔を思い出して、1人顔が真っ赤になる。


「いや、私はその。」


本当に?本当に、ユーディーさんが私を?!


トントン


「エレノア?起きてる?」


「は、はい!起きてます!少し着替えるので、お待ちください!」


「分かった、じゃあ下で待ってるね。」


(なぜ、あんな普通そうなの!私はこんなに、こんなに、心を乱されているのに。本当に、貴方は私のことを…信じても、いいのかしら。

いえ、もう疑うのはやめましょう!あの、あのハーロックが真剣な顔で私に、その、愛の言葉を囁いてくれたのですから。)



「おはよ、エレノア。」


「お、おはようユーディーさん。」


「よく眠れた?」


「えぇ。ありがとう。」


「…ごめんね、僕がもっと早く迎えに行っていれば。痛かったよね。」


長袖で見えにくくはなっているものの、手首の真っ赤な線は隠しきれず、その痕をユーディーさんは悲しそうな顔で見つめる。


「これくらい大したことではないわ。それに、貴方が来てくれて良かった。本当にありがとう。」


「ちゃんと、次はちゃんと守るから。」


なんだか嬉しい。こんなに心配してくれる人がいるなんて。


「期待してる。」


「それはそうと、いつ教会にいく?」


「え?」


「あれ、もしかして覚えてない?昨日、エレノアが僕を好きだっていってくれたこと。」


「ちょ、ちょっと、何もこんなところで!」


「両思いだなって思ってたのは、僕、だけだったんだ。」


なんだなんだと食堂にいる人がチラチラと見てくる。最近話すようになった人もいるというのに。は、恥ずかしすぎる。


「覚えてるから、覚えてるから。だから、今その話はやめて、ユーディーさん!」


「ユーディーって呼んでくれたら、その話はまたにするよ。」


彼はニコッと楽しそうな顔で、小悪魔みたいなことをいうのだった。


※※※


「教会というのは、もしかしなくても、夫婦の契りのことよね。」


「そうだよ。いつエレノアが離れていくか心配で心配で。だから、法的にも関係を進めておきたいなぁって思って。少し急だとは思ってるんだけど。どうかな?」


「どうかなって。私はもう離れるつもりはないけれど。」


「でも、不安なんだ。エレノアは美しいし、綺麗だ。だからこそ、エレノアの魅力を思い出して、あの王太子がエレノアを取り戻そうとしたなんてことになったら。王太子だけじゃなくて、世の男共はこぞってエレノアを狙ってる!エレノアはもう少し自分の魅力について知った方がいいよ。」


「ふふ、バカね。アルフ様はご自身の意思で婚約を解消したのよ?いくらなんでも、咎人の私を連れ戻そうなんてある訳ないわ。そんなこと王妃様も許さないでしょうし。」


そう、事実はどうであれ、私は咎人として貴族界から追い出されたのだ。いくらアルフ様でも、私を連れ戻す訳がない。そんなこと百も承知のはずなのに、目の前の愛しい人は、私が奪われるのではないかと心配している。本当に可愛らしい。


「私より、あなたのことが心配だわ。優秀で、人柄もよく、優しいから。世の女性がそんな出来すぎた男性を放って置くわけがないもの。」


ハーロックほどの容姿は持ち合わせてはいないけれど、それでも悪すぎるということはない。

そう考えたら、ハーロックの言うように教会には早めに行く方がいいのではないだろうか。









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