表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/6

第6話 心強い仲間

「すみません、ハイドルンゴブリンの討伐依頼を早急に出してくれませんか!」


 ギルドに駆け込み、受付嬢に向かって一息に叫ぶ。受付嬢は厳しい顔になり、「映像記録はありますか」と尋ねてきた。

 すぐに冒険者プレートを取り出し、再生魔法をかける。空中に映像が再生され、それを見ていた受付嬢の顔がさらに険しくなる。


「ちょっとこれはマズイかもしれないですね…」

「あっ、あの、何がマズイのでしょうか…?」


 どこがマズイのかよくわかっていないアンナが、俺と受付嬢を交互に見ながら質問してくる。


「ハイドルンゴブリンはゴブリン集落の(おさ)となる、ゴブリンの上位種なんだ。…ゴブリン集落の脅威については知っているよな?」

「えっと…農作物に被害が出たり、人に危害を加えたりする…んでしたっけ」

「そうだ。場合によっては、小さな村なら全滅する事もある」

「ぜっ、全滅…」


 全滅という単語に顔を青くしていたが、ハッと何かに気づいたように言う。


「でっ、でも、集落が出来る前ならそこまで強くないんじゃないですか?」

「あながちそうでも無いですよ」


 受付嬢が映像を止め、俺達に見せてくる。


「こちらのハイドルンゴブリンですが、通常の個体より二回り程大きいんです」


 ほら、と言って見せてくれた魔物図鑑。確かに、一般的な大きさよりも大きい。普通なら成人男性と同じ位の身長だが、映像のやつは人間の大きさをゆうに超えている。


「ほとんどの魔物は、体の大きさに比例して強くなるんです。普通のハイドルンゴブリンがCランク程度だとしたら、これはBランク…より少し下程度の強さでしょうね」


 受付嬢が、初心者のアンナに向けて説明をする。それをマジメに聞いているアンナ。これを通して成長してくれたら本望だ。

 …って、俺ら討伐依頼を出しに来たんだよな?早く依頼書を作ってくれないだろうか…。



 受付嬢とアンナが魔物について話し合っていると、不意に肩を叩かれた。振り向くと、ガタイの良い中年男性が満面の笑みを浮かべながら立っていた。


「なぁ、あんたらの話が聞こえたんだが、強えハイドルンゴブリンが出たんだってか?もし良かったらだが、俺とあんたらでパーティーを組んで討伐してみないか?」


 チラリと相手の冒険者プレートを見ると、真鍮――Bランクだった。正直こちらに手を貸してくれるとありがたいのだが、巷では格下から報酬をちょろまかす輩もいるらしいから、警戒する他無い。

 自分だけでは判断出来ないので受付嬢の方を見やると、安心した顔で頷いた。


「セインツさんなら、実力も人柄も安心ですね。どうでしょうか、彼と一緒に討伐をするというのは。お二人には良い経験となるはずです」


 巻き込んでしまったアンナに目配せをすると、ニッコリ笑って頷いた。…よし、決まりだ。


「俺達はハイドルンゴブリンを討伐する。よろしく、ええと…」

「セインツだ」

「セインツさん。早速森に向かおう」

 冒険者プレートの色は、ランクによって分けられています。


F…木(Fランクは子ども専用ランク) D…鉄 C…銅 B…真鍮 A…銀 S…白金



 読んで頂き、ありがとうございました!

 誤字があったら報告して頂けると幸いです。


 面白いと思ったら評価、ブクマ、感想をお願いします〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ